東京フォーラム2007 分科会1−3

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     ファシリテーションフォーラム2007
  ファシリテーションは道具しだいだ!
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■日時 :2007年5月26日(土) 13:30〜17:10

■場所 :ATC南館6階 Room C1

■参加者:会員62名(うち担当者7名)、一般7名

■担当 :FAJ東京 森時彦さん、田代純子さん、中西悟司さん、西野亜希さん、
細田剛さん、松尾公博さん、事務局:FAJ関西 三浦初美

■テーマ

  ファシリテーションは道具しだいだ!

■概要

 課題解決にあたって、「切れのいい道具」を臨機応変に発明し、適切に使い
こなすことをめざすワークショップ。短時間のミーティングでも、現状に即した
課題が設定され、適切な「道具」が用いられれば、流れは解決へと向かうこと
を体感してもらう。
 ミニ(ビジネス)ケースに対して、使える道具を小グループで考え、ロール
プレイで実験。グループふりかえりと、森さんの実際の体験談で省察。

■内容

◆ はじめに(25分)
・チーム分け:受付時くじにて、5〜6人グループ12組を編成
・メンバー紹介:Queenの♪We Will Rock Youにのって入場
・本日の目的とおおまかな進め方について説明
・グラウンドルールについて説明
・アイスブレイク:各チーム内でボールをもった人がトーク、短い自己紹介
・チーム内グラウンドルールの設定

◆ トーク1(15分)
・森さんのお話:難局を打開する枠組み〜道具〜づくりについて。
・ある社内(病院内)会議の場面:ビデオ上映
・ビデオについて説明:
   道具:「プロセスマッピング」(ボトルネックの確認)を使い
   医師の時間の使い方を調べる。

◆ グループワーク:あるビジネスケースへの対応道具を考案(30分)
・ミニケース1:部門間の仕事のなすり付けあいの解決
・ミニケース2:クロスファンクショナルチームの士気向上
 (どちらか1つのケースが与えられ、組ごとに案出)

◆ 半全体ワーク:同じケースを扱った組が集合し、道具の紹介・選出(20分)
・各組の説明、質疑応答
・各ケースに1件の道具・ファシリテーターチーム選出
・ロールプレイの役割担当者決定

◆ 休憩(15分)
(・ロールプレイの準備)

◆ ケース1・2のロールプレイ(60分)
・各ケース6名の演技者と1〜2名のファシリテーター
・ケース1「ジョハリdeドッジボール」
・各組で振り返り
・ケース2「各部門のいいところ/改善点」と「ABC分析」
・各組で振り返り

◆ ポスターセッション方式で各組の道具案を閲覧(10分)
・壁面に模造紙を貼り、各自閲覧

◆ トーク2(15分)
・森さんの体験談:各ケース実体験の状況・結果説明。

・ケース1 共感できる手法で:
  各部門のIN(その課がすべきこと)OUT(他の課がすべきこと)を
  模造紙に書き込み。ルール1:全体最適を考える、ルール2:行動を書く。

・ケース2 段階をつけて、やる気とアイデアを醸成させる:
1) まず、タンクを使ったモデルを描き、これまでの活動を総括・モデル化し
  全員と共有。
2) "頭の体操"で頭を柔らかくする。
3) 仕入れ→在庫→販売:「在庫→従来の販売法」以外の従来と全く異なる
出口をイメージさせ、ゲーム感覚でブレスト。30分間で50件アイディアを
出す"頭の体操"として考える。そのアイディアを整理し削減量が十分に
大きいことを確認。これで参加者の気分が乗ってきたので、その勢いで、
従来の仕入れ、販売方法の改善策もブレスト。 
⇒ 結果、いったん断念した当初の高い目標値さえも突破できる見通しが立ち、
  参加者の士気が高まった。

・質疑応答

■感想(三浦)

 新しいファシリテーションの道具の発明を目指した分科会でした。
全国から集まった、熱心な参加者たちが、短時間のワークにも拘らず様々な
道具を提案し、ある局面の打開法を模索しました。極めて限られた時間の中で、
発案から実演までなされたおかげで、その道具の使用上の注意点もあらわに
なりました。

 そのネーミングの秀逸さで代表に選ばれた「ジョハリdeドッジボール」
(ジョハリの窓を用いてお互いの課の分析をし、現状や可能性をあらわにする)
でしたが、ロールプレイ時には、名前や趣旨を公開せずに、その部署の○・×と
入ってしまったため、不平の言い合いのようになってしまいました。「ABC分析」
(重点管理)を試みたケースでは、はじめの個々の事象確認に時間を割くことに
なり、狙った分析まで至らずに終わってしまいました。どちらのロールプレイも、
15分の所定時間に対し、演者が7〜8人もいたため、意見発散の状態で終わって
しまいました。とはいえ、短時間ロールプレイで、アイデアと実践とのギャップ
を実感できた直後には、他の組の道具アイデアを閲覧する機会があり、どんな
方法を用いれば、どんな展開になったかを想像することもできました。
 最後に『ザ・ファシリテーター』著者の森さんからの、実際の現場でのお話を
伺い、ある道具を切れよく使うための、現状観察力や段取りの肝心さ、新しい
方法を単純に図解することの効用を実感させられました。

 今回の分科会は森さんの素案をもとに、5名の共同企画者が運営法を考案し、
適切に役割分担をしてワークショップをなさいました。プレゼンテーション、
時間管理、資料配布もポイントをおさえて実施されました。
 参加者によっては、「道具」のイメージが異なっていたり、講義形式でない
ことに戸惑っていた方もいらっしゃったようです。とはいえ、現実味のある
ケースに対し大勢の知恵と実践、プロの対応を目の当たりにし、示唆の多い
分科会だったと思います。 めざせ、ファシリテーション道具発案・使用の達人!