2022年9月 第205回 赤テーマレポート:『ファシリテーションとは何か(井上義和他)』読書会の名を借りた語る会中部支部

1.実施日時 
 第1回 2022917()  8:00-  9:00
 第2回 2022922()21:00-22:00
 第3回 2022925()21:00-22:00

2.会場   オンラインZoom会議

3.担当者 ぐら、うわい、りょう

4.参加者数 
(全三回単純合計)
会員:65(担当(従業)者は含まず)
会員(従業者):9
一般・見学:11
合計:85

(内訳:初日朝)
会員:23(担当(従業)者は含まず)
会員(従業者):3
一般・見学:4
合計:30

(内訳:第二夜)
会員:20(担当(従業)者は含まず)
会員(従業者):3
一般・見学:3
合計:26

(内訳:最終夜)
会員:22(担当(従業)者は含まず)
会員(従業者):3
一般・見学:4
合計:29名

5.プログラム概要 
初日朝 917()8:00-9:00
 ・担当3人による書籍紹介ビブリオバトル
 ・ブレイクアウトルームで語る会
 ・全体ふりかえり

第二夜 922()21:00-22:00
 ・書籍内登場の上井靖さんを囲むトーク
 ・ブレイクアウトルームで語る会
 ・全体ふりかえり

③最終夜 9月25日(日)21:00-22:00
 ・3回分の参加者コメントまとめ発表
 ・ブレイクアウトルームで語る会
 ・全体ふりかえり

6.参加者コメント
初日朝
 ・参加者満足度4.215段階)@回答数24
良かった点(満足度5の方のみ)
 ・りょうさんの「ワークショップの中の感想がいや。」という言葉、自分を振り返る大きなものとなりました。
 ・時間通り・コンパクト 最高でした。
 ・難解な本であり、頭に何も残らなかったが3人の解説スライドで少し理解できた
 ・短い時間に、情報、体験がうまく入っていて、へー!!!がたくさんもらえた。そのうえ安心安全でうれしかった。(PC扱いが不慣れで大変不安であったので)
 ・しっかり準備されていると思いました。なんとなく読んだ気分になりました。
要改善点(満足度5以外の方のみ)
 ・付箋への書き方について説明が一言あれば、なおよいと思いました。
 ・初参加のおばさんには付箋の書込方法が???で、『考えて語り合う貴重な時間』を浪費してしまいました。
 ・今回、GOOGLEスライドが初めての方が何人かおり、使い方の説明で5分はかかってしまった。事前にスライドの使い方の説明があった方がブレイクアウトルームでは話せる時間を使えました。
 ・付箋を書いた後の交流の時間がほとんどなかったので、もう少し他の人の話を聞いてみたいと思いました。

 第二夜
 ・参加者満足度3.885段階)@回答数17
良かった点(満足度5の方のみ)
 ・短い時間で工夫があった、愛を感じた、物足りない人用に延長戦があってびっくりしたし、楽しかった。
 ・ファシリテーションを次世代につなげていくためのアイデアは、生活の身近にあると気づかされた。後は、第2部でみなさんの話が聞けたのが良かったです。
要改善点(満足度5以外の方のみ)
 ・この時間は眠くて頭が回りにくかったです。朝方の私には1回目のような企画は理想的でした。
 ・11時間半ぐらいでもいい
 ・1時間では、少し足りないかな?
 ・前半のお話が、分かりにくかったです。
 ・ファシテーションとは何か? の本とのつながりが見えなかった
 ・本から少し離れた感じがしたところが残念な感じがした

 最終夜
 ・参加者満足度3.895段階)@回答数19
良かった点(満足度5の方のみ)
 ・「まずは参加」というところからファシリに触れておりますが、初心者でも感じたことをそのまま話してもいい環境が心地良く、参加することが楽しいと感じています。
 ・"まずは参加できたこと。内容はほとんど理解できませんでしたが、ワクワクしました。
 ・ファシリテーションと呼ぶ範囲やどの部分が大切だと思っているのか?ここが違っていて面白かった
■要改善点(満足度2と3の方のみ)
 ・本の内容にもう少し寄り添ってほしかった(読書会っぽさが欲しかった)
 ・"参加者が多くて、話が抽象的(私にはそう感じました)になると、頭の中に浮かんでいることは当然バラバラで、グループワークを機能させる(化学反応を生む)ことは難しいなって思いました。
 ・今回の参加者はファシリテーションの実践経験はあまりない方が多いように思います。ブレイクアウトルームの使い方について2回目は丁寧な説明がありましたが、オンラインでの議論ですと場の中でファシリテーターを任命しないとけっこう厳しかったりします。正直今回3回ともブレイクアウトルームに行くの恐怖でした。そしてその中でしゃべるのも恐怖でした。安心安全な場にはなりにくいです。

