東京フォーラム2007


 今回の東京フォーラムのテーマはファシリタティブでいこう!です。
 会社の会議、町会の打ち合わせ、教育の現場などなど、色々な場面でファシリテーションは有効です。ですが、もし参加者全員がファシリタティブで積極的なら?きっと、素晴らしいものになると思います。そんな会議に変えてみたい。そんな打ち合わせをしてみたい。教育の現場に持ち込みたい。是非、そんな思いを共有しに来てください!

■ご案内
○日時:平成19年2月25日(日)10:00〜18:00
○会場:日本青年館ホテル3F
○定員:250人


■プログラム
 ワークショップ企画プロデューサー中野民夫氏による全体会に加えて、分科会はビジネス系、教育系、ファシリテーショングラフィック系など満載です。いままでどれか1つの分科会しか見れませんでしたが、他の分科会も興味があったんだけれど残念ながら行けなかった、という方のために、今回の分科会は、午前と午後2回、同じ演目で開催することにしました。また、お昼には参加者同士での交流を深めるためのランチ・ミーティングも行う予定です!

(参考:過去の東京フォーラム 2006年 2005年)



■メインゲスト:中野民夫 氏
[中野氏メッセージ] 言うまでもなく、ここ数年のファシリテーションの興隆はめざましいものがあります。分野を超えて多様な人々が集うFAJ の果たしている役割は、大きいものがあるでしょう。10 年程前に、ファシリテーターの祖の一人であるマイケル・ドイル氏にお会いする機会があり、「日本にはそういう仕事や職業がない」とこぼす私に、「70 年代にはアメリカにもなかった。でも社会を変える公器として手法を公開しながら進めてきたら、今や数万人のファシリテーターが活躍している」という話をしてくれたことがありました。いつか日本でも、と夢想したことが今実現しつつあるのかもしれません。ただ、参加型の場づくりや共創を促進するファシリテーションが求められるのは、社会に様々な課題が満ちているからとも言えます。私たちはそれぞれの現場で、ファシリテーションを活用しながら、一体何を乗り越えどんな社会を創ろうとしているのでしょうか?今の地球あるいは歴史的な時間の中で、どのような意義を果たしているのでしょうか?今回、さらなる展開に向けて、皆さんとそんなテーマに取り組んでみたいと思います。
[中野氏プロフィール]「東京大学文学部卒、ワークショップ企画プロデューサー、大手広告会社に勤務の傍ら、人と自然、人と人をつなぎなおすワークショップを実践。Be-Nature Schoolファシリテーション基礎講座講師、主な著書「ファシリテーション革命」(岩波アクティブ新書)、「ワークショップ」(岩波新書)など


■第1分科会 演劇的手法ファシリテーション分科会 (長岡素彦)
「持続可能な未来へ」
 「誰もがファシリテーター」を目指すファシリタティブのひとつの手法である「演劇的手法ファシリテーション」の分科会です。演劇的手法ファシリテーションをじっくりやるブログラムとちょっとやってみたい人向け「タイタニック」もあります。 ワークショップのテーマの「持続可能性」は世界や地域に限らず組織でも、今もっとも重要なテーマです。  
 ・必要なもの:    からだと想い、動きやすい格好
 ・必要の無いもの:  固まった考えと屁理屈
 大事なことをきめるのにうまくいかない。みんなで考えることなのに意見が出ない。言葉や文字、コンセプト図だけで議論するのはちがう気がする。ファシリテーションっていっても仕切り役や話が上手で声の大きい人が...。こんなことを感じていませんか。演劇的手法は演劇のための手法ではなく、社会をからだで、想いを含めて考え、表現しあうことで、まとまっていくものです。橘たか、富永圭一、長岡素彦がサポートします。


