東京フォーラム2007 分科会1−5

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     ファシリテーションフォーラム2007
「日常ノ仕組ミ」
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■日時 :2007年5月26日(土) 13:30〜17:00
■場所 :ATC B1会議室
■参加者:11名

■テーマ:「日常ノ仕組ミ」
■担当 :宮仁介(FAJ会員)

■概要:演劇体験を通して、日常の会話、対話の中で起こっていることを感じ取っていく。

■内容

1.自己紹介・本日のワークについて

ファシリテーションについて考える場にはならない。「ファシリテーション以前」の、普段の会話・対話において、どういう仕組み、どういう力が働いているのかを感じ取っていければと思っている。


2.輪になってボールを投げる

・ボールを投げる先の相手の名前を呼んでから投げる
・ボールの代わりに自分が相手の位置に動いていく

など。


3.一人でしゃべる

・最近あったことをみんなに話す。
・もう一度同じ話をする。
・他の人は観察して気のついたことを述べる。

繰り返すことで、動作や言葉が整理されて減っていったり、増えていったりする場合がある。それには個人差もある。動作は自分では意識していないものも多い。


4.日常の動作を意識する

・靴下を、実際には脱がずに、「実際に脱いでいるように」脱いでみる。

自分の動作、互いの動作がおかしいのは分かるが、どこがどう実際と違うかは、自分では分かりにくい。実際に靴下を脱いでみると、動作の順序、力の入れ方など、普段は意識していないことに気付く。


5.一人でしゃべる2

・最近あったことをみんなに話す。
・もう一度同じ話をする。
・他の人がその話を(自分に最近あった話として)話す。

日常会話では、細部に脈絡がなくても、大枠としてしっかり通じる場合が多い。発語や動作の元にある、本人がその話をする時に持っているイメージが大事。


6.テキストで対話

・短い対話のテキストを使い、二人で椅子に座って対話する。
・テキストを見ないで、大体同内容の話をしてみる。
・他の事(せんべいを食べるなど)をしながら、同内容の対話をしてみる。意識は「他の事」に置く。

相手に言葉を伝えようと懸命にやっているときより、意識が対話の内容からある程度それているほうが、リアルな対話風景に見えてくる。日常会話では意識が100%話し相手に向いている場合は極めて少ない。


7.演劇創作

2グループに分かれて、

・三一致の法則(人物・時間・場所)を守る
・登場人物の関係性が変化する事件を起こす

といったルールで短い即興劇。

・家に親戚が訪ねてくる
・公園で起こったちょっとした事件

の二つの設定で創作がなされた。

・「怒り」は意外と表現しやすい(激しい怒りは、意識が100%相手に向いている状態)
・演じる上では、意識が一箇所に集中しやすいが、実際の会話では徐々に意識の対象が変化する場合が多い

など。


8.ふりかえり

・とても楽しかった
・楽しかったが、ファシリテーションとどうつながるのか分からない
・フォーラムで自分がもとめていたものとは全然違ったが、面白く過ごした
・日常のことを普段いかに意識せずにやっているかということが分かった

など。


■ファシリテーター感想

 ワークの内容を知っている私としては、「このワーク一つだけでまだまだ遊べる」という可能性が見えている分、どんどんと次のワークに移るのが申し訳なくもあったのですが、気付きを得るという点では、たくさんのワークをどんどんとこなしていったことがある程度プラスに働いていたようでした。
 ワーク開始前からみんなで輪になって遊んでいた、楽しい参加者のみなさんに感謝します。

余談:並んだ靴

 ワーク自体より、廊下に並んでいた参加者の靴が、巷の話題になっていました。
 他の分科会とは異質な切り口の内容でしたが、あの並んだ靴を見て、「何か違う」と思い他の分科会に変更された方や、逆に「これだ」と思い、この分科会に変更された方がおられたのが興味深かったです。