ファシリテーション・シンポジウム2018 研究発表抄録 【B】6月2日(土) 14:30~15:30

※ご注意 時間や詳細は変更になる場合があります。(2018.5.16)

研究発表抄録【B】6月2日(土) 14:30〜15:30

【No25:第3会議室】

対話促進ツール「えんたくん」の効用
KeyWord
えんたくん, 対話, 大学教育のイノベーション
代表研究者
中野 民夫
共同研究者
鈴木 まり子
概要

一枚の丸いダンボール板「えんたくん」が、多様な人々の対話を活性化し、あちこちで「えんたくん革命」が進行しています。直径1mの丸いダンボールを膝に乗せて向かい合うだけで、物理的にも心理的にも距離が縮まり、自ずと笑顔あふれます。2013年秋に環境教育清里ミーティングで生まれ、各地に広まり、つい最近『えんたくん革命』(川嶋直・中野民夫共著、みくに出版)という書籍にその起源や使い方や活用事例がまとめられました。各地のファシリテーション講座や東京工業大学の授業や全学ワークショップに活用している中野と、被災地での復興支援の現場などで活用している鈴木まり子が、シンプルな道具がもたらす効用を事例発表します。

【No2:第4会議室】

ブレインストーミングを効果的に行うためのメタアナリシス的研究
KeyWord
ブレインストーミング, 発散, 効果的
代表研究者
岡田 栄作(中部支部)
概要

ブレインストーミング(以下ブレスト)とは、集団でアイデアを出し合うことによって相互交錯の連鎖反応や発想の誘発を期待する技法である。

発散を促す場づくりにおいて、ブレストは重要であるが、時間をとっても参加者の意見が少なく、十分な数のアイデアが出ない場合がある。効果的なブレスト法とはどのようなものであろうか?

ブレストには4原則と呼ばれるものがあり、①批判厳禁、②自由奔放、③質より量、④結合改善という原則がある。本研究では、文献検索、ネット検索、インタビュー調査を行って、ブレストに関する様々なやり方を収集し、それをいくつかの類型にまとめ、どのような場面でどのようなブレスト法が効果的なのかを明らかにする。本研究でまとめた知見を踏まえた上で、効果的と考えられる提案法を明示する。

本発表では、その明示した提案法を参加者と一緒に体験しながら、ブレストとは何かについて供に考察し、深めていくことが目的である。

【No11:第5会議室】

対立する会議には、鬼退治がよく似合う
KeyWord
問題の外在化, ナラティブ・アプローチ, 組織開発
代表研究者
日山 敦生(東京支部)
概要

【目的】問題解決の会議で、解決策について鋭く対立する状況になると、協力関係を築くことが困難になりがちである。そこで、対立から協力関係を築く方法として、ナラティブ・アプローチの「問題の外在化」があるので紹介する

【方法】「問題の外在化」とは、問題に名前を付ける。例えば、問題に、昔話によくでてくる鬼と名前をつけ、問題や対立は、鬼が起こしていると仮定する。鬼の目的は何か、鬼はどのような方法で問題を起こすのか、鬼の企みが失敗する時はどのような時か、という手順で行う。

【結果】鬼の所為で対立させられているので、対立している同志が協力して、鬼退治をすることが可能となる。

【考察】会議の場で「問題の外在化」を用いると、犯人捜しを行うことなく、問題解決を行うことができる。調査・研究の場である支部の定例会でのワークショップ開催を、計画している。

【No18:第6会議室】

ワークショップ参加者各々の「何となく、こんな感じ?」を定量的に見える化する「VAS (Visual Analogue Scale)リボン」活用の可能性について
KeyWord
アイスブレイク, グループ分け, 振り返り
代表研究者
小長光 信(九州支部)
共同研究者
上口 崇志、河野 梢子、菅井 悦子、中尾 賢一
概要

「ワークショップの参加者が胸の内に感じていながら言葉や数字では表し難い要素を、なんとか見える化する方法はないものか」と考え、医療現場で痛みの測定等に使われる「VAS (Visual Analogue Scale:視覚的アナログ目盛り法)」という臨床評価指標の応用を試みました。
FAJ九州支部定例会で3回に渡ってそれぞれ異なる使い方を試行検証しました。このVASリボンによって「主観の見える化」が可能になり、アイスブレイクでの自己開示やグループ分け、振り返りでの達成感等の比較・検証に効果がありました。今回はその手法を体験してもらいつつ、今後の応用の可能性について皆さんと有意義な意見交換ができればと考えております。
VASリボンはいわば「コロンブスの卵」。とてもシンプルで、すぐに実践できること請け合いです。皆さんの現場でもどんどん使っていただけると嬉しいです。