ファシリテーション・シンポジウム2018 研究発表抄録 【A】6月2日(土) 13:00〜14:15

※ご注意 時間や詳細は変更になる場合があります。(2018.5.16)

研究発表抄録【A】6月2日(土) 13:00〜14:15

【No7:小講堂】

国民投票に先立つ「重層的な対話/熟議」とファシリテーション
KeyWord
熟議民主主義, 憲法改正, アイルランド
代表研究者
徳田 太郎(秋田サロン)
概要

【目的】法や政策の正統性・正当性を高める条件を、国民投票とそれに先立つ対話/熟議(およびファシリテーション)の関係に焦点を当てて考察する。

【対象と方法】アイルランド「婚姻の平等」法制化(2015年)の過程を、個別の熟議の制度やプロセスを超えてそれらの全体としての相互作用を把握しようとする「熟議システム論」の視座を援用して分析する。

【仮説】議会・公共空間・私的領域など様々な領域での対話/熟議が重層的に重なり合い、それらを通じて形成された意思が最終的に国民投票によって表出される形となることが、集合的決定の正統性と正当性を高める一つの有力な条件となり得る。

【結論】仮説はおおむね支持される。また、ミニ・パブリックスに政治家を包摂すること(その際にファシリテーターが適切に介入すること)、非制度的な公共空間での対話/熟議を活性化させることの重要性が浮かび上がる。

【No16:第1会議室】

ポスト・イットのエバンジェリスト(伝道師)として各支部の定例会でわかったこと
KeyWord
ワークショップからの学び、実践者を増やす
代表研究者
藤丸 周一郎(関西支部)
概要

【方法・考察】ポスト・イット®を活用した「ミーティングソリューションTM」ワークショップセミナーを各支部やサロンで実施してみて、多くのアドバイスやご紹介をいただきました。その結果をファシリテーター目線で「改善」してきたプロセスを発表させていただきます。
【今後の課題】企業の会議での活用に留まらず、教育・医療・防災現場での活用。

【No21:第2会議室】

真喜屋の滝の事例から〜一般訪問者との環境保全への取り組み~
KeyWord
環境保全, 観光, 地域振興
代表研究者
小林 政文(沖縄サロン)
概要

【目的】そのままの自然を未来の世代に残す
【背景】近年のSNS・WEBサービスを中心とした口コミで沖縄県内の各地への訪問者の動きが変わった。
私の地元のエコツアーフィールド『真喜屋の滝』も問題を抱える場所になってしまった。
年々来訪者が増え、ゴミのポイ捨てや危険なルートの開拓など、このまま見過ごしてはいられない状態となってしまっている。
誰がそこを守るのか。このフィールドを現状のまま未来に残すためには。
【方法】昨年、エコツアーとして利用している全13事業社・地元自治体でフィールドを守るための活動を始めた。
我々はツアー時にゴミを拾うことや安全のための共通のルールの設定とともに、一般訪問客への声掛け活動をスタートした。
地域と訪問者とともにつくるエコツアーフィールドを目指し、今年も活動に取り組む。
【効果】①各々の事業者→チームへ②利用する場所→守る場所③排除、いがみ合い→参画、認め合い

【No9:第3会議室】

医療・介護現場における、よりよい意思決定をつくるファシリテーション ~ファシリテーターとして私たちができること~
KeyWord
医療, 意思決定, 対話
代表研究者
東 憲治
共同研究者
浦山 絵里、尾上 昌毅 、黒田 昌宏、鈴木 慈子、山根 弘和
概要

<はじめに>医療や介護の問題は、ともすれば他人事のように見えますが、誰にでも起こるライフイベントのひとつです。それはいつか起こるとわかっているのに、準備できないまま突然、日常の中に突きつけられるのです。そんな状況の中で、意思決定を迫られる場面でファシリテーションがどう活かせるのか?どう使えるのか?そして自分自身は何ができるのか?といったことを、事例を通して考えていきたいと思います。

