東京フォーラム2007 分科会2−5

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     ファシリテーションフォーラム2007
チームを育てるアイスブレイクとホワイトボードワーク
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■日 時:2007年5月27日(日) 9:30〜12:30
■場 所:ATCホール B3会議室
■参加者:29名
■担 当:ちょんせいこさん(FAJ会員)

■テーマ
  チームを育てるアイスブレイクとホワイトボードワーク

■本日のゴール
(1)参加者の中に良好なコミュニケーションと学びあいの関係づくりを育む。
(2)プロジェクトや課題解決に取り組む「チーム」という集まりに焦点をあて、
チームプレイを高めるコミュニケーションや会議におけるファシリテーション
を体験する。
(3)そのためのスキルとして、アイスブレイクとホワイトボードワークを学びあう
ことで、参加者の現場におけるチームプレイの向上に貢献する。

■内容
・本日呼ばれたい名前、自分のお気に入りのもの・こと、を名札に書く
・ちょんさん自己紹介
・ワークショップとはなにか
ワークショップ=工房・作業場。ゴールに向かって、らせん状に登っていく
多様性を持った創造的生産の場。ファシリテーターは協働者。(⇔上司や講師が
部下や生徒にトップダウンで画一的に伝え、部下や生徒が受身でそれを受け取る
一斉講義型。)
・今日のワークのグランドルールは「まちがいOK。楽しむ」こと。
 
1.アイスブレイク
(1)モチベーションチェック
 輪になって右手を前に突き出す。
・いまとてもワクワクしている(親指を上に向ける)
 ・まあまあ。普通の気持ち(親指を床に平行に)
 ・期待していない。もう帰りたい(親指を下に向ける)
 一斉に・・・はいどうぞ!
※モチベーションの低い人はこの場に来るだけで大変なエネルギーを使っている。
そのような人にこそ感謝の気持ちで「ようこそ来てくださいました」と迎える。
 
(2)じゃんけん列車
 ペアになってじゃんけん。負けた人が勝った人の後ろに着く。繰り返していき、
 2つの列が最後に決戦。最終的に1列に。
 ※じゃんけんは運だけで勝ち負けが決まる。常に勝たなければならない、という
  考えを持っている人に、「負ける」経験はとても大事。勝っても負けても笑える
  ようなアイスブレイクはその意味で効果的。実は、列の1番後ろの人と、先頭
  から2番目の人は、負けたのはたったの1回、で同じ。

(3)ペアコミュニケーション
 参加者を1〜4の番号で分け、4列に並ぶ。1と2、3と4が向かい合って座る。
 前の人とペアになって、お互いに話し、聴き合うトレーニング。握手してスタート。
 1)テーマ:今日の朝食のメニューは?(1分間)
  終わったら、2、4の列の人が、一つずつ隣の席に移動。新しいペアで。
  握手してスタート。
 2)テーマ:家族について。家族の誰か一人を選んで話す(亡くなっている人、これ
  から生まれてくる人、遠くにいる人、ペットでも可)。(2分間)
  終わったら、2、4の列の人が、一つずつ隣の席に移動。新しいペアで。
  握手してスタート。
 3)テーマ:私の趣味・特技(自分らしい時間、ほっとできる時間の過ごし方、私の
  ストレス発散法でも可)(3分間)
 4)テーマ:ここに来た理由(何のために、何を求めてここに来たか。ここにいるの
  か)(3分間)
 ※コミュニケーションのバランスを意識して調整してみる(どちらかといえば聴く
  ことが多い人→意識して話す、どちらかといえば話すことが多い人→意識して聴
  く)
 
 ○安心安全の場づくりとは
 ・参加度を少しずつ高めていくことが大切
  テーマは、話しやすいこと(身近で具体的なこと)から始めて徐々に共有したい
  ことへ積み上げる。朝ごはん→家族→趣味→ここに来た理由(焦点化=フォーカ
  スメイク)
 ・「好意的関心」の態度で
 
(4)朝起きてからここに来るまで、したこと、起こったことを時系列で話す
 1、3の列の人が 2、4の列の人に背中を向けて座る。2、4の人が話す
 (1、3の人はだるそうに、あるいは他に意識を逸らしながら聞く)→交代して実
 施
 ※聴き手の態度や雰囲気で、話し易さは大きく変わってくる。いい聴き役になるこ
  とがファシリテーターには大切。
  
(5)今日、フォーラムが終わってから家に帰って寝るまでの予定を時系列で話す
 1、3の人が話し、2、4の人は、話の一つひとつに「なんで?」とたずねる 
 →交代して実施
 ※「なんで?」とたずねられることで、だんだん言いたいこと(主訴)が相手に
  引き取られていく(話が乖離し不全感を残す)。ファシリテーターは主訴を引き
  取らずに聴くことが大切。

