平成20年度 通常総会 議事録

1.開催日時 平成20 年5 月25 日 15 時15 分〜17 時00 分
2.開催場所 福岡国際会議場・国際会議室(福岡市博多区)
3.有効出席数 正会員総数1077 名中696 名
(うち当日出席者86 名、委任状提出者521 名、書面表決者89 名)
4.審議事項
(1)議長の選出
(2)第1 号議案 平成19 年度事業報告ならびに決算、および監査報告について
(3)第2 号議案 平成20 年度事業計画ならびに予算について
(4)第3 号議案 平成20 年度役員の選任について
5.議事の経過の概要及び議決の結果

<議長の選出>
定刻、当法人定款の規定により、徳田事務局長が議長の選出について出席者に諮った結果、総会に出席した正会員の中から鮫島宗哉さんが議長に選出され、議長は総会の開会を宣言した。事務局より正会員総数、有効出席数の報告を行い、議長は本総会が適法に成立する旨を宣し、議事録署名人の選出について出席者に諮った結果、九州支部の高見真智子さん、関西支部の鈴木宏明さんが選出された。
議事に入る前に、議長は昨年度の総会の反省から、質疑応答のあり方など、よりよい総会のあり方を模索する実験的な試みとして、本総会のスタイルを通常のレイアウトではなく、カフェ・スタイルで実施すること、また、会員からの質問に最大限に回答いただくよう働きかけていくものの、限られた時間内ですべての質問に回答できないこともあり得ることを説明した上で、本日出席の理事を紹介し議案の審議に入った。

<第1 号議案> 平成19 年度事業報告ならびに決算、および監査報告について
(1)議案説明
総会議事資料に基づき、徳田理事より次のように議案内容の説明が、その後、平山監事より監査承認の報告があった。

(事業報告)
「現場に出よう!」をキーワードに様々な取り組みのなされた年であった。各支部での定例会の他、はじめての全国フォーラムとして大阪で「ファシリテーションフォーラム2007」を、東京では「ファシリテーションパーク2007」を開催した。また、コミュニティと教育の2 つの分野で「現場に出よう!」プロジェクトが承認、実施された。一方、北海道・仙台において活動拠点ができ、ほぼ全国規模の活動が展開できるようになった。仙台・広島・富山・札幌での公開セミナーの開催も実現し、ファシリテーションの普及に寄与した。また、日本初の「ファシリテーション白書」を制作・刊行し、本日配布することとなった。
FAJ の組織運営に関わる活動としては、新中期ビジョン(2008 年〜2012 年)を策定するため、ワールドカフェ形式による全国キャラバンを実施し、のべ300 名の会員が参画した。また、広島サロンが「スクエア」と称する支部に準じた運営を開始した。今後は支部の自立性と主体性を増す必要があり、運営に関するルールの明確化、現場に出るための仕組みづくりが次年度以降の課題として残された。

(監査報告)
4 月15 日に監査を実施し、財産および収支の状況はいずれも適正妥当であった。しかしながら、資産(プロジェクタ)管理体制、公開セミナー会計処理プロセスに対してチェック機能の強化、仕組みなどについて改善が必要である。

(2)質疑応答
議長より、各テーブルで意見交換の上、配布された紙に質問や意見を記すよう求めがあり、類似した内容の質問・意見を取りまとめた後、理事より回答がなされた。

質問)サロンとスクエアの相違点、またその審査基準はどのようになっているか?
回答)(徳田理事)理事会にて議論してきた「サロン2(仮称)」の名称を「スクエア」とした。議論の経緯などは理事会議事録を参照していただきたい。サロンはFAJ の正式組織でなく、任意団体であるが、スクエアは組織のひとつである。したがって、FAJ 会員の定例会への参加費は無料となり、FAJ は会場費・消耗品費について助成を行うこととなる。スクエアへの認定基準は、サロンとしての活動実績が1 年以上あること、会計責任者を設置し、収支報告を行うことである。現在、運営規程の改訂に着手している。

