第101回:「フューチャーセッションで創るわたしたちの未来」中部支部

中部支部2013年9月定例会(青テーマ)報告書

◆日 時:2013年9月14日(土) 13:00〜17:30
◆場 所:名古屋港湾会館 第4会議室
◆参加者:35名
◆ゲスト:上井雄太(FAJ東京支部、株式会社フューチャーセッションズ)
◆担 当:上井 靖、北川 芳一、斉藤 俊哉 (FAJ中部支部)
◆テーマ:「フューチャーセッションで創る私たちの未来」〜ファシリテーションの未来を創発しよう〜

◆【担当者からのメッセージ】
今回は、FAJ会員でもあり、フューチャーセッションズに勤務されている上井雄太さんをゲストに、(1)未来志向で、(2)多様な参加者で、(3)対話を通して、私たち(私の現場やコミュニティーなど)のビジョンや未来を創り、その実現のためのシナリオを創り上げます。

フューチャーセッションでは、多様なステークホルダー(企業や団体が活動を行う上で関わるすべての人)を招き、一緒に未来を描くためのプロセスを提供します。意思決定や合意形成のための場ではなく、常に問いを開き続けることで、参加者自身が目的を創り出し、主体的に実行すること(=創意形成)を促します。 一つの組織では解決できない複雑な問題を、未来のステークホルダーと共に力を合わせ解決していく。これからのファシリテーターに求められる一つの手法として注目されています。  参照URL:https://www.ourfutures.net/stories/2

上井雄太さんは、東京での学生時代にFAJに入会、メーカー勤務の研修時代は出身地の名古屋で中部支部、配属先の広島では広島スクエアに所属 。1年前の中部支部イベントでフューチャーセンターに出会い、昨年末にHFC(広島フューチャーセンター)を立ち上げました。その後、今から4ヶ月前に一大決心してベンチャーのフューチャーセッションズに転職。現在、各地でのフューチャーセンターの立ち上げにもかかわっています。老若男女問わず、未来のステークホルダーとしてのみなさんに是非参加していただきたいと存じます。

◆当日のプログラム
13:00-13:45 チェックイン
・株式会社フューチャーセッションズの取り組みについて紹介
・フューチャーセッションについて紹介

13:45-14:15【STEP1】 ベースを共有し参加者の関係性を構築する
・4,5人のグループに分かれ、次の問いに対して対話し共有する。
FAJ会員:(1)ファシリテーションと出会ったきっかけは?(2)ファシリテーションと出会った後の変化は?
初参加の方:今回参加した理由は?

14:15-15:20【STEP2】 未来の可能性を発散する
・ 2018年にファシリテーターが活躍することで生み出されるワクワクする場面をチームで30個出し合う。その後厳選の3つを選ぶ。
・ 2018年に自分がどこで何をしているファシリテーターなのか?を一人一人がA4用紙に記入し、全員で見せ合いながら2023年に一緒に実現したいと思う4,5人のプロジェクトチームをつくります。

15:20-16:50【STEP3】 実現した未来を描く
・ 出来上がったプロジェクトチームで2023年に実現したい未来像を描きます。
-2023年にミッションを実現した社会はどのような社会ですか?
-2018年から2023年までのロードマップはどのようになりますか?
・ 各チーム発表

16:50-17:15 チェックアウト
・ 本日のふりかえり

◆ 当日のアウトプット
(1) チーム名:グローバルFネットワーク48
-2023年の社会:全国にFCネットワークができあがっている状態で、みんなが幸せになっている
-ロードマップ:2018年に結成されたプロジェクトメンバーがそれぞれの分野でFCを立ち上げた状態、その後大学やネットワークをつくる会社を中心にFCが拡大していった

