研究発表一覧

1.ファシリテーションの現場から〜元気が出る職場を作れ!…8年間の成功と9年目の挫折

発表者

小椋 浩一(中部支部)

発表概要

元気が出る職場を作ろう!から始まったファシリテーター人生。でも、会議の改善だけでは足りない・・・いったいどうすればいい?社内活動9年。職場からやがて会社全体に、そして海外へ。研修では決して味わえない現場のケースをご紹介しながら、成功/失敗の要因を参加者とともに分析し、実践ならではのポイントを探る。

論点(問い)

ファシリテーション活用における研修と実践、成功と失敗の決定的な違いとは何か?

2.原因究明をしない解決志向アプローチは、利害関係者に受け入れられるか?

発表者

日山 敦生(東京支部)

発表概要

ビジネス向け解決志向アプローチのセミナー受講者から、「原因究明を行わない問題解決法である解決志向アプローチの有効性は理解できるが、利害関係者の理解を得られない。」という感想がよく寄せられる。この感想に対する回答である原因を後から考えて、利害関係者には原因志向で伝える方法について論じてみたい。

論点(問い)

原因を後から考える問題解決法は、利害関係者に受け入れられるか?

3.自分ごとになるためには何をすればいいのか〜大学における消防体制の構築を事例に〜

発表者

本宮 大輔(北海道支部)

発表概要

自分ごと。自分の問題として捉えること。消防体制について意見交換するワークショップを行い、実行可能な体制を構築する取り組みを行った。火災というイメージしにくい非常時対応を考えるために、「他人事」から「自分ごと」へ変えていった事例を紹介する。意識変化が起きるときについて探求する時を設ける。

論点(問い)

「他人事」が「自分ごと」に変わる要素とプロセスは、どのようなものか。

4.ロジックツリーを合意形成・判断枠組の共有に活かすための新しい提案法の紹介

発表者

岡田 栄作(中部支部)

発表概要

ロジックツリーは、構造化に対して役立つツールだが、物事の決定・判断、合意形成に使用するツールとしては課題がある。本研究では、医学判断学に導入されつつある解析方法を参考にし、従来のロジックツリーの使い方を紹介しながら、より決定・判断に対して、実用的なディシジョンツリーという方法を提案する。

論点(問い)

ディシジョンツリーとは?・ツリー思考(二者択一思考)はなぜファシリテーターに必要か?

5.小学校における学年団ファシリテーションの可能性 〜チームで学ぶ組織づくり〜

発表者

木村 慶哲(中国支部)

発表概要

高度化が進む教育現場には,「学び続ける教師」が求められている。しかし,現状の同僚関係では教師の学びにつながりにくい。本発表では,P.センゲの「チーム学習」理論に依拠しながら,教師の専門性を高め子どもの成長につながる同僚関係を促進する「スクール・ファシリテーション」について,事例を挙げながら報告する。

論点(問い)

「なべぶた型」といわれる教師組織で高めあうために,どんなスキルが必要なのか。なぜ,教師は自分の実践を同僚に見せたがらないのか。また,批評しあえないのか。本当に,家族的な教師組織では高めあうことができないのか。など。

6.グローバル人財育成におけるファシリテーションの効用〜それ行け、グローバル日本人!〜

発表者

大国兼道(東京支部)・高木浩太郎(上海)

発表概要

異文化に対する抵抗感を取り除き、多様性に対する理解と対応を促進するには、日本 人は何をどう変えれば良いか。 本発表では、上海でグローバルビジネスを実践している 高木の事例を紹介するとともに、ファシリテーターになることが、なぜグローバル人財に なるための近道であるのかについて論じていく。

論点(問い)

グローバル人財をどうやって育成するか?

7.サロンと言う生き方〜地方にいながら豊かに学ぶ〜

発表者

山本 善隆(四国サロン)・山際 彰宏(四国サロン)・高橋 尚矢(中国支部)

発表概要

学びの場もFの知見も都心に集まる!・・・のでしょうか?FAJも10年の歴史を経て、いま地方にも大きな可能性があるのではないか?と私たちは感じています。キーワードは「非会員との交流/ネットワークの活用/運営の工夫」四国サロンの歩みと転換点を振り返りながら、皆さんと一緒に「地方にいながら豊かに学ぶこと」について考えます。

論点(問い)

豊かな学びとは何か?学びの場をどう創り、維持・活性化するか?を考える

8.「ラーニングデザインとTool-aided Facilitation」

発表者

土井 哲(東京支部)

発表概要

企業から依頼されるワークショップや研修のように、確実な効果が求められる場合、何に気付かせ、何を胎落ちさせるのか目的を明確にして、そこにたどり着くようダイアログを促すツールを作り、ファシリテーションを進めることが効果的です。一つの事例を示し、このようなツールを使うことのメリットとデメリットを議論します。

論点(問い)

「ダイアログ・マット」はファシリテーターの支援ツールに成り得るか?