質問)FAJ の団体規模を考えれば、東京都認証ではなく、内閣府認証とすべきではないか。
回答)(徳田理事)内閣府認証団体である。

質問)各支部の備品管理の体制はどのようになっているのか? リスク管理という点からも見直しが必要ではないか?
回答)(加藤理事)各支部・委員会にて、保管場所を明確にするなど管理体制を整えている。例えば、東京支部・セミナー委員会で使用するプロジェクタは東京事務所内の施錠可能な場所に保管し、記録簿での管理を開始したほか、プロジェクタ本体にラベルを添付するなどの措置を講じた。また、中部支部では貸倉庫を利用、関西支部では会員のオフィスの一部を保管場所として賃借している。各支部に適した方法を尊重し、ルール化は行わない方向である。今後も適切な管理方法のために助成を行う。なお、スクエアについては現時点では助成は行わない。

質問)会計規程など、ルールの明文化が必要と思われるが検討しているか?
回答)(徳田理事)すでに着手しており、現在整備中である。

質問)会員専用WEB ページにはどのような内容があるのか? また、アクセスするためのパスワードの周知はどのように行っているのか?
回答)(瀬部理事)会員専用ページは昨年度より運用を開始した。運営規程、掲示板、全体メーリングリスト配信停止時の対策マニュアルなどを載せており、今後も必要なコンテンツを用意していく。なお、WEB 委員会は会員に必要な情報を載せる「箱」を提供することが業務であり、コンテンツについては会員からも提案してほしい。また、パスワードについては毎年変更を行い、メーリングリストで周知を行っている。

質問)運営体制の強化という点から、有給スタッフをなぜ置かないか?
回答)(加留部理事)毎年議論しているが、スタッフを置くことで発生する影響を考えると見極めがつかない状況である。日本のNPO では平均的に事業規模1000〜1500 万円につき一人のスタッフが適正規模であり、この計算からはFAJ では一人のスタッフが適正ということになる。しかし、スタッフを置いた場合そのスタッフにすべての作業が集中することが予想され、逆に運営に支障が出るのではないかという懸念がある。ただし、FAJ の事業規模では今後も設置を意識する必要があり、現状のFAJ 会員が行っているボランティアによる業務と有給スタッフの業務とのバランスなどについて引き続き検討したい。

質問)事業の根幹である事業費の消化比率が低い(80%)ことについて理由を説明してほしい。
回答)(加藤理事)主に、調査研究事業の会場費が各支部運営委員の努力により抑えられているためである。なお、必要となった場合に備えて、来年度予算においても同等金額を計上している。また、教育普及事業では、セミナー委員全国会議を行わなかったため交通費の差異が大きくなっている。印刷費は過剰な見積もりのため余剰となっており、こちらは来年度予算を修正した。

質問)講師紹介収入の金額が多いが、講師紹介事業は「その他事業」に該当し、利益収入、つまり課税対象となるのではないか? もしくは寄付金収入ではないか?
回答)(堀理事)講師紹介事業はファシリテーションの普及のために行っている本来事業であり、「特定非営利活動に係る事業」(定款第5 条を参照)である。なお、講師紹介に対する謝礼50 万円の全額についてFAJ の収入となったものがあるため、予実比に大きな差異が生じている。
意見)非常に財務状況が健全(活動資金が豊か)で安心した。

質問)組織運営において、次世代育成における「一部課題」とは何か?
回答)(大野理事)東京支部では運営にアソシエイツ制を導入したことに比べ、関西支部では新しいメンバーが運営に参加できておらず、これを組織運営における課題としている。

質問)「現場に出よう」事業の実績が東京だけだが、実現のためになにか仕掛けをしたか?
回答)(加留部理事・鈴木理事)現在、関西・九州などでも、少しずつではあるが、事業に着手しつつあるところである。また、運営上の規程の整備も行われた。しかし、全体の仕組みづくりには至っておらず、今後の課題と考えている。

質問)調査研究事業の「成果」とは何か。
回答)(加藤理事)アウトプットがあることである。各支部の定例会などの活動報告をメーリングリストやホームページで公開していることこそ成果であると考える。

