ファシリテーションの歴史

ファシリテーションが生み出された流れはいくつかあり、その歴史をかいつまんで説明しましょう。

FAJと関わりの深い分野で言えば、まずは体験学習の流れがあります。エンカウンターグループと呼ばれる、グループ体験によって学習を促す技法が 1960年代にアメリカで生まれました。その時に、メンバーやグループが成長するために働きかける人をファシリテーターと名づけました。この流れは、体験学習や教育系のファシリテーションとして現在まで続いています。

それとほぼ同時期に、アメリカのコミュニティ・デベロップメント・センター(CDC)で、コミュニティの問題を話し合う技法としてワークショップやファシリテーションが体系化されていきました。こちらは、市民参加型のまちづくり活動へと受け継がれています。

ビジネス分野での応用は、少し遅れた1970年代あたりから、やはりアメリカで始まりました。こちらは、会議を効率的に進める方法として開発され、やがて「ワークアウト」と呼ばれるチームによる現場主導型の業務改革手法に応用されていきました。今ではファシリテーションが専門技能として認知され、重要な会議にファシリテーターを置くのは珍しいことではなくなり、最近は支援型リーダーへと関心が移ってきています。

このような動きは、ほどなく日本にも入り、分野毎に応用や研究がなされてきました。中には、世田谷のまちづくり活動のように日本独自に進化を遂げたものもあります。ビジネス分野で言えば、かつてQCのリーダーがやっていた仕事は、ファシリテーションそのものだといってよいでしょう。ところが、それが専門技能としては認識されておらず、一部の外資系企業を除いて、その言葉すら知らないという状態が長く続きました。

ようやく、21世紀に入った頃からビジネスの世界でも注目を集めるようになり、ファシリテーションに関する書物が店頭に並ぶようになりました。ファシリテーションを専門的に研究する大学院の講座も開講されるようになり、学問的にも注目されはじめました。様々な分野でファシリテーションという言葉が普通に使われる時代がようやくやってきたのです。

出典:堀公俊『ファシリテーション入門』(日経文庫)

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