第109回 2014年6月青テーマレポート:「冒険教育を体験してみよう! 〜建部彰一さんをお招きして〜」中部支部

「冒険教育を体験してみよう! 〜建部彰一さんをお招きして〜」
■日時: 2014年6月21日(土) 13:00〜17:30
■場所: 東生涯学習センター 第二集会室
■参加者: 26名 (会員24名 一般1名 ゲスト1名)
■担当者: 鳥羽 秀人、安達 洋 (FAJ中部支部)
■テーマ: 「冒険教育を体験してみよう! 〜建部彰一さんをお招きして〜」

■担当者からのメッセージ:
 冒険教育(プロジェクトアドベンチャー)は、チームのなかでの自分の感情や思考、行動の特徴に気づき、チームとの関わり方に気づいて、自分とチームを最高に活かすためにはどうしたらよいのかを色々な体験を通して学ぶものです。
冒険教育の手法を使い、多くのワークショップを開催されている建部彰一さん(くじらさん)をゲストにお迎えし、冒険教育を体感して、その学びをファシリテーションにどのように活かすのかをみんなで考えていきます。
みなさんと楽しくて深い体験をできたらと思っています。
ぜひご参加ください!

■当日の進行:
1.イントロダクション
ゲスト 建部彰一さん(くじらさん)の自己紹介
冒険教育の簡単な説明   【前提】フルバリュー コントラクト(すべてOK、受け入れますよ)、チャレンジ バイ チョイス(何に挑戦するか、どういうチャレンジをするのかは、あなたが決める)
参加者の自己紹介
・名前
・今、はまっているもの
・自分が過去体験した最大の冒険
・今日の定例会で、何が知りたい? 何が欲しいか?
全員で共有

2. 冒険教育ワークの体験
・ジャンケンワーク・・・通常のジャンケン、負けたもの勝ち、あいこが勝ちなどルールを変えて。
・全員輪になってのアクティビティワーク・・・いくつかのパターンで。
・鬼ごっこ 1対1から全員鬼ごっこまで・・・いくつかバリエーションで。
・ロープを張って気持ちを距離で表す。
Cゾーン(コンフォートゾーン:いつもやっている安心ゾーン)、チャレンジゾーン(やろうとする時、ドキドキしたり、勇気がいるゾーン)、パニックゾーン(そこまでいくと危険が伴うようなゾーン)のミニレクチャー
・王様取りゲーム・・・2つのチームに分かれて王様を取り合う。チームで戦略を作る。
・フープリレー・・・全員輪になってフラフープを移動させていく。タイムトライアル。

3.振り返り
・今日のワークを通じて、チームビルディングのプロセスの中で、各人感じたこと、気づいたことを全員で共有。

4.アンケート記入

■アンケート  (回答数 22名)
1.本日の満足度について 10段階で聞きました
・10・・・9名
・9・・・・5名
・8・・・・5名
・7・・・・2名
・5・・・・1名
評価理由
・楽しかった。
・チームビルディングの重要性を身をもって感じた。
・久々にハンドルされた気が全くしない場で、自らが学んだ気になったワークだった。
・頭だけでなくカラダで体験して学ぶことは感覚として残るので、次回持ち帰った後に使ってみるハードルが低くなる。
・楽しくできた。マイナス点は「ファシリテーション」という視点で考えると、もう少し突っ込んでも良かったかなと、物足りなさもあった。
・体で体験することにより、理解が深まりました。
・個々のワークの種明かしが少なかった。でも全体的に身になりました。
・普段やらないことをやるという、参加した目的が達成できた。
・いろんなことができて良かった。
・どういうことを狙って、これを今やっているのか、ファシリテーターの狙いを聞いてみたいものがあった。
・体力的に少しきつかった。
・様々な学び、体験ができた。
・チームビルディングの方向性を合わせるワークがあるともっと良かった。
・楽しく学ぶことができました。他のワークも体験したいです。
・チームビルディングにおける冒険教育を初めて学んだ(用語や内容は軽く知っていた)ここでの心の移り変わり、変化を感じることができ、冒険教育の効果をしっかり知ることができた。
・内容には完全に満足しています。ただ事前の案内にもう少しはっきり運動のできる服装、運動靴でという注意書きが欲しかったです。
・気づきがすばらしく多い定例会でした。定例会全体のファシリテーションもすばらしかったです。
・すべてが初めての経験で楽しく積極的に参加できました。
・楽しかった。ワクワク感が沸き起こるのを認識できた。場がどんどん良くなることが感じられた。
・アクティビティはとても楽しかったけど、迷惑をかけてしまった(体調不良など)があったので。
・とても楽しく、多くの学びがありました。
・ワークが新しい。一つ一つに深い考えがあること。
・楽しかったです、とにかく。笑顔がたくさん見られて、それが連鎖していく感じが一体感となっていて良かったです。

