【目的】法や政策の正統性・正当性を高める条件を、国民投票とそれに先立つ対話/熟議(およびファシリテーション)の関係に焦点を当てて考察する。
【対象と方法】アイルランド「婚姻の平等」法制化(2015年)の過程を、個別の熟議の制度やプロセスを超えてそれらの全体としての相互作用を把握しようとする「熟議システム論」の視座を援用して分析する。
【仮説】議会・公共空間・私的領域など様々な領域での対話/熟議が重層的に重なり合い、それらを通じて形成された意思が最終的に国民投票によって表出される形となることが、集合的決定の正統性と正当性を高める一つの有力な条件となり得る。
【結論】仮説はおおむね支持される。また、ミニ・パブリックスに政治家を包摂すること(その際にファシリテーターが適切に介入すること)、非制度的な公共空間での対話/熟議を活性化させることの重要性が浮かび上がる。
【方法・考察】ポスト・イット®を活用した「ミーティングソリューションTM」ワークショップセミナーを各支部やサロンで実施してみて、多くのアドバイスやご紹介をいただきました。その結果をファシリテーター目線で「改善」してきたプロセスを発表させていただきます。
【今後の課題】企業の会議での活用に留まらず、教育・医療・防災現場での活用。
【目的】そのままの自然を未来の世代に残す
【背景】近年のSNS・WEBサービスを中心とした口コミで沖縄県内の各地への訪問者の動きが変わった。
私の地元のエコツアーフィールド『真喜屋の滝』も問題を抱える場所になってしまった。
年々来訪者が増え、ゴミのポイ捨てや危険なルートの開拓など、このまま見過ごしてはいられない状態となってしまっている。
誰がそこを守るのか。このフィールドを現状のまま未来に残すためには。
【方法】昨年、エコツアーとして利用している全13事業社・地元自治体でフィールドを守るための活動を始めた。
我々はツアー時にゴミを拾うことや安全のための共通のルールの設定とともに、一般訪問客への声掛け活動をスタートした。
地域と訪問者とともにつくるエコツアーフィールドを目指し、今年も活動に取り組む。
【効果】①各々の事業者→チームへ②利用する場所→守る場所③排除、いがみ合い→参画、認め合い
<はじめに>医療や介護の問題は、ともすれば他人事のように見えますが、誰にでも起こるライフイベントのひとつです。それはいつか起こるとわかっているのに、準備できないまま突然、日常の中に突きつけられるのです。そんな状況の中で、意思決定を迫られる場面でファシリテーションがどう活かせるのか?どう使えるのか?そして自分自身は何ができるのか?といったことを、事例を通して考えていきたいと思います。
<今後明らかにしていきたいこと>ファシリテーターである私たちがサポートできる方向性を考え実践していく。
1 医療者側への直接的なサポート
2 患者、家族(意思決定者)が、安心して対話しながら意思決定ができることへのサポート(場づくり、情報整理、言語化の支援)
3 そんな状況になる前に準備できるような支援(自分の価値観を言語化したり相手の価値観を知り合う対話の場づくり、今後に備えて活用できる価値観カード(仮)などのツールづくり
【目的】生徒たちが、自分の意見を主体的に出し合う生徒議会のサポートのあり方を明らかにする。
【背景】中学校の生徒議会において、一部の人だけが発言して、なんとなく多数決で決まって、毎年同じであった。
【方法(教員の働きかけ)】「場づくり」として、机の配置、アイスブレイク、話し合いの方法、見える化、そして自分たちで振り返るKPTを利用し、生徒の自主的な活動になるよう手立てを行った。
【結果】①グループで話し合うことにより、思ったことが言いやすい雰囲気になり、話し合いの活性化につながった。②議案に対して1つも質問が出なかったが、多々出るようになった。③議案が加筆修正され、再提案されるようになった。④新しい企画が生み出された。
【目的】なんとなくわかるが、具体的に何をやったらよいか、何から手をつけたらよいかわからないテーマに当たった時に考えるきっかけを作るためのワークショップ
【進め方】話し合うテーマはその場で選択します。その後、短時間の話題提供やバズ、全体共有へと進めます。
【研究背景】組織行動学者のデービッド・コルブが1984年に「経験学習モデル」という概念を構築してから、主に企業の中での社員教育などに広まり、OJTなどのような研修が取り入れられた。この「経験学習モデル」は現在では、学習や教育においては前提のような形で扱われており、ある意味、形骸化しているのではないかと思う。私はこの形骸化しつつある「経験学習モデル」をファシリテーター的観点から改めて見直し、実際にどのようなプログラム・デザインをすることで、経験学習のサイクルを的確に回すことができるのかに焦点を当て、研究を行った。今回は研究を行うにあたり、私が4年前から沖縄で開講している「大学生向けファシリテーション講座」を研究対象とした。
【目的】「コルブの経験学習モデル」をファシリテーター的観点から見直し(再考する)、経験学習のサイクルを効率的に回し、学習効果を高めることができる、プログラム・デザインを考案する。