2022年1月~5月 第198回赤テーマレポート:〜姿の見えない「ヘダタリ」と「オキザリ」の中で、私たちファシリテーターは何をつなぎ、どんな化学反応が起こせそうか?〜中部支部

1.実施日時
第1回:2022年1月29日 (日) AM 9:30~11:30
第2回:2022年2月26日 (土) PM 13:00~15:00
第3回:2022年2月20日 (日) PM 15:00~17:00
第4回:2022年5月7日 (土) PM 13:00~15:00

2.会場:オンライン会議システム「Zoom」

3.担当者いけちゃん、うわーい、かねぴ、こめっと、みゅう、りょう

4.参加者数

会員:70名(担当(従業)者は含まず)
会員(従業者):21名
一般・見学:4名
合計:95名

【各回内訳】
第1回:21名〈18名、3名、0名〉
第2回:24名〈16名、6名、2名〉
第3回:30名〈23名、5名、2名〉
第4回:20名〈17名、3名、0名〉

5.プログラム概要

①定例会参加者が、インタビュー形式でインスピレーショントーカーの取り組みや社会課題に対する考え方を知る。

②参加者が、ブレイクアウトルームでインスピレーショントークから生まれた感想や質問を共有する。

③インスピレーショントーカーが参加者からの質問に答えることで、参加者が新たなインスピレーションを生成する。

※なお、今回の定例会は「分断」と「孤立」という逆境に新たな視点で取り組んでいらっしゃるFAJ以外の方をインスピレーショントーカーとしてお招きし、私たちファシリテーターのインスピレーションが生まれることをねらいとした。
(詳細はこちら:https://www.faj.or.jp/base/chubu/event/202212/

<告知文>


今回中部支部では、1&2月の定例会(赤テーマ)を普段とは違った形式での開催にチャレンジします!
普段と違った形式とは、
「ある1つの共通テーマを掲げ、1〜2月の間に全4回の赤テーマを開催する! 」というものです。

その共通テーマがこちら!
〜姿の見えない「ヘダタリ」と「オキザリ」の中で、私たちファシリテーターは何をつなぎ、どんな化学反応が起こせそうか?〜

コロナ禍で今まで以上に進んでしまった分断や孤立。この中には姿が見えにくくなり、社会から気づかれなくなっているものが数多く存在しているのではないでしょうか。
この状況の中で「私たちファシリテーターは何ができるのだろう?」と考えた結果、私たちは
「コロナ禍で今まで以上に社会が分断された中、その逆境に新たな視点で取り組んでいらっしゃるFAJ以外の方をインスピレーショントーカーにお招きし、インスピレーションをもらうことで私たちファシリテーターができることを考えたい! 」にたどり着きました。

そこで、今回は4名の「社会的課題の解決に取り組まれているスペシャリスト」をインスピレーショントーカーにお招きし、それぞれの実体験や経験、そのエピソードについて語っていただきます。そして、そこからインスピレーションを感じ、私たちファシリテーターが社会的課題を解決するためにできること、やるべきこと(何をつなぎ、どんな化学反応が起こせそうか)についてじっくり考えていきます。

今回の取り組みは、2021年6月のFAJのサミット宣言
「私たちファシリテーターは、オンラインの場と対面の場の持ち味を最大限に活かし、コロナ禍で浮き彫りになった分断と孤立の解消に力を注ぎます」にもつながって行くと確信しました。
ぜひ、人と人をつなぐ我々ファシリテーターも、社会的課題に立ち向かっているプロフェッショナルからインスピレーションを感じ合いませんか。

なお、今回は変則的な日程かつ各回2時間での開催となります。
全4回の開催ですが、各回1回完結型の定例会となっていますので、1回だけの参加でもお楽しみいただけます。
ぜひ、この貴重な機会をお見逃しなく! 皆様のご参加をお待ちしております。
(イベント詳細や申し込みはこちらをご覧ください→https://www.faj.or.jp/base/chubu/event/202212/index.html)
※Peatixの割引コードは、FAJのホームページ 及び Peatixの説明欄 に記載しております。


第1回 〜「農」と「食」で創る豊かで持続可能な循環〜
1月29日(土)9:30〜11:30
インスピレーショントーカー:佐宗知幸さん(愛知県新城市作手「佐宗農園」米農家・農業コンサルタント)
佐宗農園HP:https://sasoumai.jp/

第2回 〜人も街も動かす!巻き込み力〜
2月12日(土)9:30〜11:30
インスピレーショントーカー:水野孝一さん(公益財団法人にっぽんど真ん中祭り文化財団専務理事・にっぽんど真ん中祭り 創始者)
にっぽんど真ん中祭りHP:https://www.domatsuri.com/index.html