(6)「はい」と「いは」
 ペアになって両手を前に出し、交互に重ねる。ちょんさんが「はい」と言ったら、
 一番上の手を一番下に。「いは」と言ったら、一番下の手を一番上に。
 「はい」「はい」「いは」「いは」「はい」「いは」「いは」「はい」・・・
 ※体の触れ合うアイスブレイクは、人によっては不快と感じる場合がある。それ
  ぞれの考え、思いは尊重することが大切であり、まず「触れてもよろしいですか?」
  とたずねる。合意できなければ、手を浮かすなど、工夫をして行なう。
 
(7)でんでん虫(左グー・右チョキ)
 両手を前に出して重ねる。上の手をチョキ、下の手をグーにして右手と左手の順番
 を交互に入れ替える(歌に合わせて)
  2人でやってみる、4人でやってみる → とても難しい。
 ※一人でやるとできても、みんなでやればうまくいかないこともある。同じ動作で
  も、シチュエーションが変わったり、頭でわかっていても、できないことがある。

< 休憩(10分)>

2.グループワーク
(1)4人1組になり、じゃんけんで勝った人がリーダー/ファシリテーター
 A4用紙を4つに区切り、1)好きな色、2)私がファシリテーションする現場、
 3)課題と悩み、4)ファシリテーションによって得たいもの を書く(あまり
 考えずに直感で)。
 まずはリーダーが1分でプレゼン(書いた紙をみんなに見せながら)。
 
 エレベータートーク*で。リーダーを皮切りに順番に4人が1分ずつプレゼンしていく。
 *エレベータートーク=限られた短い時間に、ポイントを絞ってプレゼンするスキ
  ル。全てのことを話すのは無理なので、話に強弱をつけ、「この人の話をもうちょ
  っと聞いてみたい」と思ってもらうことが目標。
 ※平等に、流動的にみんながリーダーをやるのが大事。やってみて、その立場に
  なってみて初めてわかることもある。
 ※よいリーダーとよいサイドワーカー → ピアファシリテーションな関係を育む

(2)会議チェック
 あなたの会議は活性化していますか?会議チェックシート(配布)の25の設問に
 答える。
 ・10個以下の人が大半 → やれることがいっぱいありますね。
 1) 時間 
   時間を大切にすることは、人を大切にすることと同じ。
   終わりの時間を決めて会議を始める。始まりの時間、終わりの時間を守る。
   (こういう習慣がお互いの信頼を構築する)時間を延長する場合はその場の
   合意を。信頼関係が構築されると、止むを得ない事情で時間を守れない人に
   対しても寛容になれる。

 2) ゴールの共有
   ゴールは、今そこにその人たちが集まっていることの唯一の理由。
   ゴールをきちんと決め、共有してから場を開くことが大事。

 3) 会場のデザイン
   ロの字の机配置は無駄が多すぎる。みんなの意識が議論に集中するように
   全員がホワイトボードに向かって座る等、工夫する。

 4) 記録の共有
   どんなに議論しても私達は忘れる。記憶に頼らず、記録を共有する。

(3)多様性と共通ルールづくり
 各自がA4の紙を持ち、ちょんさんの指示に従って、折ったり切ったりしていく。
  →広げて、各自の紙の形をみる。
 ※同じ指示を聞きながら、できた形はひとそれぞれ。一人ひとりの多様性を尊重
  することは人権尊重の立場では大切だが、ひとつの事業を進めてゆく時には、
  言葉の共通理解を大切にする必要がある。(例「高齢者」といっても、10代、
  40代、60代ではイメージする人が違うことがある)


  
(4)ホワイトボードワーク
 つぶやきをひらうことは、ファシリテーターの役割の大切な一つ。ちょっとした
 つぶやきにも、アイデアやリアルが隠されている。ファシリテーターは、ポンと
 背中を押すような感覚で、みんなのつぶやきをひろい、ホワイトボードに視覚化、
 蓄積。
   
 1)モデリング:模擬会議を見る
  テーマ:懇親旅行にどこへ行くか。
  ボランティア3人に前に出てきてもらい、ちょんさんのファシリテートで行き
  たい場所について話す。ちょんさんは話を引き出しながら、ホワイトボードに
  書いていく。真ん中から四方に広げるように書いていく→意見の帰属(誰の意
  見か)を外す。

 2)グループワーク
  各グループでファシリテーターを決め、10分で発散(ホワイトボードに記入)、
  1分で発表。テーマは同じ「懇親旅行にどこへ行くか」

 3)個人ワーク「ヒロくんの職場」
  ちょんさんとヒロくん(参加者)の会話を聴きながら、ホワイトボードにやり取
  りを書いていく練習。

  蓄積された意見の中から、合意できたものを赤や青のマーカーで囲む。議論の中
  に、発散、収束、活用のサイクルを育む。誰もが議論に貢献できる場づくり。


3.全員で輪になって今日の振り返り