2.今回のワークを通して、あなたが得た気づき・学びはなんでしたか?
・体を動かすワーク、触れ合うワークで一体感、親近感がグッと強まることが分かりました。また前向きな言葉でさらなるやる気、チームワークが増したように思います。
・グループサイズの違いによる自分の責任の強さの度合い。
・声掛けなどさりげないリーダーシップが重要。
・コンフォートゾーンの人それぞれの違い。
・チャレンジワーク等、個人の"挑戦"に対する姿勢の多様性(チャレンジな人、保守的な傾向の人など)、そこへの働きかけも、人それぞれだということ。一つの正解があるわけでなく、いろんなパターンがあるということ。
・組織風土はリーダーの行動態度に影響するというが、メンバーの表情、声出し、手をつないでのコミュニケーションなど言葉以外での風土、チームに与える影響は大きいと改めて感じた。
・チーム内で起きているかもしれない意志疎通のズレをゲームを通して経験しました。また他人のペースや価値観を尊重することに気づけるワークを学びました。
・様々なメンバーがいて、メンバーに合うリズムがある。メンバーに合うリズムを見つけるのが大切。
・人数が変化すると同じことをやっても違う気づきがあった。
・ロープを使ったゲームは、違いが結構あって面白かった。
・手の甲に紙をおいて落としあうレクで、最後まで残ったがなんとなく居心地が悪かった。もう一方の助ける方は、なぜか大変楽しく他人の紙を落とすのではなく、助ける方ばかりやっていた。さらに助ける方が攻撃をされることもなく、何かのヒントなのかなと思いました。
・チームビルディングに必要な要素。
・チーム活動における自分の関わり方に気づきました。まず自分がうまくやること、失敗しないことだけを考えてしまう。もっと全体を見られるようにしたいと思いました。
・表面は合わせているが、内心のところはバラバラだなと。何とかしようとするほど、ファシリテーションは難しいのかもしれない。
・自分ができること、好きなことでも、他の人はできない、好きでないことがたくさんある。まわりの人に押し付けているところがあるので気を付けたいと思った。
・チーム活動において、まずは失敗しないことを最優先に考える思考が働くこと。失敗によってチームの足手まといになることを最も恐れる自分がいること。
・ワクワク感の必要性。
・思い込みを排するために謙虚にならなければ。
・初めてのことばかりだったので、ファシリテーションとはと気づくまでには至りませんでしたが、楽しかったことと、みんな違ってみんないいをもう一度感じられたことがうれしかったです。
・チームビルディングの前に、チームメンバーの個性を理解することの重要性。強み、弱みを計られつつも、楽しみながらお互いに理解できることで、評価ではなく特性調査的な感じでできることが良かったです。
・違いを明らかにする。チームが一つになる感覚。
・チームはどのようにできていくか。メンバーの能力、状態、気持ちは人それぞれ。
・自分のチームへの関わり方のクセのようなものを改めて気づきました。
・良かれと思ったことでも、余計なヒトコトになってしまったり、他のひとにはNeedsのないことになったりするんだなぁ。
・狭い室内でもこれだけのワークができることの可能性。
・手をつなぐことの安心感。
・素直にごめんなさいと言える雰囲気の作り方。

3.その気づきや学びを、今後ご自身のファシリテーションにどう活かしていきますか?
・私と違う他人の感情を推察しながら進めます。
・今回はありがとうございました。自分が、というよりもこの中の皆さんを知らない間に導いていく、くじらさんのファシリテーションはすごいなと思いました。
・他者への配慮があってはじめて仕事ができると思いました。
・ワクワク感をどうやって提供するか。この部分を具現化したい。
・ひとりひとりが「違う」ということはあっても、落ちこぼれるというのは存在しない。落ちこぼれは誰かが定めた基準によるものであって、そこからはずれることが決してその人自身の存在を否定することではないということを意識していきたい。
・ファシリテーションを実践して少しでも自分の身に付けるためにアウトプットしたい。地域の役に立つために自分のスキルアップをがんばりたい。
・チームの多様性を常に念頭にいれたファシリテーションを目指したい。そのためにチームが今どのような状態にあるのかを見きわめる観察を大事にする。
・多様な人々が集まる場で、個人を見つめるようにしていきたいと思います。同時に全体も見られるようにしたいと思います。
・実際に職場でやってみたいと思います。
・今回のヒントの答えを探していきたいです。
・少し離れたところから自分は見ていたので、どうすればさらに積極的に関わろうと思うようになるか、他人もそう持っていくのかを課題として持ち帰ろうかと思いました。
・アレンジして実際に取り入れてみる。
・仕事や私事の中でどう活かしていくか。この体験を参考にしながら考えてみる必要がある。
・子供向きに行いたいです。社内でも行いたいのですが、3人しかいないので難しいかな。
・うちの会社でもいつかこの冒険教育をやって最強のチームを作りたい。
・もっと良い案、アイデアがあるかも、ということを違う気持ちの人がいるかもしれないということを常に意識の隅に置いておこうと思います。
・みんなのコンフォートゾーンを意識して仕事も進めていきたい。
・まずはどれか1つを会社で実践してみます。ありがとうございました。
・運動会を運営するのでその時のミーティングにぜひ使用させていただきます。ありがとうございました。
・今日の気づき、学びをいつまでも意識していきます。また参加できればと思います。

担当者の感想
・ファシリテーターとして多様性を認めるということは、言葉としてはわかったつもりでいても、実際の話し合いの場で、きちんと意識していられるかどうか非常に難しいことです。
「みんな違って、みんないい。」 を頭ではなく、実際に体を動かして体験することで、より強く感じることができたのではと思います。
運営側からくじらさんにお願いしたことは、4時間という短い時間で、チームビルディングの醍醐味を感じるのは難しいので、「試してみよう!感じてみよう!考えてみよう!というようなノリで冒険教育を体感できる場になればいいですね」ということと、理論も冒険教育のベーシックな思想をお伝えいただければということでした。
そして、こんな取り組みをしている人たちもいるんだ、ファシリテーションの世界は奥が深いなあ、といった感覚を得てもらえないかなというようなゴールメージを持っていました。
アンケートの結果を見ても、楽しく学べたという反応が多く、ワークの冒頭、くじらさんがおっしゃった「楽しく学ばないと身につかないですよね」を体現できたように思います。

あと運営の具体的なことでは、一つは、人数と部屋のサイズに少しミスマッチがあったかなということ。
もう一つは、事前のアナウンスで、運動ができる服装でお越しいただくということをもう少し強く伝えておくべきだったと感じています。

  多くの気づき・学びを得るきっかけを作ってくれたくじらさんに、改めて感謝いたします。