東京フォーラム2007 分科会1−8

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          ファシリテーションフォーラム2007
       とりあえず、一度はファシリテーターを
              体験してみたい人をつなぐ分科会
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■日時 :2007年5月26日(土) 13:30〜17:10
■場所 :ATCホール B8会議室
■参加者:25名(非会員10名)
■担当 :FAJ九州チーム(FAJ九州支部メンバー)
  加留部 貴行さん、平山 猛さん、古賀 弘徳さん、吉田 尚人さん、
  上杉 智子さん、斉藤 望さん、田坂 逸朗

■テーマ
 一度はファシリテーターを体験してみたい人に、具体的な体験の場を提供し、
ファシリテーションに直に触れてもらう。

■概要
 主に初心者を対象に、ティーチングだけではなかなか理解が難しい「ファシリ
テーション」を、具体的に体験することで、これからファシリテーションを学ん
でいく素地をつくってもらうワークショップを提供する。とりわけ、4回目とな
るワーク開催で、練り上げた九州支部コンテンツとしての「駅伝方式」で、ファ
シリテーターを体感してもらう。

■内容
 ◆グループ分けとアイスブレイク(15分)
  ・5種のあめちゃんの選択によるグループ分け
   (あめちゃん5種×5人=5グループ)
  ・男女のバラツキがあったが、そのままでスタート。
   (女性4名+男性1名のグループ、男性のみ5名のグループもあった)
  ・アイスブレイク:<担当/古賀 弘徳さん、上杉 智子さん>
   じゃんけん自己紹介。
    1)2人ペアをつくりじゃんけん。負けた方が勝ったほうに自己紹介。
    2)自己紹介は、名前と、どこからきたか、出身地の名物といえば? 
      の3点。
    3)じゃんけんに勝ち続ければたくさんの名前が収集できる。
     聞いた自己紹介は手元のポストイットに書き留める。
     時間内に何人の自己紹介を集めることができるか?
    4)大あわてのわずか3分。終了して、手元のポストイットに書かれた
     人数を発表。最低2人、最高8人。拍手〜! (ここで終わりかと思いきや)
    5)さて! 「では、今度は逆にそこに書いてある名前の人を再度探し出し、
     再確認してください! 再確認が終わった人から終了です!」 え〜!!
     全員大混乱。名前を書き留めるのに必死でよく顔を覚えていない...。
    6)結局かなりの人が、自分が受けた自己紹介の主がわからず、
     右往左往の照れ笑い。深いものを気づかされるアイスブレイクでした。


 ◆概要説明 <担当/平山 猛さん> (10分)
  ・テーマ、スタッフ(FAJ九州チーム)の紹介と、きょうの流れの概要説明。
   「とりあえず一度は体験すること」の意義と、しくみの紹介。
   pptのスライドショーにて。
  ・「駅伝方式」でグループの5人が必ず1度ずつファシリテーター役を担当
  すること、それぞれのファシリテーターが担当するミーティングの区切りを
  「ピリオド」と呼ぶこと、「ふりかえり」というフィードバックのことなど。

 ◆ワーク(前半)開始 <担当/加留部 貴行さん>
   □グランドルールとお題の提示 (10分)
  ・グランドルール(楽しまなたい/ようと聴きんしゃい/カタりんしゃい)
  ・お題「タコを使ったランチメニューをプランしよう」
  ・ファシリテーターって何をしたらいいの? というギモンに応える説明。

   □第1ピリオド (15分)
     グループのファシリテーター第1走者によるファシリテーション
   →グループメンバーどうし自己紹介をする
   →グループをチームとしてそのチームに名前をつける
   →第2ピリオド以降のファシリテーターの継走順を決める
   □ふりかえり (5分)
   →チーム名決めに難航
   →ふりかえりでは特に、ファシリテーターへの感想とメッセージを
    ポストイットに書き、グループ内で発表、ファシリテーターに手渡し
    プレゼントした

   □第2ピリオド (18分)
    ファシリテーターをしめすパスケース名札を(たすきのように)手渡し、
    ファシリテーターを交代した。以下同じやり方で、ファシリテーターを交代
    しながら、短いふりかえりをはさみながら、第5ピリオドまでを走り抜けた。
    とにかく「ファシリテーション」のある「話し合い」によって「タコメニュー」に
    関する結論を出そう。

   □第3ピリオド (15分) 〜 ふりかえり (8分)
   □第4ピリオド (15分) 〜 ふりかえり (7分)
   □第5ピリオド (15分)
   □ふりかえりと発表準備 (20分)
   →アンカーのファシリテーターへの感想とメッセージをポストイットに書き、
    グループ内で発表、ファシリテーターに手渡しプレゼントした
   →「発表」に備えて、「成果物」に加え、その「理由」と「プロセスの山場」
    を模造紙にまとめてもらった