<今後明らかにしていきたいこと>ファシリテーターである私たちがサポートできる方向性を考え実践していく。
 1 医療者側への直接的なサポート
 2 患者、家族(意思決定者)が、安心して対話しながら意思決定ができることへのサポート(場づくり、情報整理、言語化の支援)
 3 そんな状況になる前に準備できるような支援(自分の価値観を言語化したり相手の価値観を知り合う対話の場づくり、今後に備えて活用できる価値観カード(仮)などのツールづくり

【No1:第4会議室】

みんなで創る学習する学校
KeyWord
主体性, 学び, 学習する組織
代表研究者
上井 靖(中部支部)
共同研究者
鈴木 義明
概要
【目的・背景】木村泰子さん&前川喜平さんとの出会いから生まれた問い「みんなってだれ?」「学ぶ、学習するってどうゆうこと?」「学校ってどんなところ?」を探りたい。
【方法】「学習する組織」を意識し、学校経営・教育活動をデザインし推進してきたプロセス(どんな場をつくり、どう巻き込んだのか)と、その結果(何が起こったのか)を振り返る。
【成果】3月16日の私の記者会見とその前後の対応はいかに?
【考察】どんな意味があったのかを「手放す勇気&引き取る覚悟」の視点で考察します。
【今後の課題】今後の兆しや企みを探ります。

【No6:第4会議室】

『私たちの学校の伝統を私たちが創りかえるんだ!』~主体的な生徒議会にするための取り組み~
KeyWord
場づくり, 話し合いの見える化, 振り返りのKPT
代表研究者
梶田 知佐(中部支部)
概要

【目的】生徒たちが、自分の意見を主体的に出し合う生徒議会のサポートのあり方を明らかにする。

【背景】中学校の生徒議会において、一部の人だけが発言して、なんとなく多数決で決まって、毎年同じであった。

【方法(教員の働きかけ)】「場づくり」として、机の配置、アイスブレイク、話し合いの方法、見える化、そして自分たちで振り返るKPTを利用し、生徒の自主的な活動になるよう手立てを行った。

【結果】①グループで話し合うことにより、思ったことが言いやすい雰囲気になり、話し合いの活性化につながった。②議案に対して1つも質問が出なかったが、多々出るようになった。③議案が加筆修正され、再提案されるようになった。④新しい企画が生み出された。

【No22:第5会議室】

モヤモヤから一歩踏み出す~
KeyWord
モヤモヤ
代表研究者
山崎 彰(東京支部)
概要

【目的】なんとなくわかるが、具体的に何をやったらよいか、何から手をつけたらよいかわからないテーマに当たった時に考えるきっかけを作るためのワークショップ
【進め方】話し合うテーマはその場で選択します。その後、短時間の話題提供やバズ、全体共有へと進めます。

【No3:第6会議室】

コルブの経験学習モデルを再考する〜沖縄での大学生向け講座を事例に〜
KeyWord
経験学習モデル, 発見, 学び合い
代表研究者
當銘 大樹(沖縄サロン)
共同研究者
Youth Facilitation in Okinawa(沖縄で大学生向けのファシリテーション講座を運営する組織)
概要

【研究背景】組織行動学者のデービッド・コルブが1984年に「経験学習モデル」という概念を構築してから、主に企業の中での社員教育などに広まり、OJTなどのような研修が取り入れられた。この「経験学習モデル」は現在では、学習や教育においては前提のような形で扱われており、ある意味、形骸化しているのではないかと思う。私はこの形骸化しつつある「経験学習モデル」をファシリテーター的観点から改めて見直し、実際にどのようなプログラム・デザインをすることで、経験学習のサイクルを的確に回すことができるのかに焦点を当て、研究を行った。今回は研究を行うにあたり、私が4年前から沖縄で開講している「大学生向けファシリテーション講座」を研究対象とした。

【目的】「コルブの経験学習モデル」をファシリテーター的観点から見直し(再考する)、経験学習のサイクルを効率的に回し、学習効果を高めることができる、プログラム・デザインを考案する。