■第2分科会 教育系プロジェクト分科会(三田地真実、西嘉之)
「ファシリテーション的な学びの場づくり!」
 先生が話すだけの一方通行型の授業じゃなくて、子どもたちが、大人たちが生き生きと学べる場ってどうやって作ればいいのだろう?学び手同士の相互作用の中で学びや気付きをもたらすしかけ作りってどうやるんだろう?学校の教育現場だけではなくて、社会人教育の中にもファシリタティブな学びってあるはず。本分科会ではこのような教育と、Fにまつわる疑問に参加者の皆様と共にファシリタティブに取り組んでみたいと思っています。
 教育に携わる者なら誰もが、授業を受ける子どもたちや研修やセミナーを受講する人たちが生き生きと学びながらたくさんの気付きを得られることを願い、日々学びの場をデザインしようとしているはずです。学びの場づくりとは単なる「技術」ではなく、それはまさしく「芸」なのではないでしょうか。そんな「学びの場」を意識しながら,参加者の皆さんと一緒に考えるワークショップを展開していきたいと思います。実際に授業体験もしていただきながら、「ファシリタティブな学びの場づくりの技」=「芸」について,一緒に考えてみませんか。

[振り返り]教育系プロジェクトは「ファシリテーション的な学びの場づくり!」をテーマに分科会を実施しました。「学びの場づくり」の手がかりとして「藝」という視点から分科会をデザインしました。分科会は模擬授業と,それを受けてのワークショップ,ふりかえりという構成としました。模擬授業は午前の部が「日中食文化の違い」、午後の部が「マナーとルール」のテーマで、「学びの場づくり」を体感できるものでした。参加者は模擬授業の中で生徒役と「気付きを促す仕掛け(藝)」の探し役の二役を同時にして、授業後に講師の工夫や「藝」風などをグループ毎にディスカッションし、まとめたものを発表しました。短い時間でしたが、開始早々は大人しめの参加者のみなさんもグループワークでは大いに議論して、講師の方が行った学ぶ側に気付きを促す仕掛け(小道具の見せ方、促しの仕方、授業の進め方などなど)について多くの気付きを得ていたようです。最後に、各自「ふりかえりシート」を記入し、明日から出来ることを確認して持ち帰って頂きました。

    


■第3分科会 ファシグラ分科会(比良正彦、大嶋友秀)
「ファシグラっていいかも!!?」
 「ファシリテーショングラフィック」って知っていますか。会議の参加者全員が、ファシリタティブになれるためのスキルなのです。ホワイトボードに、リアルタイムで文字やイメージが書かれ、会議の姿が「見える化」すると、会議で何かが変わりはじめます!!そんな環境下で、会議参加者としてあなたは、ファシリタティブにならないでいられるでしょうか。この分科会では、ファシグラの影響力を体感することができます!!!

 目に見えないものは気づきにくいもの!私たちの言葉などその典型的なものです。ホワイトボードに、黒板に、会議中の言葉が書かれる、イメージが描かれる!すると、何かが変わりだします。空気が動きます。人がファシリタティブになります。「上手い」とか、「下手」とか、「間違っている」とか、そんなことじゃなくって...。何かが動くんです。そういうことを感じてほしい。ファシグラ分科会では、参加者の感性に訴えます!


■第4分科会 モチベーション分科会(渡辺誠)
「ファシリタティブにモチベーション向上を考える」

 昨今、人間性重視のマネジメントが弱くなっています。そのため、モチベーションの向上の必要性が叫ばれています。この分科会では、ファシリテーションを利用し、人に影響力を与える役割を持つ人のためのモチベーション向上の視点とそのスキルを考えます。対象者は次のような方です。
 ・ファシリテーションスキルを利用してみたい人
 ・モチベーションを向上する視点を探したい人
 ・人のモチベーションを向上するためのスキルをつけたい人

 チームワークで最大限の力を出すには、人の「やる気」を引き出すことが一番です。一人ひとりがワクワクしながら役割を果たせるような環境が出来たら、やる人も楽しいし、創り出される成果も大きくなります。こんな状況を生み出す鍵がモチベーションです。「やる気を出してもらう視点とその方法」をみんなで検討しましょう。ファシリテーションですから答えを見つけるのは参加者の皆様です。心理学理論をフレームに皆様の考えをサポートします。