9.ホールシステムアプローチへの挑戦〜北海道大学ステークホルダーコミュニケーション〜

発表者

橋詰 敦樹(北海道支部)

発表概要

北海道大学では「環境報告書」の作成に伴い、毎年3月に開催している「ステークホルダーミーティング」にワールドカフェ手法を活用、本音での対話実現に努めている。また環境関連教職員対象のワールドカフェ開催等、環境先進大学としての発展に向け、ホールシステムアプローチに挑戦している。これらの活動を中心に発表。

論点(問い)

本音で自由なステークホルダーとの対話実現に向けたファシリテーション活用法と留意点

10.ファシリテーション活用領域の将来展望〜Fの未来はどこに?〜

発表者

加留部 貴行(九州支部)、徳田 太郎(東京支部)、堀 公俊(関西支部)

発表概要

本発表では、定例会で得た全国の会員の動向をベースに、「ファシリテーションみらいセンター」研究員の執筆・講演活動の中で入手した独自の情報を加え、ファシリテーションの活用状況を概括するとともに、今後注目すべき3つの活用領域を分析・展望していく。当初予期しなかった意外な分野での意外な応用事例も発表する予定。

論点(問い)

どんな分野でファシリテーションの活用を促進していけばよいか?

11.教育現場へのファシリテーション普及の戦略構想

発表者

上井 靖(中部支部)

発表概要

発表者は、学校教育現場にファシリテーションの文化が根付くために、しかけ、そそのかし、などを戦力的に駆使し、教職員のチームビルディング、対立解消実践などを通じて教育現場を変革している。本発表では、そのプロセスを紹介し、実践者である私たちが現場でどうかかわっていくかについて論じていく。

論点(問い)

ファシリテーションが現場に根付くために必要なことは何か?

12.ミッション・ビジョンってあったらどうよ?

発表者

鳥羽 秀人(中部支部)

発表概要

昨年度、FAJ中部支部運営委員会では、「FAJ中部支部」というブランドを考えた上で、支部としてのミッション・ビジョンづくりを試みた。そのプロセス、及びその中で生じた葛藤、成果物に対する会員の反応を紹介するとともに、組織活動におけるミッション・ビジョン策定の意義、あり方について考察していく。

論点(問い)

組織のミッション・ビジョンとあなたのやりたいこと、どう折り合いをつけますか?

13.「効果的なファシリテーター成長・育成プロセス」の探究

発表者

岡田 純子(関西支部)

発表概要

多様性を生かす話し合いの場をファシリテートする力を磨くには、どのような成長・育成プロセスが最も効果的でしょうか。勤務先の会社でツールや手法の習得を中心としたファシリテーター育成に従事した経験や、自分がFAJなどで学んできた経緯から1つのモデル(仮説)を提示し、ぜひ研究発表に参加いただくみなさんと探究したいと考えています。

論点(問い)

「最も効果的なファシリテーター育成プロセスはどんなものだと思いますか。そのプロセスの一番の特徴は?」

14.『チーム力を高めるファシリテーションとは〜チームち〜むの活動結果から見えたもの〜

発表者

長橋 良智・飯島 邦子(東京支部 共同研究者:相馬 浩隆・松尾 貴寛・花田 孝之・友山 貴嗣・東 憲治・柳 隆文・増平 貴之)

発表概要

Tom Wujec氏によれば、チーム活動のフォーマンスを高めるのはチームにファシリテーションが存在した時だという。本当にそうなのだろうか?その時存在しているファシリテーションとはどんなものなのだろうか?どんな効果があるのだろうか? “チームちーむ”はFAJ会員有志によるチームについて考える自主チームである。今回は我々のこれまでの活動や実験ワークショップの結果を検証・考察し、参加者と共に探求する。

論点(問い)

チーム活動において、チームにファシリテーションの有無が結果にどう影響するか?1.チーム活動に存在するファシリテーションとはどういうことか?2.ファシリテーションは成果、納得度、満足度において、どのようにチームに作用しているのか?

15.粘土を変える、粘土が変える〜粘土ワークショップでの気づきを現場活用する〜

発表者

亀井 誠史・上野 めぐみ・後藤 雅子・中澤 義光・辻 真弘・早川 鋭・増平 貴之・茂木 真美・野口 砂絵子(東京支部)

発表概要

今年2月の東京支部イベントで好評を博した粘土ワークショップ。チームで作った粘土作品を、他チームが意図をもって作り変え、それを元のチームが受け入れたときに起こったこととは?!参加者の声などをもとにその効果を分析するとともに、粘土ワークで起こったことを実際の現場で活用するための方法について論じていく。

論点(問い)

粘土ワークでの気づきを現場に活かすには、どんなふうにプログラムを工夫すれば良いか?!

