FAJ共催イベント 2013年度 OD Network Japan 年次大会中部支部

FAJ共催イベント
2013年度 OD Network Japan 年次大会 共催結果報告

2013.6.15
中部支部 鳥羽・林・北川
2013年5月18日(土)・19日(日)に開催されました標記イベントの報告をいたします。
1.概要
・日時:2013年5月18日(土)13:00〜18:00,及び5月19日(日)10:00〜16:30
・場所:南山大学名古屋キャンパスD棟(名古屋市昭和区)
・主催:OD Network Japan
(2013年度年次大会運営委員会にFAJ会員が3名参加:北川芳一・鳥羽秀人・林加代子 以上中部支部)
・参加者数:104名(ODNJ会員:34名、FAJ会員:29名,一般:26名,その他運営・協賛:15名)
・大会プログラムについてはこちらのWEBページをご参照
http://www.odnj.org/wp-content/uploads/2013ODNJ_Program.pdf
2.FAJ会員が関わったプログラム

(1)発表セッション5「FAJファシリテーション活用支援プログラム事例紹介」
・日時:5/19(日)10:00〜11:15
・場所:D33教室
・参加者数:約10名
・発表者:北川芳一・杉原廣二・百野あけみ(FAJ中部支部)
・座長:林加代子(FAJ中部支部)
【発表内容】
・愛知県地域包括支援センター管理職研修「ファシリテーション基礎技術の習得」
多様なメンバーが参加する会議において、課題の共有から合意形成までの議論の進め方についてファシリテーションを活用した方法を提案する研修を行った事例を紹介した。
ファシリテーションは会議の進め方の技術だけでなく、コミットできるプロセスによって導き出された結果はその結果を実現させる人々や組織を開発する、ひいては社会を開発していくことを目指した研修であった。

・討論型与論調査(Deliberative Poll)
ファシリテーション協会が、討論型世論調査に欠かせないファシリテーター(モデレーター)として関わった事例を紹介した。
討論型世論調査では、参加した一般の人々が当初は自らの立場を主張していたが、議論を重ねるうちにお互いの立場を理解し、自分の置かれた立場を客観的に見るようになる。
ここに、ファシリテーターは討論の内容に介入しない、極めて制限のあるルールで討論の場に存在する。ファシリテーターから見た議論の変化の様子を紹介した。
【担当者感想】
・地域包括支援センターの事例では、ワークショップ形式で進めることで参加者に定着することが予想できる。研修を行うだけでは、実際の会議でどれだけ実践できるのかは、研修参加者次第となる。後は参加者にお任せではなく、FAJとして関わっていくことができるとNPOとしての意義が確認できるのではないかと思った。
とはいうものの、まずは研修をして広め、理解してもらうことはそのための一歩であることも確認できた。

・討論型世論調査(DP)の事例では、通常行われるであろうファシリテーターの介入が制限されているという状況の下で、参加者が自ら討論し、意見を変容させていくのを間近で観察することができるのは興味深いと思った。このような討論の場があちらこちらにあると、社会全体が活性化し、開発されるのだと思った。
(2)運営委員会企画 対話型シンポジウム 「経営者が社員とともに育む組織風土」
・日時:5/19(日)13:15〜16:15
・場所:D51教室
・参加者数:約80名
・演者:瀧川克弘氏(未来工業株式会社社長),磯輪英之氏(株式会社ISOWA社長)
・ファシリテーター:鳥羽秀人(FAJ中部支部)
・グラフィッカー:林加代子・百野あけみ(FAJ中部支部)
【プログラム概要】
・組織開発の重要なテーマの一つである,組織風土の変革に焦点を当てた企画.
・モノづくりのメッカである東海地方で,社員を大切にし,社員が主体的に考える,活き活きとした組織風土づくりを実践されている経営者お二人のお話をきっかけとし,経営者が主導しながら社員とともに組織風土を育んでいく際のアプローチや留意点をともに考えることを通して,組織風土の変革について理解を深め,学ぶことを目的とする.
・プログラムの流れ
1.未来工業株式会社 瀧川社長による小講演(約60分)
2.株式会社ISOWA 磯輪社長による小講演(約60分)
3.小グループでの対話(感想シェアと二人への質問つくり)(約20分)
4.全体での対話(質問への回答を中心に)(約30分)
(グラフィック写真を別紙掲載)
グラフィックの写真はこちらをご覧ください
【担当者感想】
・当初,経営者お二人の話を導入として小グループと会場全体で対話をすることに重きを置いたプログラムを考えていたが,お二人の会社をご訪問し事前にお話を伺うにつれ,お二人の実践やその背景にある哲学をしっかりとお伝えすることが大事と考え,講演中心のプログラムに見直した.
その結果,対話の時間は短かったが,お二人の生の話しを聴くことができ,お二人の熱い想いが伝わってきた。短時間で申し訳なかったが,参加者は満足した様子だった.
・その後は,一般的な1対1の質疑応答ではなく,グループで話し合った結果生じた質問を俯瞰しながらお二人の考えを引き出すことを試みた結果,散漫な質疑応答に陥ることを避けることができた.
・とかく取り組まれている施策に目が行きがちであるが,テクニックや方法論を越えた「人」に対する信頼・愛情,ハートこそが組織風土変革の源泉であることが,お二人から強く感じることができた.
・パネルディスカッションとの違いは多少出せたとは思うが、進め方をもっと会場とゲストが関われる方法がないか、検討したかった。また、会場からの質問とグラフィックの関係性をもっと出したかった。これらは、今後の課題として工夫を続けたい。
・今後も短い時間でも満足感のある会場とのコラボに挑戦したい。
※以上の他,ODNJ会員として提供された以下プログラムの提供者がFAJ会員でもありました.お疲れ様でした.
・発表セッション4「社員の無限の可能性を信じ続けることの大切さ〜2年間のOD(組織開発)事例〜 発表者:高橋妙子さん(中部支部)
・発表セッション6「AIとポジティブ心理学 そして現場では・・・」
発表者:渡辺誠さん(東京支部)
3.実行委員参画者の感想

・「OD(組織開発)」という言葉自体まだまだ普及・理解されていない状況ではあるが,ファシリテーションと共通のベース・思想に基づくものであり,互いに交流,刺激しあえる場を設けられた.今後も様々な団体とのコラボを積極的にはかり,活動充実をはかっていきたい.
・中部のみならず全国から多数のFAJ会員が参加いただいたのは大変うれしい結果.(FAJとODNJ両方に加入されている方も数名いらっしゃった.)ODNJ,FAJともに同じ会費設定いただけたことに大いに感謝したい.
・FAJ以外の組織と共催では、運営にも拘わることができ、新たな発見や気づきがあった。他の組織との交流は新しい風を吹き込んでくれることを実感した。
有意義な気づきをいただいた機会となった。
ODNJの方々に感謝。
・組織開発にはファシリテーションのマインドとスキルが必要であり,既に実践し効果がでていることを知り、確認できる場でした。
以上