第1回 ファシリテーションの言霊をどうやって伝えるか?事務局

 そこで、ファシリテーション関係の書籍や、ファシリテーターの方が自己紹介をするときには、次のような言葉を使っておられるか調べてみました。一番ポピュラーなのが、原意をそのまま表現したものです。 ●促進者、支援者・・・ 単なる司会者とは違うことは感じ取れますが、これだけだと何を促進して、何を支援するのか、もう一つピンときません。そこで、役割をもう少し明確にした表現もあります。 ●進行役、調整役、介助役、触媒役・・・  中には、単独で使うと、司会者との違いが分かりにくいものもあります。そのせいか、『変革リーダーの技術』の著者:船川淳司さんは、この中から三つを並べて「進行調整介助役」とされておられます。全くその通りなんですが、文字で読めても、言葉ではちょっと言いにくいですね。  あるいは、『協働のデザイン』の著者:世古一穂さんは、比喩を使って説明しておられます。 ●助産婦、水先案内人・・・  イメージはよく伝わりますが、こういう表現はあくまでも原意を伝えた後に、「分かりやすく言えば・・・」という時に使うものであり、本来の問題の解決になりませんね。なかなか一筋縄にはいかないようです。  こういうことを考え出すと、怒涛のように押し寄せる外来語を、素晴らしい日本語に置き換えていった、明治の先達の分厚い教養と知恵に頭が下がる思いです。我々、軽薄な平成の民は、「英語には英語の言霊があるのだから、が英語をそのまま感じ取ってもらうしか・・・」と安易な道へ逃げそうになってしまいます。  全国のファシリテーターの皆さん、この深〜い問題を一緒に考えませんか?