第3回 〜「助けて」と「助けたい」をつなぐ〜
2月20日(日)15:00〜17:00
インスピレーショントーカー:野田芳樹さん(臨済宗妙心寺派 林昌寺 副住職)
林昌寺HP:https://rinsyouyakushi.org/


第4回 〜ようこそ チャレンジドアーティスト集団! の世界へ〜
2月26日(土)13:00〜15:00
インスピレーショントーカー:村林真哉さん(NPO法人「希望の園」理事長
希望の園HP:
https://kibounosono.info/

https://www.diversity-in-the-arts.jp/stories/31404

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■日程と各回のインスピレーショントーカー
(各回1回完結型ですので、1回だけの参加申込も可能です)


6. 参加者コメント

〈一部抜粋〉
・全く、ファシリテーションと関係ない方とお話をしたことで、ファシリテーターとしてできることを改めて感じることができました。
・なくしてはじめてわかるものがある。コミュニケーション方法の多様さ(現場、オンライン)とメンバーの多様さ(様々な地域、年代、職業、立場)が集う場の大切さ、ありがたさ
・ストーリー「語り手」と進行ガイドが同じカメラ・マイクは参考になります
・想いを口にすると、つながりたい!人の役に立ちたい!何かしたい!と思う人たちに伝わっていく。そこにファシリテーションが介在していけると、よりつながりやすくなるのだなぁと思いました。
・想いは重い、このプロセスが聞けよかった。
・素晴らしいと思います。本日の内容と共に、深く共感しました。 ただ、「孤立」と「分断」はいささかネガティブかつ極端すぎるので、もう一つ中間的なポジティブなキーワードがあると、より共感を生めるのではないかと感じました。 例えば「巻き込み」「共感」「"引き出す"より"あふれ出す"場創り」など。
・「孤立」と「分断」を感じている話し手の言葉から、今、何が起こっているのかに集中し、その背景や事実を表に出していくために、ファシリテーターは場に何を問いかける事がベストなのか、考えていきたいな、と感じました。
・分断をつなぐのが、ファシリテーションなわけだが、想像力を高める必要がある。できることを粛々とやっていくという覚悟が必要である。といった点は、深い気づきでした。
・化学反応は起こそうと思うのではなく、お互いが共感した時に起きると思います。
・異なる集団でも、何らかの媒介物を通じてつながりをつくってみるのがよいのでは? 今回の場合、その媒介物がアートだったと思います。


7. 定例会担当によるふりかえり


今回は、FAJサミット大阪2020のサミット宣言「私たちファシリテーターは、オンラインの場と対面の場の持ち味を最大限に活かし、コロナ禍で浮き彫りになった分断と孤立の解消に力を注ぎます」に触発され、「分断」と「孤立」をキーワードに、私たちファシリテーターのアクションにつながるインスピレーションが生まれることをねらいとして定例会を行いました。今回の定例会の特徴としては、
・インスピレーショントーカーからファシリテーションの要請があったのではなく、私たちからインスピレーショントーカーの現場に赴き、そのフィールドとファシリテーションの相互作用を生むことを目指した。
・メインファシリテーターが現地に赴き、現地の雰囲気とともに中継を行った。
・現地と全国のオンライン参加者を繋ぎ、1回2時間の定例会として開催した。
・1つのテーマ(~姿の見えない「ヘダタリ」と「オキザリ」の中で、私たちファシリテーターは何をつなぎ、どんな化学反応が起こせそうか?~)を掲げ、3か月にわたって4回実施した。  また、インスピレーショントーカーは「社会的課題の解決に取り組まれているスペシャリスト」として、分野が全く異なる4名の方にお願いをしたり、
普段とは違う雰囲気の中で定例会を開催できました。
 参加者コメントにもあるように、分断と孤立の時代には何が必要なのか、インスピレーショントーカーの方のフィールドと、参加者のフィールドを掛け合わせたことで新たな知見を想像することができました。
 今回の活動により、参加者がこの社会課題に対してどう向き合っていくか、関わっていくかというインスピレーションの生成に取り組みました。また、「ファシリテーターがこの社会課題を直接解決するのではなく、課題的解決に取り組む方と一緒に社会課題を解決していく」などのファシリテーターの新たなフィールド進出へのマインドが生まれたと考えます。 サミット宣言から受けたインスピレは、「分断」と「孤立」をキーワードにした異分野と私たちファシリテーターの掛け合わせから生まれるインスピレーションの生成し、参加者の新たなファシリテーターとしてのフィールド開拓のきっかけづくりに貢献したと考えます。これからも社会に存在し続けるであろう分断と孤立に対し、我々ファシリテーターができることについて考える取り組みを実施してまいりたいと思います。