第5回 ファシリテーターで飯が食えるか?事務局

●職業としてのファシリテーター  ご存知のように、リーダーそのものは職業でなくても、リーダーシップを発揮する職業はあります。同じように米国には、ファシリテーション能力を発揮してプロフェッショナルとして仕事をしている人がいます。「プロセスコンサルタント」と言われる方々で、企業の役員会や大きな会議に入って、ファシリテーションを行い、報酬をえています。おそらく先ほどの質問は、「プロセスコンサルタントで飯が食えますか?」という意味であり、これなら大変答えやすくなります(答は「日本でもいずれイエスになる」でしょうか?)。  一方、まちづくりや教育など社会活動の分野でも、専門家としてファシリテーションをやっておられる方がたくさんいらっしゃいます。こちらは、そのまま「ファシリテーター」と呼ぶのが慣わしのようです。職業としてやられている人から全くのボランティアまで様々な形があり、どう答てよいものか・・・。 ●どっちのファシリテーターなの?  このように、ファシリテーターと言った場合、役割を表すのか、職業を表すのが分からず、話がかみ合わない原因になっているように思います。「ファシリテーターはかくあるべし」という議論も、役割をイメージするのか職業をイメージするかで随分違ったものになります。  できれば、ビジネス分野のように二つを分けて使うよう心がければよいのですが、そのあたりの整理がつかないまま言葉が先行してしまい、今から区分けするのは難しくなってきています。仕方なく私は、ファシリテーターの話をする時には、「それは役割ですか、職業ですか?」「どの分野の話ですか?」と確認してから、話を進めるようにしています。面倒くさいですが、仕方ないのでしょうかね?