東京フォーラム2007 分科会1−4

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     ファシリテーションフォーラム2007
人と人をつなぐ「国際協力」のファシリテーション
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■日 時:2007年5月26日(土)13:30〜17:10
■場 所:ATCホール B3会議室
■参加者:24名
■担 当:NPO法人ICA文化事業協会 理事長:佐藤静代氏
                         副理事長:ウェインエルスワーズ氏

■テーマ
 国際ファシリテーションの事例とパーソナルスタイル 

■概要
政治(国)、経済、文化が異なる場所で合意形成を行うために考慮すべき内容と事例紹介。
「他人があなたをどのように見ているか」の問いに答えて、自分のパーソナルスタイルを発見する。

■内容
◆自己紹介(60分)
  名前、職業、趣味、住んでいる地域のアピールを記入して発表を行った。

◆ICA文化事業協会の紹介と海外におけるファシリテーションの事例(30分)
ビジョンの共有や住民フォーラムの戦略づくりを行うために、ハード面では農業、インフラ、技術開発を行い、ソフト面ではリーダーシップ教育を行って、現地人のファシリテーターを育てる必要がある。日本は技術開発が期待されている。
経済的には、得た収入がその地域内で循環が行われるようにする。文化的には、地域のアイデンティティを確立するため地域のシンボル化を行う。社会的には、モデル地域において未来に向けた開発を進める。
事例1:スリランカのスマトラ津波からの復興計画ワークショップでは、(1)災害からどのように自分を回復できるか (2)地域をどのように復興できるか (3)そのためには外部からどのような援助が必要か。を進めていったところ、閉鎖的で孤立した地域に海外から始めてボランティアが現地に入ることが出来た。また、宗教の対立から武力衝突を繰り返していたが、津波被害から武力対立から対話と変化した。
事例2:ペルーでは男性優位なので、会議に女性の参加はほとんどなかったが、男女混合の会議のファシリテーションを行った。

◆振り返り・質問(10分)
カースト制など階級制のある国では、ファシリテーターに対して政府からの介入はない。
ネパール国王の交代の時、現地のファシリテーターがいたため暴動はおきなかった。
津波など大きなハプニングがない限り、変化はとても遅く、注意深く見守る必要がある。

◆ワークショップ:パーソナルスタイル(110分)
「他人があなたをどのように見ていると思いますが」の問いに各人が答えて、アナリティカル(1人)、エイミアブル(5人)、ドライバー(8人)、エクスプレッシブ(10人)の4つのグループの分かれ、各パーソナルスタイルの確認を行った。
2人で、「ファシリテーションをする時どんなことに気をつけるか」について話し合った。
エイミアブル、ドライバー、エクスプレッシブに属する3人が、「今どきの若者について」の発表を行った。その後、相手に合わせた言葉で発表を行ってみた。

◆振り返り(10分)
パーソナルスタイルは固定されたものではなく、おかれた状況によっては変化していく。
チームをつくる時は、4つのパーソナルスタイルの人を組み合わせると仕事がうまくいく。
自分に対して誠実であること。そして、人に合わせたり、自分を出したりしてファシリテーションを行っていく。

■感想
◆(雜賀)
国際ファシリテーションの事例は、経験したことのない内容ばかりで、このようなファシリテーションもあるのかと新鮮な驚きを覚えました。最初に外国人がファシリテーションを行うことで、閉鎖的で因習を引きずる地域の人達に、キッカケを与えることができるのでしょう。
パーソナルスタイルのグループ内での話し合いでは、「自分はこういう人だったのね。」を発見しました。と同時に、自分とは全然違うスタイルの人を少し理解できました。
3人の発表では、ものの見事に各人のスタイルが出ていて感心してしまいました。そして、すぐには相手に合わせられないし、自分のスタイルを変えることはできないのだと思いました。今後、ファシリテーションを行う上で、大きな参考となりました。
最初に予定されていた「行動計画プロセス手法」から急遽「パーソナルスタイル」に変更となりましたが、機会があれば「行動計画プロセス手法」のワークを受けたいと思います。

◆(谷口)
前半の国際協力の現場でのファシリテーション事例では、各国によりさまざまな制約条件や問題あるなかで、それを解消するファシリテーションがそのような現場で役立っているのを垣間見られたのが、新鮮でかつ勇気づけられるものでした。
 特に、その中でも津波という災害が結果、対立していた人々が協働をするようになったという事例では、人間の可能性を見た気がしました。
後半のパーソナルスタイルでは一転、自分自身に向き合う、という内容から。日頃もしかしたらこうじゃいかな、と思うスタイルとやはり一致。自分を客観的に見つめなおせた気がします。
 また、プレッシャーを感じるとスタイルが変わるというのも、思い当たる節がありました。
 今後、パーソナルスタイルをファシリテーターとしてどう役立てていくか?は現在も課題です。自分と向き合い周りの人を理解することと国際協力、二つは遠く感じますがこれが最初の一歩なのですね。

◆(佐藤F)
最初は行動計画をすることになっていましたが、パーソナルスタイルに 急遽変更しました。それはそれぞれ違った目的で参加しているので、ひとつの目標やイベントを計画する行動計画をつくるのが難しいと判 断したからです。個人のニーズに合ったやり方の方が、どなたもその場 で楽しみ、何かを学んで頂けると思い、変更しました。
このコーズでは、自分のスタイルを大事にするということと、必要であれば自分のスタイルを変化させてみるという2つの点がポイントと思います。次にすると、また違ったご自分のスタイルが見えてくるでしょう。
ご参加を感謝致します。