16.メッセージ性の強いシンポジウムの進行方式と参加者の受容状況の関係についての考察

発表者

小谷 真司(四国サロン)

発表概要

四国サロンの例会において、社会問題についての強いメッセージを投げかけるシンポジウムをそのまま開催した場合と、コンテンツを活用しつつファシリテーターが中立な立場でダイアログを進行した場合の対比事例を通じて、参加者のメッセージの受容状況とファシリテーターのあり方の関係について考察する。

論点(問い)

メッセージの伝達と参加者の気づきを促す、望ましいファシリテーターのあり方とは?

17.突然、観察者やってくださいって言われても・・〜観察を学びに繋げるためには?〜

発表者

浅羽 雄介(東京支部)・今岡 まゆみ(関西支部)・田頭 篤(東京支部)・中西 百合(東北スクエア)・村岡 千種(中部支部)

発表概要

観察者をつけて話し合いを行い、終了後の振り返りでフィードバックをもらう。この時、観察者の観察・フィードバックの仕方が振り返りの質を大きく左右する。

論点(問い)

観察者に対してどのようなインストラクションが適切なのか?

18.ファシリテーショングラフィック練習ジム(略してFGYM)定例会から見えてきたもの
〜そもそも良いファシリテーショングラフィックってなんだろう〜

発表者

増平 貴之・保谷 朋子・奥田 浩・鈴木 克典・木村 和郎・大沢 珠巳・永野 直樹・小瀬 一幸・蟻川 純子・近藤 高史・深谷 弘明・新矢 理恵・川崎 智圭(東京支部)

発表概要

FGYMの活動成果の検証から、企画当初の「ファシリテーショングラフィック(以下、ファシグラ)の練習ジムを提供する」という狙いと、参加者の「良いファシグラを教えて欲しい」というニーズとのギャップが見えてきた。そこで「そもそも良いファシグラとは何か」について調査、考察を発表するとともに、更に議論したい。

論点(問い)

描かれたファシグラを見ただけで、会議がすばらしかったって判断できますか?

19.ファシリテーション基礎講座受講者の質問からうかがえるファシリテーションの普及、関心の変遷(仮)

発表者

杉村 郁夫・岡田 純子(公開セミナー委員)

発表概要

FAJでは2004年から公開セミナー「ファシリテーション基礎講座」を実施しています。この講座は、演習の題材などは変更しているものの、ほぼ当初から変わらぬコンテンツを提供しており、またいつからかははっきりしていませんが、セミナーの中で受講者から 寄せられる質問について、記録を残しています。発表者はいずれも公開セミナー委員(講師)であり、この「Q&A」記録を分析して、FAJ会員に限らないセミナー受講者のファシリテーション普及度やファシリテーションについての関心事がどのように移り変わっているかを仮説として提示したいと考えています。

論点(問い)

・ファシリテーションについての関心の変遷に、FAJはどのように寄与していると考えますか。・これから予想される関心の変遷に対して、私たちFAJとしてどのような働きかけができるでしょうか。

20.「社会を変えるファシリテーター」のbaby stepとは?

発表者

山里 誠(中国支部)

発表概要

自分の広島でのHiroshima Future Centerでの活動、そしてシャープ内での組織変革活動、そして両方の活動を組み合わせ、広島にイノベーションのためのエコシステムをステークホルダーと共に創っていくに至った過程を振り返りながら、「社会を変えるファシリテーター」としての大事なマインドセット等について参加者と考え、次の一歩を考える。

論点(問い)

1、社会を変えるファシリテーターとして一歩を踏み出すには?2、参加者の変容を促すために必要なことは?

21.「ビデオカメラを通じたファシリテーターの観察」

発表者

安倍 能行(東京支部)・大山 路子(東京支部)・尾上 昌毅(東京支部)・小藤 輝正(東京支部)・田頭 篤(東京支部)・檀野 隆一(中部支部)・増平 貴之(東京支部)・野沢 式部(東京支部)

発表概要

話し合いのビデオは、繰り返し見返していくことで新たな発見がある。また、それは、ビデオを見ている人の観察眼にも大きく左右される。本発表では、繰り返し見返すことができるビデオの特性を活かした、ファシリテーターの特徴的な振る舞いを見つけ出す方法を論じていく。

論点(問い)

映像は、我々に何を問うているのか?