■第5分科会 ビジネス系分科会(檀野隆一、西野亜希)
「『ファシリテーション』といってごまかすな!チームは本当に成長しているか?」
 「今日の会議のファシリテーターって誰〜?」と、さも他人事のように話す人、職場にいませんか? ビジネスの現場でもファシリテーションという言葉を聞く機会が増えてきましたが、言葉だけが一人歩きしていませんか? もっとチームが活性化して、メンバの一人一人が自ら率先して動くようになるためには、何が必要で何が足りないのか〜。 私達と一緒に考えましょう!

  去年は、時間と成果がファシリテーションによって早くなったり品質があがったりということを考えました。今年は継続的にチームに対してファシリテーションを作用させることによって自律(自立)的成長を促すということを、分科会のテーマとします。

[振り返り]ビジネス分科会は、継続性をテーマにして、30人前後の参加者を4人1チームに分けて、ワークショップ形式で考えてもらうというスタイルでした。午前、午後共にすごく中身が詰まった時間でした。スタッフが途中で資料を修正したりとか、その場にいるからこそ可能な臨場感といいますか、リアルタイム感というのが、すごく印象に残っています。「時間が足りない/詰め込みすぎ」という意見もありましたが、ビジネス分科会スタッフとしては、「時間が短くても、深い議論が出来る仕組み作り」を提案しないといけないのかなという振り返りもありました。次回があれば、また違った事をより多くの参加者といっしょにやっていきたいと思っています。
  


■第6分科会 組織変革ファシリテーション分科会(須賀亨)
「組織変革3人衆パネル鼎談〜変革プロセスのデザインとファシリテート〜」
 各々の立場で組織変革に関わる長野恭彦氏(スコラコンサルトプロセスデザイナー)、加藤雅則氏(ICF認定プロフェッショナルコーチ)、FAJ須賀亨(リコー変革世話人)の3人が大いに語り合います。自律社員育成・相互支援・創発と共創・オフサイトとファシリテーション・新たなマネージメントスタイル等、様々なキーワードを軸にミニ公演も折込み、会場との質疑応答も含めて現場実践にこだわったデイスカッションを展開します。

 今回は長野・加藤両氏をお招きしての夢のトークセッションです。分科会の漢字キーワードを考えた時に[Shin]音のイマジネーションで 「新」「進」「心」「真」「深」など色々浮かびましたが最終的に「信」の 文字になりました。組織変革はテクニックの前に在り方ありき、そして その原点が信頼なのだと思います。今日のこの場が新たな信頼ネットワークの起点になればと思います。

[振り返り]「ホントはAMのみの予定でしたが、あまりによかったのでPMも居座ってしまいましたよ。ハハハ」と終了後にNさん。「そんな困りますよオ」と実行委員としては問題ながら分科会担当としてはうれしくもある私。今回はパネラー3人で相談しAMは社内組織変革Fの私に、PMは変革支援者(社外F)である加藤氏、長野氏に焦点を当てて進める段取り。話しは「スキルより在り方中心で進める」と概要は決め、一応進行?らしきものはあるがアドリブあり、掛け合いありの自由な展開。最後にたっぷり質疑応答の時間を設けた。後はぜひ参加者の皆さんから頂いた感想からその場を味わってください。
 ・『逃げちゃいけない』という内なる声が聞こえた話は心に残りました。
 ・前進するためには自らの覚悟が必要で今はその一歩が踏み出せそうな気分
 ・「揺れなくなった」「軸ができる」、この言葉が今の自分にフィットして嬉しかった
 ・共感してくれる仲間と一緒になって、とにかく前に進もう!!と考えています 
 ・私に限りない勇気と自信を与えてくれました
 ・パネルディスカッションという切り口で言うと、3人が3様の主人公であった
 ・こういうセッションは、ファシリタティブでないところでこそ、やらなければいけない
「続きをききたい!」という要望もいただき、いつかかなえられたらと思っています。