ファシリテーションの効用

ビジネスパーソン

目まぐるしく変化する環境に対応するには、自律分散的に仕事を進めるしか方法はありません。ファシリテーションを使えば目覚しく会議やプロジェクトが活性化し、効率的かつ効果的にチーム活動を進めることができます。最近では、顧客と一体となってソリューションを考える協働型営業や内部統制を効率的に行うために導入するところも増えてきました。

さらには、大きな組織変革の場では、幅広い参加が納得を生み、納得が行動を生み出すファシリテーションが、成功の鍵を握っていると言っても過言ではありません。社員のやる気と知恵を引き出す「ファシリテーター型リーダー」こそが、21世紀に求められるビジネスリーダーの姿なのです。

加えて、社員教育の場においてもファシリテーションは重要です。従来の一方通行の講義型の研修から、社員の学びを引き出す参加(ワークショップ)型への研修へ転換するのに欠かせないものとなっています。

労働組合

組合員の価値観やニーズが多様化し、連帯意識が薄れた現在、組合内での合意形成を進めるのが困難になってきました。ファシリテーションのスキルがあれば、多様な意見から全員が納得できるコンセンサスをつくりだすのに威力を発揮します。時代のニーズに追従できず沈滞化している労働運動を再活性化させ、新たな運動のビジョンを打ち立てるのに、ファシリテーションへの期待が集まっています。

公務員/自治体職員

地方自治の時代を迎え、地域や団体の個別の要望を役所が調整をしていた時代から、住民同士の主体的な話し合いによって地域の意思を決定する時代へと、まちづくりのやり方が大きく変化していきています。ファシリテーションなくして多様な住民のニーズの調整や地域の合意形成は進められず、ファシリテーション能力を培うことがが、すべての行政職員に求められているといっても過言ではありません。

一方、役所の内部においても、従来の縦割り行政(セクショナリズム)を廃し、課題に応じたプロジェクト型の仕事のやり方をしていかないと、生活者のニーズに対応できません。ビジネス分野と同様、会議やプロジェクトの円滑な進行に寄与するのはもちろん、旧態依然としたお役所の体質を変える起爆剤として注目を浴びています。

NPO/ボランティア団体

この種の団体は、主催者の強いリーダーシップだけでも、ビジネス流のマネジメントだけでも組織が回りません。「好きなことはやる。嫌なことは命令されてもしない」というのが常であり、共有化されたミッションとメンバーのやる気(自発性)だけが活動の原動力になっているからです。メンバーの思いが強いだけに会議も紛糾しがちで、組織外との連携も中々うまくいきません。

メンバーの活動に込めた思いをつむぎ、組織を柔らかくまとめていくファシリテーション能力が、イキイキとした活動を持続させるために必須となっています。ボランティアマネジメントの分野でも注目が高まっています。

コミュニティ/自治会/PTA

全員参加型のコミュニティ組織は、地域社会の崩壊と個人主義の台頭により大きな岐路に立たされています。地域には様々な問題があるにもかかわらず、「誰かがやってくれるだろう」「面倒はゴメンだ」とばかり人(あるいは役所)任せになりがちなのが昨今の風潮です。これでは、すべての人がイキイキと暮らす共生社会は到底実現もできません。

みんなが力をあわせて地域の問題を解決できる力を地域に培うには、話し合いを通じて地域の知恵とエネルギーを引き出すファシリテーションの力が重要な役割を担っています。それによって、「ご近所の底力」を引き出され、地域の社会関係資本(ソーシャルキャピタル)を豊かになります。

医療/福祉関係者

いずれの分野も、受益者のニーズが多様化する中、仕事の内容が高度化・専門化・複雑化し、チーム内でのコミュニケーションや合意形成に大きな問題を抱えています。受益者の命や心を扱うだけに、経営とのジレンマにも悩まされます。

加えて、受益者のQOLを高めるには、地域や関連機関との幅広い連携も大きな課題となってきています。ここで役に立つのがファシリテーション能力であり、受益者(あるいはその家族)を第一に考えた、効果的で強いチームづくりに寄与してくれます。

コンサルタント/士業/研修講師

一方的に押し付けた答(コンテンツ)では人は動かず、その時は分かった気になっても、いずれ忘れてしまうか、神棚に上がってしまいます。自分達で答を見つけるからこそ、人は変わろうと思うものであり、そのプロセスを踏まないと本当の意味での成果に結びつきません。

経験を軸にした内省や相互作用を通じて、自己(組織)変容のプロセスをつくっていくファシリテーション能力が、これからのコンサルタントや講師に求められます。コンテンツを押し付ける指導の場から、プロセスを舵取りする参加型の場へと、大きく変化しつつあるのです。

コーチ/カウンセラー

自己変容を図るアプローチは二つあり、一つは、コーチやカウンセラーの傾聴と質問を触媒とした「内省」によるものです。もう一つは、クライアント同士の経験や考えをぶつけ合い、「相互作用」によって気づきを生み出す方法です。

集団を扱うファシリテーションは後者をベースにしており、関係を使って思考を変え、思考から行動を変えていきます。両方を身につければ、クライアントの状況に応じて、効果的なセッションが行えるようになります。中でもグループプロセスを使ったグループコーチング(カウンセリング)を効果的に行うためには欠かせないスキルです。

社会教育/生涯教育

人間関係、環境教育、人権教育、開発教育、キャリア開発等の社会教育の分野では、ファシリテーションは必要不可欠なものです。知識を得るだけでは本当の理解はできず、参加者がその場で得た体験や過去の経験をもとに深く考えることで、真の学びが生まれてくるからです。

グループプロセスを促進するファシリテーターは、体験の中から安心して自分を開く場をつくり、その場で起こった気づきを引き出して分かち合い、学んだことの意味をつむいでいきます。特に大人の学習では、インストラクター(講師)ではなくファシリテーター(学習促進者)の役割が重要となってきます。

教員/教育委員会

一方的に教科書の内容を伝えるだけの授業は限界にきています。生徒の学びを引き出すファシリテーションが、通常の教科、総合学習、環境などの社会教育の授業を効果的に進めるのに役に立ちます。また、以前から生徒同士の関係を促進するのに活用され、クラスづくりやいじめ問題への応用が進んでいます。

一方、学校の運営においても、特別支援教育をはじめ、課題に応じてチームやコーディネーターをつくって対応する機会が増え、話し合いを円滑に進めるファシリテーション能力が求められるようになってきました。さらには、PTAに代表される地域社会との連携・協働やモンスター親など学校外への問題への対応にも応用ができます。

学生/子ども

学生自治会、クラブ(サークル)活動、学園祭などのイベント運営、合コンなどのボランタリーな組織でファシリテーションが役立つのは前述の通りです。ファシリテーション能力があれば、学生生活をエンジョイできること間違いなし。就職活動でも圧倒的に有利になります。最近の企業面接では、グループディスカッションを取り入れているところが多く、議論をうまくリードできれば社会的なスキルの高さをアピールできるからです。

お父さん/お母さん

家族は一番身近なチームでありながら、コミュニケーションが疎かになりがちです。ファシリテーションのスキルをベースにした対話やプロセスの促進技法は、親と子、夫婦の関係性を高めるのに大いに役に立ちます。ファシリテーションをうまく使うことが、家庭円満、夫婦円満の秘訣でもあるのです。

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