7.定例会担当による ふりかえり
以下、チャレンジ要素を多く盛り込んだ企画だったが、未消化な部分も多く残った。
①新規会員獲得(特に若年層への訴求)
 →「読書会」という入り口や、「ファシリテーションとは何か」というベーシックな問いにより、新規会員の参加を期待したが、非会員参加は11名に留まった。
  SNSでのアピールなども行ったが、決定打は見つからず、広報面でも課題を残した。

②定例会参加者増(特に若手や主婦など多様な層への訴求)
 →オンラインで1時間という短い設定、日曜朝・平日夜・日曜夜という時間設定で、通常の土曜日午後いっぱいでは参加しづらい層への訴求を図った。
  参加者アンケートでは好評のコメントが多かったものの、集客力としては毎回30名に届くか届かないか、という程度で、課題を残した。

③オンラインで1時間開催、という制約(上記②に伴う)
 →参加者アンケートでは「1時間は参加しやすい」と好評コメントも多かったが、一方では「1時間半は必要では?」など情報量に対して未消化だったとの改善のご指摘も多く、情報を盛り込み過ぎた点に反省が残った。

④あらたなファシリテーション活用の広がりについての模索
 →FAJ自体が会員減少と高齢化を課題とする一方、未開拓のニーズや領域の存在も感じていることから、担当それぞれの「広がり期待」も共有した。
  筆者は「輸入モノだけではない、日本文化を機軸としたファシリテーション」、うわいさんやりょうさんは「教育分野でのファシリテーション活用の質的向上」がその骨組みだったが、その点では意気投合する面があり、以降1月赤テーマ『易経に学ぶファシリテーション』や、4月赤テーマ『日本史に学ぶファシリテーション』へのつながり含め共有した。ある程度の期待は残せたのではないかと思うが、それはその続く2回の集客と満足度により検証できるはずである。

⑤読書会という形式
 →初日のビブリオバトル(担当三者三様のブックレビュー)は好評だった。二日目、三日目は、その知見をさらに深めるべく、参加者との議論の内容を盛り込んだ再定義を図った。しかしながら、参加者にはそもそもの基礎知識や経験値、さらに参加日自体もバラツキがあり、一部から「情報未消化」「二日目から読書会っぽさから離れてしまった」との声が上がった点は反省。満足度も初日を頂点に下がった点がそれを示している。

⑥Googleスライド活用
 →全三回で変則時間設定でもあり、ブレイクアウトルームでのワークもあったため、参加者全員との全体情報共有にクラウドファイルを使用。「良いフォロー」など好評をいただいた一方、初日は「操作説明不足」とのご指摘も受けた。ぜひ今後も活用したいが、説明は丁寧に行うこと、その時間を確保することをきっちりやっていきたい。
(以上、文責担当ぐら)

◆チャレンジングな定例会となった。所要時間、開催時間帯、開催回数など、オンラインだからこそ可能となった。チャレンジングだからこそ、課題がより明確となった。(詳細は、ぐらさんによる上記の振り返りに記載)
ブリビオバトル1回だけでなく数回実施、定例会所要時間を90分間など、次回TRYできたらと思った。この機会にお声がけいただいたぐらさん、一緒に取り組んだりょうさん、参加していただいたみなさんに感謝申し上げます。
(うわい)

◆定例会を通して、読書会という新たな形をより探っていきたいという想いを持ちました。
今回、参加の対象を「本を読んでいる人読んでいない人どちらもOK」としましたが、ここは読書会をする上で最もキーとなる部分だと思います。参加ハードルを下げ多様な人が集まる良さがある一方、ビブリオバトルで話す内容やブレイクアウトルームで話す問いを考える際はいつもどこかで「これは読んでない人でも対話に参加できる内容か」を考えていたなと感じます。
だからこそビブリオバトルで「本の紹介」を話すのか、「発表者が読んで気づいたこと」を話すのかの議論が生まれ、参加者の声にもある「本の内容に寄り添った」や「抽象的」に繋がったのではないかと考えます。
もちろんどちらの方式が良い悪いではなく、読書会を考えるポジティブな課題だと思いました。色々試験的に取り組んでみたい点です。

いずれにせよ、読書会はまだまだ深める余地のある形式であり、探れば探るほど味の出るコンテンツだと思いました。

個人的には、社会でもファシリテーションという言葉がここまで広まり、「〇〇ファシリテーション」という多様な意味を持った今だからこそ、堀さんの『ファシリテーション入門』で読書会をしてみたいな〜、どうなるのかな〜と思っています。(読書会というよりも語る会のほうがしっくりきそうな気がしますが)

このような読書会に新たな可能性を感じるきっかけをいただいた小椋さん、上井さん、そして参加者の皆さんのお声に感謝感謝です。ありがとうございました。(りょう)