 ◆発表 <担当/吉田 尚人さん> (20分)
  ・5グループの発表
    
    1グループ・神戸すいつく堂/Ku・ro・me・shi
      山場は「第4ピリオド」具体的なメニューのイメージが決定した
    2グループ・素だこ/レストラン素だこのアゲ★アゲランチ
      山場は「第4ピリオド」発散→収束→発散→大きな収束(合意)
    3グループ・輪五軒/働く人の応援メニュー日替ランチ
      山場は「第3ピリオド」日替ランチに決定+「第4ピリオド」
      キャッチコピーの絞り出し
    4グループ・こてこてなにわクラブ/TAKO'S(たこス)
      山場はポストイットを使って皆が見れるようにファシリテーターが
      進行しだしたところ
    5グループ・JOIN'人/�タコハンバーガーセット・�タコそばセット
      山場は既存のメニューから新しいメニューをコンセプトに沿って
      あみ出した過程
  ・じゅうぶんな発散をしたことが、大きな収束につながったとの発表が目立った。

 ◆ふりかえり <担当/田坂 逸朗 グラフィッカー/斉藤 望さん> (20分)
  ・非会員のみならず、会員でも定例会への参加頻度の低い人が多く、
   「ふりかえり」ということ自体に不慣れなことへ配慮し、ゆっくりとした、
   やわらかいふりかえりを目指した。
  ・参加者のコメント「脳内でなんだかキモチイイ物質が出ていた」
   「楽しかった」「みんなといっしょになれた」「テーマのタコがよかった」
   「時間を忘れてた」「ファシリテーションとは、メンバーが関わりやすく
   進行していくことかな」「シゴトの会議は重苦しいが楽しく前向きに
   やったほうが成果が出る気がする」
 ★そして、このふりかえりを深くする端緒となる質問が発話されました。
  ・「見本もないまま、いきなりファシリテーターをやって、という
   やり方を取った意図は?」
   この質問から意図開きをしてもよかったのですが、いったん場に
   返してみました「他のみなさんはいかがでしたか?」 
   そこでたくさん出てきた<ファシリテーション論>は、
   初心者にとって貴重なものでした。
  ・前にファシリテーションを学んだときは体験がなかったのでよく
   わからなかったが今回は体験があったのですごくためになった。
  ・見本がなかったからこそ、ファシリテーターが交代するたびどんどん
   経験率が上がってレベルが上がった気がする。
  ・「ファシリテーション」はその時その時、場、メンバーで役割が
   違うと思う。それが体感できたのでよかった。
  ・「ファシリテーション」は生ものだ!
  ・「ファシリテーター」はやってみなきゃわからない、ということが
   よくわかった。
 ★主催者から。
  ・最初に本を読むより、体験してから本を読むと理解度がまるで
   違うでしょう。きょうをよいスタートとしていただければ幸いです。
  ・場数は馬鹿's。場数がファシリテーターを育てます。場数を
   踏みましょう。そしてその自らの成長プロセスを愉しみましょう。
 ★最後に。
  ・「いかがでしたか? きょうとりあえず体験できてよかったと思う人!」
   ほとんどが手を挙げた。
  ・「あしたから職場、組織で使ってみようと思う人!」 半分に減った。
  ・「そんな方はぜひ、FAJ定例会で共に学びましょう!」と結びのひと言。
  ・FAJの案内、定例会の案内と、九州での2008年全国フォーラムと、
   7月定例会合宿、ポストイット・プロッキーの協賛提供、このあとの
   懇親会のご案内をして、終了しました。


   
■感想(田坂)
 2006年九州フォーラムでのワークを、ブラッシュアップして持ち込んだ
今回のワーク。その直前、九州支部定例会での、本番さながらのトライアルが
あったおかげで、完成度と満足度の高いワークとなった気がしています。そのト
ライアルに参加くださった九州支部メンバーとともに当日をファシリテートでき
たような感覚で、感謝の気持ちでいっぱいです。
 参加者が体験する駅伝方式同様、前に立つファシリテーターも、メンバー7人
が駅伝方式で場を継走しました。このことで主催側として、その「チームファシ
リテーションの有効性」に可能性を見いだせたこともメンバーにとって収穫でし
た。
 『いまにして思えば、あの場そのものがファシリテーションされていたのです
ね。あの場を仕切っていた人たちこそファシリテーターだったのですね。それに
あとになってじわじわと気づきはじめました』とは、ご参加くださった方からの
「お礼の直メール」の弁。大きな器としてのフォーラムの場をご提供くださった
実行委員のみなさま(グランドファシリテーター?)に大感謝です。ありがとう
ございました。

■感想(吉田)
 個人的には今までピリオド毎の振り返りがうまく行かなかったものが、ポスト
イットを使うことでワークとの切り分けが出来たことが印象に残りました。