第22回 場の空気って何だろう?事務局

●議論の文脈を見つけ出す   場の空気には2つの意味があります。そのうちの一つが話の流れです。今まで何を議論してきて、今何を議論して、これから何を議論していくのか――論点の流れに他なりません。話し合いの文脈といった方が分かりやすいかもしれません。   議論をなりゆきまかせにしていると、話がどんどん飛んで文脈が見えなくなります。どちらの流れに向かっているのか、どの流れに乗ってよいのか、流れを見失ってしまうのです。流れが見えないから、ますます「場違い」な発言が飛び交います。  そんな時に、議論の流れを見通し、文脈を的確に見抜いていく力が求められます。これが場の空気を読むということです。それなりの思考力が要求されます。流れが読めれば、適切な発言とそうでない発言が仕分けできます。正しい文脈を指し示して、そちらに議論を誘導できます。適切な流れにチームを乗せることができるのです。 ●メンバーの思いを感じ取る   「場の空気」のもう一つは、メンバーが共通して持っている心理や感情です。チームのムード(雰囲気)といった方が分かりやすいかもしれません。   場違いな発言をする人は、文脈が見えないだけではなく、ムードも読めません。メンバーが疲れているのに新しい問題提起をしたり、合意がまとまりそうなのに瑣末な反論を繰り返したり。メンバーに心の中にある共通意識が読めないのです。   多くの場合、場の空気は直接言葉には表れることはありません。口調、態度、表情など、いわゆる言外のメッセージに現れてきます。直観力を研ぎ澄まし、いろんな場の経験を積む中で身につけていくようにしましょう。 ●場を読めるファシリテーターになろう!   このように場の空気を読むには、文脈を見いだす思考力(分析力)と言外のメッセージを解読する対人力(心理力)が必要となります。ファシリテーターに必要な二つの能力をフルに動員しないといけないのです。   それもかなり高度な力が求められ、的確に場の空気が読めるようになれば一人前といってもよいかもしれません。ファシリテーターの良し悪しは、場の空気が読めるかどうかで、ある程度判断できるのです。