第2回 関西フォーラム 講師紹介

第2回 関西フォーラム 講師紹介

今回の関西フォーラムで講演をしていただく講師の紹介です。

 近畿大学 理工学部 教授 久 隆浩 氏

 近畿大学理工学部社会環境工学科教授。高知県生まれ。専門は都市計画・住民参加型まちづくり。工学博士。大阪大学大学院工学研究科博士課程(環境工学専攻)修了後、財団法人21世紀ひようご創造協会主任研究員、大阪大学工学部助手、近畿大学理工学部助教授などを経て、現職。
 豊中駅前地区のまちづくり支援をきっかけに、関西各地で住民主体のまちづくりの支援活動を展開。近年は、さまざまな分野での市民活動、まちづくりの応援を行っている。
 主な著書に都市デザインの手法(改訂版)〔学芸出版社〕、地方分権時代のまちづくり条例〔学芸出版社〕がある。
 第16回FAJ関西定例会(2005年1月)講師。

 【講演ダイジェスト】

 住民参加型のまちづくりにおける先駆者である、久 隆浩近畿大教授がファシリテーションについて語る。まちづくりだけでなく、様々な分野の視点よりファシリテーションの探求が行われる。
 また、ファシリテーションを社会背景と結びつけた語りは、ビジネス系のヒトにとっても目からウロコ。

 【講師インタビュー】

 第二回関西フォーラム 基調講演に来てくださる 久先生のインタビューに行って参りました!!
天王寺都ホテル1F喫茶店にて・・・。初めてインタビューをとる広報部隊は、粗相のないようにドキドキしながら挑みました。^^;
  フォーラムで久先生が皆さんに伝えたいポイントをインタビューの中から抜粋してお送りします。

Q:質問

A:久先生

<ファシリテーションは道具。何のために使うのか?>
「ファシリテーションの魅力は?また「使える」と思うのはどんなとき?」

「私はファシリテーションを意識して使っていません。ファシリテーションという言葉が表に出る前から使っているので、あえて意識したことはないんです。そこからまず入らせてもらいます。「ファシリテーションありき」ではなくて、いろいろある中の、一道具とか手段としてファシリテーションを使っています。ファシリテーションはあくまでも道具なので、あってもなくてもいい。他のものでもいいと思います。今回のフォーラムの参加者の方が、そもそも何の為にファシリテーションを使うのか、 もう一度 考えて欲しいですね。 それぞれがいろんな捕らえ方をしているのに、 「ファシリテーション」という言葉を使っているだけで、さも同じことを考えているような錯覚に陥りやすい。そうなると誤解を生じたまま、話だけが進んでいくことがあるんですよ。」

<多様な価値観を理解しあう有効な手法>
「お話を聴いていて、家を建てる場面をイメージしました。かなづちものこぎりも家を建てるには必要な大工道具。でも単なる道具であって、何を使うかは自分で決める。家が建つことに貢献することが大工の本来の目的。ファシリテーションもそんな感じですか?」

「そう、かなづちが好きなわけじゃない。家を建てる、家が建つということが楽しいんですよね。私は都市計画や市民活動の支援をしていますが、本当にみんな価値観はバラバラです。同じであるはずがない。「それをどうやって集約していくか」 、というところ でファシリテーションをスキルとして使っています。いろんな人たちが共に暮らしていくお手伝いをすることが 喜びなのです。 もともと価値観の違う他人同士が、「ひとつになる」とまでいかないにしても、分かり合えるのが魅力。それが可能になるという意味では、ファシリテーションは重要だとは思います。」

<何のためにファシリテーションを学ぶのか>
「「ここを聴いてください」というところがあれば、教えてください。」

「頭を白紙に戻してくださいっていうことですね。いくつか問いかけますから。

   ・ファシリテーションってなんですか?
   ・ファシリテーションいりますか?
   ・何のためにファシリテーターやってますか?

  実際にファシテーションをされる市民にとっては迷惑と思う人もいるかもしれない。ファシリテーターが自分の「食いぶち」として使ってるなら、なおのこと使われてるほうは迷惑かもしれません。
  環境工学が学問になるのは何故か。環境問題でも、もともと起こらないほうがいいでしょ?問題がないほうが、世の中ハッピーなわけですよ。そう考えたら、何のためにファシリテーションを使うのか?原点に立ち返ってくださいねってということです。」

「目的や意図、創り出そうとしているものに基づいて考えるってことですね。」

「自分の目的意識がはっきり定まってないヒトに、スキルだけ教えても、使えないしピンとこない。とりあえず、悩んでください。世の中にどれだけいろんな価値観や考えがあるのか、たくさんのそれらをまとめるのが、どれだけ大変か、一度でもそういうことの体験があれば、こういうときにこういう事すれば、こうなるのかって、腑に落ちるわけですよ。
  全くそういう経験がなくて、スキルだけ勉強しにきても、頭では理解できるかもしれないけど、実際には出来るか?というとそうではないですよね。」

<ファシリテーターは枠を作らない。 「場」を作るだけ>
「いわゆるファシリテーターが自分の思いを押し付けてないか?ってとこで、その場が違ってくることがある。枠を作って用意してしまうと、その枠に人をあてはめようとする、それはファシリテーションですか?って話ですよ。初めには何にもなかったところに、何かが創造されることがファシリテーションなのではないのでしょうか?」
<おまけ・・・好きな食べ物は もちろんエスニック >
ファシリテーション協会の中でも、関西は泡の会が盛況!なんです。ちなみに、先生のお好きな食べ物やお酒はありますか ?

「私は、どこでも、その地域の料理とかを食べます。エスニックとか。現地のヒトも食べないようなものまで食べますよ。」

「お酒もそんな感じですか?」

「お酒も現地のお酒を飲みますね^^ 韓国の「まっこい」とか。」

 一同をうならせた久先生のインタビュー!全部お伝えできないのが、非常に残念ですが、この続きを是非9月10日の基調講演でお楽しみ下さい!!
  本当に目からうろこ!ファシリテーション協会に最近入会した樹村も、すっかり久先生のお話に引き込まれ、ファンになりました^^
  ファシリテーションだけに留まらず、奥の深いお話が伺えます!さあ、9月10日は久先生に会いに行きましょう!!