第3回 ファシリテーターに向く人、向かない人?事務局

●ファシリテーターってどんな人?  そう思って、第一線で活躍するファシリテーターの方々に「ファシリテーターってどんな人」とお聞きしたところ、2×2の合計四つの因子が見えてきました。一つ目のセットは、「自律性」と「共感力」です。自己中心的でなく、自分に素直になれて、自己をコントロールできる。そういった自律性を備えているからこそ、他者に対しては、相手の立場に立って主張や心を理解しようとする。  もう一つのセットは、「洞察力」と「柔軟性」です。常に目的を見失わず、事実に目を向け、本質を見つけ出していく。そのためには、状況に応じて目的達成のために最適の手段を提案し、時にはダイナミックにシナリオを変更することもできる。たしかに、こんな人がいれば素晴らしいですね。 ●絶滅危惧種を救おう!  面白いのはここからで、この逆を思い浮かべてください。自己中心的で自制心がなく、相手の気持ちを理解しようとしない。目先の事柄に目を奪われやすく、頭が固くてすぐに意固地になる。こんな人は周囲にたくさんいませんか? 何か、典型的ないまの日本人を見るようではありませんか?(ファシリテーター自身にしても、自分のことになると、結構このような行動をとることもありますね)。   結局、ファシリテーターにいい人が多いというのは、世の中にいい人が少なくなって、この業界に細々と生息しているだけなのかもしれません。「絶滅危惧種」の保存と繁殖が急務なのだと改めて思った次第です。