質問)全国フォーラムの「成功」の根拠は何か。
回答)(加留部理事)参加者アンケート結果の数字などに表れるのであろうが、数字には表せないものもある。例えば、今回の九州フォーラム、この場の熱気がまさにそれを表していると思う。

質問)定例会の質の向上とあるが、どのように評価したのか? また「質」とは何か?
回答)(徳田理事・大野理事)19 年度の事業計画において、外部との交流・地域間の交流を通じて定例会の質を向上するとの方針を掲げた。この方針に基づき、例えば関西支部では会員外から専門家を招き、多くの参加者から「違う観点、様々な新しい気づきを得た」とのフィードバックがあった。これらの成果をもって、19 年度の事業報告では質の向上に寄与したと評価した。

意見)(会員)定例会の質とは何か、その向上とは何かについて、さらに議論をすべきでないか。
(会員)それは、会員一人ひとりが考えていくべきものではないか。

(3)審議結果
参加者の挙手により、賛成多数にて承認された。

<第2 号議案> 平成20 年度事業計画ならびに予算について
(1)議案説明
総会議事資料に基づき、加留部理事より事業計画について、加藤理事より収支予算について、それぞれ次のように説明があった。
(事業計画)
今年度は、引き続き「現場」を意識しつつ、自らが行動を起こすために「現場をつくろう!」をキーワードとし、NPO として社会からの要請に応えるための実践力とその質を高めていくことを活動の柱としていく。その上で、重点項目として
�テーマ別コミュニティの構築、
�定例会プログラムの向上、
�公開セミナーのリニューアル、
�現場紹介制度の創設、
�事務局・支部・定例会運営に関わる基礎力の養成
の5 つを掲げる。加えて、これからの5 年間を展望し、全国の会員の多様な活動を通じて、次なる新しい中期ビジョンの達成を目指していく。会員の総意に基づき策定された「日本ファシリテーション協会の中期ビジョン2012」をホームページなどを通じて幅広く発信するとともに、定例会などで振り返る場をつくり浸透させていく。

(収支予算)
収入において、助言支援事業は事業内容の変更により減少を見込んだ。支出において、調査研究事
業の会場使用料は据え置きとした。親睦交流事業の参加費に料金収受外部委託費を計上した。

(2)質疑応答
議長より質問を募ったが、特になかった。
意見)会員増に伴い、マニュアル類を整備していったほうがよいと思うが、実情にそぐわないものとならないようにしてほしい。決まりごとがあってこそ、会員は自由に活動できるので、大変だがぜひお願いしたい。
回答)(加留部理事)積極的に取り組んでいきたい。同時に、配布した規程類や理事会議事録には目を通していただくことをお願いしたい。

意見)「現場をつくろう!」プロジェクトでは、財政的に困っているであろう現場に積極的に出ていくことで、非営利団体としての社会貢献を実現してほしい。

(3)審議結果
参加者の挙手により、賛成多数にて承認された。

<第3 号議案> 平成20 年度役員の選任について
(1)議案説明
加藤理事より、平成20 年度の理事として、安藤幹人、大野敦子、加藤彰、加留部貴行、鈴木まり子、瀬部俊司、徳田太郎以上7 名の理事の再任と、喜多豊、白方通隆、長橋良智以上3 名の新任が提案された。あわせて、監事に平山猛の再任と西田徹の新任が提案された。

(2)質疑応答
質問)堀会長の退任について説明してほしい。
回答)(堀理事)毎年2〜4 名が入れ替わるという理事会の内規によるものである。

(3)審議結果
参加者の挙手により、賛成多数にて承認された。
以上をもって本日の議事は終了し、議長は17 時00 分閉会を宣した。

平成20 年5 月25 日
住所 東京都渋谷区千駄ヶ谷3丁目12番8号
名称 特定非営利活動法人 日本ファシリテーション協会
以上、本会議の議事および結果が正確であることを証するため、議事録を作成し、議長および議事録
署名人はこれに署名捺印する。
2008 年5 月25 日
議 長 鮫島 宗哉 印
議事録署名人 鈴木 宏明 印
議事録署名人 高見真智子 印