ファシリテーション・シンポジウム2018 研究発表抄録 【C】6月3日(日) 9:00〜10:15

※ご注意 時間や詳細は変更になる場合があります。(2018.5.16)

研究発表抄録【C】6月3日(日) 9:00〜10:15

【No15:小講堂】

ファシリテーションがもたらす社会的インパクトの考察~直近3年間100件の任用事例から導く社会的要請の実相
KeyWord
社会的インパクト, 事例の傾向分析, オープンイノベーション
代表研究者
田坂 逸朗(中国支部)
概要

ファシリテーションは社会や組織にどんなインパクトをもたらしてきたのか。マーク・エプスタインの社会変革理論における「社会的インパクト」の評価指標から、社会的変化の実相を読み解く。ひとりのファシリテーターに依頼されるファシリテーション導入の要請の変化は、この検証の分析根拠となりえるとして、その事例を精査分類しながら、特にファシリテーション普及の10年とこの直近3年間100件の任用事例を題材に、ファシリテーションの社会的インパクトの意義と、社会的インパクトにおけるファシリテーションの役割の両面から、導き出される社会的要請の変化を記述する。ファシリテーションの社会的インパクトの6つの作用点とインパクト・サイクルの3つのステージを示し、チェスブロウのオープンイノベーション論、クリステンセンのイノベーター論など、イノベーションの見地からの「ファシリテーションのこれから」について、考察の成果を報告する。

【No12:第1会議室】

防災ゲーム「ダイレクトロード」を通じて考察した、緊急時のファシリテーション活用とリーダーシップのあり方
KeyWord
ジグソー学習法、リーダーシップ、ゲーミフィケーション
代表研究者
中山 隆文(東京支部)
共同研究者
増平 貴之、柴田 千晶、中澤 義光、小野澤 興平、村上 邦彦、辻 真弘、久木野 勉
概要

「緊急時にファシリテーションは必要なのか?防災ゲームを通して、緊急時に必要なファシリテーターの要素と、ファシリタティブなリーダーシップの姿を考察する。」
自分たちの活動で世の中に役立つ活動はできないか?と考えた時に、世の中には防災について考えたり、学習できる教材が多く開発されたり販売されているが、東日本大震災から年月が過ぎ、防災への意識が薄れ、以前より防災イベントの開催数や規模も縮小傾向にあり、防災について自分たちならではのワークショップを開催し貢献したいと考えた。そこで神戸市消防局の職員の方が開発し、ジャパン・レジリエンス・アワード2017において優秀賞を受賞した「ダイレクトロード」の「海辺の町」編と、未発表バージョン「内陸の街」編を取り入れたワークショップを開催し、調査した内容を発表します。

【No19:第2会議室】

酒田市総合計画策定プロセスにおけるファシリテーションの活用とそこに至るプロセスにおけるFAJのソーシャルインパクトへの考察
KeyWord
プロセスデザイン、プログラムデザイン、ゲーミフィケーション
代表研究者
加留部 貴行(九州支部)
概要

【目的】ファシリテーションの普及が社会の中でどのようにつながって表出していくのかを探る。

【背景】2015年10月のFAJ九州支部イベント「行政×ファシリテーション」のその後の展開から生まれ出たことが様々な影響を与え始めていることに気づき、一度検証する必要性を感じたため。
【方法】2016~2017年度の2年間の酒田市総合計画策定プロセスの前後・周辺で実際に起こった具体的な事象を時系列に整理していく中で、ファシリテーションを活かした出来事や周辺の動きがどのようにつながって影響し合ったのかを検証し、その存在が与える力を再考する。
【考察】中長期にファシリテーションを活かしていく道筋の中でのFAJ並びに会員個々の動きの連動のこれからを考察することを通じて、ファシリテーションの普及のあり方を再考する。

【No5:第3会議室】

グラフィック・ファシリテーション再考 〜何を描き、何を促すのか
KeyWord
グラフィック・ファシリテーション, ファシリテーターの役割, ファシリテーターの倫理
代表研究者
酒井 麻里(北海道支部)
共同研究者
山田 夏子
概要

【目的】グラフィック・ファシリテーション(以下GF)とは何を描き、何を促すのかを解き明かし、グラフィック・ファシリテーター、ファシリテーターの役割やその倫理についても検討する。

【背景】近年、ファシ・グラ、グラ・レコ、グラ・ファシなど、話し合いの見える化の様々なアプローチがあり、実践者の中で整理が必要な状況である。

【方法】①過去のグラフィックの中で印象に残ったり、心に引っ掛かりのあるものについて、これらが場に与えたインパトをふりかえる。②様々なG・Fのあり方・実践を3つの軸を使い、3次元のマトリクスの中に位置づける。③「G・Fが何を描いたのか」と「何を促したのか」がどう関係するかの仮説を立てる。④共同研究者の経験から仮説を検証する。⑤検証された仮説からグラフィック・ファシリテーターひいてはファシリテーターの役割を再定義し、それらに基づいてファシリテーターの倫理についてFAJ外の知見や書籍を参考に検討する。

【No24:第4会議室】

AIがファシリテーターをサポートするAIを目指して:プロセスとコンテンツの理解モデルをデザインする
KeyWord
ファシリテーション×AI, プロセス, コンテンツ
代表研究者
白松 俊(中部支部)
共同研究者
林 加代子
概要

以前、名古屋のシンポジウムで発表したWeb上の合意形成や、そのためのAIによるファシリテーション支援の検討など、情報工学の分野でもファシリテーションに関する研究が進んでいます。今回は、名古屋工業大学のファシリテーション支援AIの開発チームから、「議論のプロセスとコンテンツをそれぞれどのような構造としてAIに理解させるのが良いか?」という作業仮説を簡単にご紹介します。そののち、ファシリテーターの観点からプロセスとコンテンツの理解に関する仮説の妥当性や不十分な点を話し合っていただく場になる予定です。

【No20:第5会議室】

被災地支援現場でのファシリテーション再考~九州北部豪雨の復興支援から見えてきたこと~
KeyWord
復興支援, 協働促進, フレームワーク
代表研究者
平山 猛(九州支部)
共同研究者
亀井 直人、松木 治子、鈴木 まり子
概要

災害は他人事ではなく、自分自身がいつ被災者になるか分かりません。災害発生直後の現場で私たちはファシリテーターとして何が出来るでしょうか?
2017年7月5日に発生した九州北部豪雨において、発災直後の緊急期から被災地での支援を続けているメンバーが現場でこれまでにやってきたことを報告し、いつかくる災害に備えて、ファシリテーターである私たちは現場で何をどうすればいいのかを提言します。

【No23:第6会議室】

自律分散システムについて再考してみる
KeyWord
自律分散、集中管理との共存 (参加者考察型)
代表研究者
三神 英彦(北海道支部)
概要

【背景】「中央集権型」「ピラミッド型」に対し、「自律分散型」という言葉が使われるが、言葉だけが普及していて、そのメリットデメリットや、導入の手順など、意外とわからないことが多いのでは。

【目的】「自律分散」を理解し、取り入れるべきなのか検証可能な状態にした後、導入・実施のための知見を集積する。

【データ収集・分析・仮説】事前もしくは当日参加者からのアンケート調査を受けて、「自律分散」についてどこに興味があり、どこに問題を感じているかを分析、仮説を立てる。

【考察・(結論)】参加者ワークショップの形式で、具体的な問いを立てて考察、場合によっては結論まで導くことで、「自律分散」を取り入れるべき現場への導入の足がかりとする。