(2) チーム名:ファシリテーション流総本山
-2023年の社会:新しい和の心を日本全土に普及させる、個性ある人材の育成支援やファシリテーション流に関わる幸せに繋がる和を広げていき、それが世界から認められ、ゆくゆくはバリ島で暮らせるくらい余裕が持てるオンリーワンの企業となっている状態
-ロードマップ:全国行脚し、ユニークな人たちを助けて行くことで、どんどん人が出会い増えていき、新しい会社ができる

(3) チーム名:KNI47県境なき医師団
-2023年の社会:患者さんに些細なことでも質問してもらうベストフレンドドクターが増え、予防医療が浸透していく
-ロードマップ:2018年にプロジェクトメンバーを募集する、そこから資金集め、場所集めを経て、2023年に全国ツアーを開始していく

(4) チーム名:フューチャースクール
-2023年の社会:大人と子供が共に学び育つめだかの学校を立ち上げることで、社会人も老人も学び合えるみんなの学校となり、そこが拠点となり行政や企業をコネクトする事業を実現していく社会
-ロードマップ:まずは地域の信頼を得て結束し、そこから行政特区の認定をもらう。その区域では、料理ファシリテーター、音楽ファシリテーターなどがどんどん輩出されていく。2023で新潟、名古屋で開講する予定。

(5) チーム名:ハッピーシェアリング
-2023年の社会:幸福な社会が実現(一人一人が足るをしる実現)することで多様な価値観を認め合う共生社会が実現している社会
-ロードマップ:地域デビュー支援するファシリテーターを大量に養成する。そしてそこから地域対話イベントを行い、企業の評価基準を変える。ファシリテーション的な議会が普及することで、投票率がupし、社会を変えられる真の地方分権が成立する。

(6) チーム名:すっきりサロンプロジェクト
-2023年の社会:日本の18-39歳の若者が自活してワクワクするハッピーになることを支えて行く。すっきりサロン、○○会館、カフェ、クラブ、キャバレー、祭り(若者が寄ってきそうな場で)、訪問のプロがいる場をつくることで実現していく社会。
-ロードマップ:2018に第一号のサロン設立。WHOから視察もくる、2020オリンピックでアスリートも協力、夢を与えるような場としていく。

(7) チーム名:Future Gardeners
-2023年の社会:豊かな庭(社会)をつくることで、幸せな人々を増やしていく。
その実現のための一連のプロセスをつくり、オープンな対話の場をつくる未来の庭師が増える。
-ロードマップ:9/14(本日)がファシリテーション記念日として国民の休日になるくらいファシリテーションの価値を普及していく。

(8) チーム名:働くってワクワクチーム
-2023年の社会:働く時間を堂々と言える、他人の目標を互いに共有する、残業0にすると称えられる、社内転職ができるような、ワクワク職場をつくることで活性化されている会社が増えている社会。
-ロードマップ:雑談の場から生まれる新しいアイデアをもっと適用していく。雑談の場は否定されない安心の場で、アイデアを膨らませてみることで、部門横断のチームができ、新しい活動が増やしていく。

◆ファシリテーターの振り返り
FAJのメンバーということもあり、対話の場に対する共通理解があったため、参加者全員で創り上げていく場が形成できたと思う。
テーマ自体も、あらゆる可能性を前提としたファシリテーターの未来像を自分たちで描き、実現していこうという非常にポジティブなものであったため、場にこもった熱量はとても高かったように思えた。
しかし、一方で一度きりのフューチャーセッションでは大きな変容を生むことはできないことも改めて理解してもらえたと思う。あくまで今回がきっかけで、実際に小さな一歩でも良いので行動を起こし、そこで得た気付きを基に再度テーマ設定し、フューチャーセッションを実施する。このプロセスを繰り返すことで、結果として社会イノベーションを引き起こせると思う。
その意味では、通常のフューチャーセッションではあまり実施しない"振り返り"はその日のセッションで得た気付き、学びを次回にどう生かしていくのか、そしてそれに向かったどのような一歩を踏み出すのか、を丁寧に内省し、共有する良いプロセスを実感できた。