東京フォーラム2007 分科会2−2

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          ファシリテーションフォーラム2007
       AI組織開発(アプリシアティブ・インクワイアリー)
   〜個人と組織の「強み」「可能性」を引き出す組織づくり〜
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■日時 :2007年5月27日(日) 9:30〜12:30
■場所 :ATCホール B1会議室
■参加者:35名
■担当 :松瀬理保氏、岡本健

■テーマ
  AI組織開発(アプリシアティブ・インクワイアリー)
   〜個人と組織の「強み」「可能性」を引き出す組織づくり〜

■概要
  強みや可能性を活かすことに着目した組織開発のステップを学ぶ  
  翻訳本には書かれていない、その本質を体感してもらう。

■内容
 ◆はじめに(15分)
  ・チーム分け:6種類あるキャンディをひとつ取り、6テーブルに分かれる
  ・アイスレイク:自己紹介〜「○○で○○○している○○です」とA4用紙
   にプロッキーで書き込み。クリップボードにはさみ、席を立ち、6分間、
   アットランダムに互いに紹介し合う。

 ◆解説1 AIとは(20分)
  ・Appreciative〜価値を与えるような、過去や現在における強みを
   Inquiry 〜探求し、発見すること       
  ・イラストで二人の酪農家を明示〜違いについて意見交換
     品質、安全を重視する酪農家VSおいしいミルクを作りたい酪農家
    →感情は伝播する(おいしいミルクをと求める感情が牛に消費者にも)
   ⇒組織風土は一人ひとりのつぶやきから生まれる(内的会話)
    →会話の文脈の質が組織や人のパフォーマンスに影響を与える
   
 ◆解説2 従来型の組織改革とAI組織開発アプローチの違いについて
  ・欠点を埋めることに着目するギャップアプローチ
   →これも有効ですが、使いすぎると現場に疲弊感が蔓延して「べき論」
    はもっともなのだが、やらされ感で主体性が発揮できず、問題解決 
    のもぐらたたきに陥ってしまう傾向がある。
  ・強みや可能性を活かすことに着目したポジティブアプローチ
   →マイナスをゼロにするだけでなく、現場のエネルギーを沸騰させる
    ことで、想定をこえる成果を創出することができる。
  
 ◆解説3 AIファシリテーターが4Dプロセスをまわす 
  ・Discover→Dream→Design→Destiny
  
 ◆ビデオ前半(40分)
   職場の改善事例
  〜AI組織開発の手法を活用し、電気工事部門で平均50代メタル回線チーム
   と若手ヒカリ回線チームとの対立の構図から互いの強みを認め、協力推
   進にいたるまでの、リーダーと部下たちの苦闘と感動のドラマ
  
 ◆ワーク〜Discoverプロセスについて体感(30分)
  ・ハイポイントインタビュー〜二人がペアになり、相互にインタビュー
   →最高の体験を話す、もっとも充実感をいつ、どこで何があったか 
  ・ポジティブコアを見つける
   →人や組織にエネルギーを注入しているもの
  ⇒大いに盛り上がる。会場外へ出てインタビューをしたペアも。閉ざして
   いた心のドアを開く体験が出来たとの発言するメンバーもいた。
   
 ◆ビデオ後半(15分)←40分間のビデオでありちょっと時間切れは残念  
   〜「メタル」と「ヒカリ」と分かれていた組織がメンバー相互のポジテ
    ィブコアを発見。互いに認め合い、活用する姿をイキイキと描写。
   
 ◆最後に〜実際の展開事例や質問など
   →インタビューをねずみ算方式で社員全員へ展開した事例
   →失敗事例〜AI研修を全国より幹部一同に集めて実施までは良かったが
    最後に専務が出てきてギャップアプローチの講話し、凍りついた事例
   →主役は組織の皆さんであり、皆さんに考えてもらうことが肝心など


    
   
■感想(岡本)
  松瀬さんの明解な説明とワークによりAI組織開発のすばらしさに触れるこ
  とが出来ました。語り口やリードがとてもピッチよく、あっという間の3
  時間でもっと時間があればなあとの思いです。  
  ドラマ仕立てのビデオはAIのエッセンスをしっかり組み込まれてあり、最
  後まで見たかったという人が大半でした。
  ハイポイントインタビューという体験ワークもあらためての発見が各メン
  バーにあったように思います。会場がみるみるあたたかいムードに包まれ
  ました。全員でポジティブな気持ちは伝播するのを実感した瞬間でした。
  
  AIをさらに深く知りたい、実践したいと、是非関西の定例会でもお招きし
  たく、お願いしたところ、日程があえばと快諾を得ました。
  創始者のクーパーライダー氏の思いを日本全国に展開したいとの松瀬さん
  からの伝言です。  
  参加できなかった皆さんもチャンス到来です。是非お楽しみに。
  なお、この議事録の推敲を依頼したところ、松瀬さんからも感想が届きま
  した。
■感想(松瀬講師)
  私が一番印象に残ったのは「松瀬さんがAIのファシリテーターとして
  一番大切にしていることは?」という質問でした。ただ、AIとは何か?
  の情報を伝達するだけでなく、私自身の価値や信条にふれて頂き
  自身にとっても気付きが多い時間でした。有り難うございます。