第102回:話し合いの真っ只中,どう介入する?〜プロセスを見て,感じて,働きか ける〜中部支部

中部支部2013年10月定例会(赤テーマ)報告書

◆日 時:2013年10月19日(土) 13:00〜17:30
◆場 所:東桜会館 集会室
◆参加者:30名(28名+スタッフ2名)
◆担 当:鳥羽 秀人,村岡 千種(FAJ中部支部)
◆監 修:津村 俊充氏(南山大学人文学部心理人間学科教授・ファシリテーション研究ゼミ担当)
◆テーマ:話し合いの真っ只中、どう介入する? 〜プロセスを見て、感じて、働きかける〜
◆ねらい:「グループ・プロセス・コンサルテーション」の考え方をベースに、ファシリテーターとして、話し合いの場の質を高めるためにどのように介入していくのが効果的か? 学び・実践する。
◆心構え:「安心安全な場を作りましょう」「実験・練習の場と心得ましょう」

◆担当者からのメッセージ
ファシリテーターは場づくりが大事。目的を明確にして、アジェンダつくって、会場を整備して、準備は万端、話し合いの始まりだ! ところが、いざ始まると思うようにはいきません。
ヒートアップしたり、沈滞したり、誰かが変なことを口走ったり...
ファシリテーターとして、質の高い場を確保して、より良いアウトプットにつなげるために、どんな時に、どんな働きかけをしたらいいのでしょうか?
今回の赤テーマは、グループやチームの成長を促すための介入手法である「グループ・プロセス・コンサルテーション」の考え方をベースに、話し合いのプロセスの真っ只中で、どう介入するのがいいか、一緒に練習しながら考えるプログラムを提供したいと思います。


■当日の進行
1)本日のねらい・趣旨説明(10分)

2)アイスブレイク・自己紹介(15分)
・全員が外を向いた円になり、名札を背中に回す。
・名札にスタッフがアトランダムにグループを示す色シールを貼って行く。
・無言のまま同じ色のシールの人同士でグループをつくり、グループができたら合図をする。
・全グループが出来たら、名札を元の位置に戻し、答え合わせ。
・新しくできたグループ毎に自己紹介(今日呼ばれたい名前、今の気持ち、どうやってこのグループだと分かったのか?)を交えながら行う。

3)ミニ講義「グループ・プロセス・コンサルテーション(GPC)とは?」
・プロセスとは?
・タスクプロセスとメインテナンスプロセス。
・GPCの定義や進め方についての説明。
・タスクとメインテナンスプロセスへの介入の例示。

4)GPCデモンストレーション
・運営委員の協力のもと、「運営委員合宿」をテーマに、とばっちがファシリテーターとGPCをそれぞれ実演。
・各回のGPC役を決める(1セッション1〜2名)。

5)セッション1
【セッション】セッション10分、ふりかえり10分。
・メンバー:簡単な情報紙を用いたゲームを行う。
・GPC:メンバーに対してGPCとして働きかける(役割の分担などはグループに任せる)。
【ふりかえり】
・セッション1の中でGPCとしてやってみてどうだったか?どのような介入があったか?をふりかえりシートを用いながらふりかえる。
・全体ふりかえりで各グループの介入を共有。

6)セッション2
【セッション】セッション15分、ふりかえり15分。
・メンバー:情報紙を用いた問題解決実習を行う。
・GPC:メンバーに対してGPCとして働きかける(2名で行う場合はタスクとメインテナンスに分けて介入する)。
【ふりかえり】
・セッション1と同様にGPCとしてやってみてどうだったか?どのような介入があったか?をふりかえりシートを用いながらふりかえる。
さらに、他にもこのような介入があったのではないか?ということがあれば、互いに話しあう。
・全体ふりかえりで各グループの介入や他の介入のアイデアを共有。

7)セッション3
【セッション】話し合い20分
・メンバー:A「グループ活動にとってのGPCの意義は?」またはB「GPCとファシリテーション(ファシリテーター)の違い」のどちらかのテーマを選び、話し合い・まとめる。
・GPC:メンバーに対してGPCとして働きかける。
【プレゼン】
・各グループ毎で話し合ったことについて発表。
【ふりかえり】
・GPCとしてやってみてどうだったか?どのような介入があったか?どのような効果があったか?をふりかえりシートを用いながらふりかえる。
さらに、他にもこのような介入があったのではないか?ということがあれば、互いに話しあう。
・全体ふりかえりで各グループの介入や他の介入のアイデアを共有。

8)クロージング
・今日学んだことをどう応用するか?→会場より質問あり、とばっち返答クロージング。

担当者の感想
・今回の「心構え」として、「実験・練習の場」という提案がされていましたが、担当者にとってもチャレンジの場でした。
今回の定例会をきっかけに、新しいグループ分けの方法を試してみましたが、開始早々に参加者同士のサポーティブな働きかけがあり、こちらの予想以上に早くグループ分けができました。また、その時の場の雰囲気がとても暖かく、チャレンジしたかいがありました。
セッションの中で用いた問題解決実習もオリジナルを作ってみたのですが、GPCがどうやって介入しようと悩むくらい、実習に没頭して下さり、作者冥利につきました☆(GPCの練習の場としてはどうだったか、という検証が必要にはなりますが)
ありがとうございました。

・時々刻々と変わっていく話し合いの流れにファシリテーターとしてどう柔軟に対応していくか?
そのヒントとしてグループ・プロセス・コンサルテーションという概念を元に,話し合いのプロセスを
感じ取り働きかける練習を試みました。
ファシリテーションとGPCとの違いに困惑されるのではないかと.危惧しましたが,実際に体験する
なかから参加者それぞれが体感し,気づきを得られた様子であり,多くの参加者からプラスのフィードバックをいただけました。

・プログラム・デザイン及び資料の使用について,津村先生には高い見地からのアドバイス,サポートをいただくことができ,大変感謝しています。