第110回:「中国古典『易経』に学ぶファシリテーターマインド」〜竹村亞希子さんをお招きして〜中部支部

FAJ中部 7月定例会 赤テーマ 報告

◆テーマ:「中国古典『易経』に学ぶファシリテーターマインド」〜竹村亞希子さんをお招きして〜
◆日 時: 7月19日(土) 13:00〜17:30 (受付開始12:30)
◆場 所: 東桜会館 集会室
◆参加者:32名(会員28名、一般3名、ゲスト1名)
◆担 当:おぐら、うわい、まりーな (FAJ中部支部)
◆担当からのメッセージ:
ファシリテーターにとって、時に「スキル」以上に重要といわれる「マインド」。でも、「スキル」について学ぶ機会は多いけれど、「マインド」について学ぶ機会はなかなかありません。
なんとかならないだろうか?...さまざまな文献を当たった中、ふと開いた『超訳・易経 自分らしく生きるためのヒント(竹村亞希子著)』に、大きなヒントを見つけました。
中国最古の書と言われる『易経』には、難解なイメージがあります。が、この本ではそれが「超訳」の現代語でわかりやすく語られています。
そこにあるのは、逆境/順境、活発/鎮静など、さまざまな人生の節目を、四季の移り変わや、歴史の積み重ねにたとえ、どう心構えをし、どう対応していくべきかが語られる。。。そう!まさに「マインド」についての気づきの書でした。
歴史や人生の一場を凝縮したような「場創り」に取り組み、様々な局面に対応するファシリテーターにとって、『易経』の発想は大きなヒントになると思います。
今回は『易経』を題材に、ファシリテーションの「やり方」としてのスキルだけでなく、ファシリテーターとしての「あり方」としてのマインドについて、一緒に考え、自分自身の内面を振り返り、気づきを得るチャンスとしましょう。
ラッキーなことに、著者は名古屋在住ということで、今回の企画へのゲスト参加をご快諾いただきました。ということでゲストによる『易経プチ講座※』もあります。この奇跡の企画に、ぜひご参加ください!
(※占いの講座ではありません。「君子占わず」が基本です。深いですね。。。)

◆進行
○オープニング
テーマ説明と現状調査「親しい友達に易経/ファシリテーションを説明できますか?」
・易経だけ○ − 2名
・ファシリテーションだけ○ −21名
・両方○ − 7名(担当+話題提供者=4名含む)
・両方× − 2名
○アイスブレイク&チェックイン
「自分はこんなマインドを大事にしている/したい」
を各自A4紙に書いて、会場で見せ合いながらグループづくり→グループ内自己紹介
○グループワーク?テーマ「四季と時中」
→春/夏/秋/冬にふさわしいマインド(心構え/思わず出てしまう振る舞い)とは?
→春=アイスブレイク/夏=発散/秋=収束/冬=振り返りの4つのステップに例えた場合にふさわしいマインドとは?
○グループワーク?テーマ「変易・不易・易簡」
→ファシリテーターとして、どんな場面でも変わらないマインドとは?
○グループワーク?テーマ「陽の力/陰の力」
→マインド&スキル/陽の力&陰の力を4象限のマトリックスにまとめた時に浮かび上がる「陰の力のマインド」とは?
−いずれも、プチ講座→グループダイアログ→発表※→質疑の4step
※発表形式は、?と?はグループ巡回バザール方式、?は全体発表
○ふりかえり
「あなたの陰の強みは?」を含む感想を共有
全体で、参加者2名+担当+話題提供者がコメントを拾う

【参加者の感想】
・易経は深い!/確かに易経は素晴らしい。来てよかった。
・アッコさん(=話題提供者竹村さん)が素敵でしたー。ファンになりました。
・早速、アッコさんの本を買って読みます!/帰りに本買ったよー!
・滅多にない珍しい企画で有意義だった。またぜひ第二弾をやって欲しい。
・普段使わない脳みそをフル活用したので、疲れた(笑)。いい意味で。
・今回は水と油のような「中国古典『易経』に学ぶファシリテーターマインド」・・ファシリテーションと「易経」というテーマ・・でも参加して納得。言わば水を得た魚でした。講師の竹村亞希子さんをもとても知的で優しくおちゃめな方で話にどんどん引き込まれました。時流に流されずに時中を見抜く目を持つ訓練をしなければ・・とまた「やりたい」ことが増えました。終了後の交流会「泡の会」も面白かった。志を持った方との交流、得るものが大きくてとても勉強に何より元気になります。
・「易経とファシリテーション」をテーマにブログ連載を始めます!
・ゲストの竹村亞希子さんの立ち振舞いや話し方から気付きが幾つもありました。易経にもっと関心が湧き、自分の在り方を再考できた一日。
・いろんな言葉がアタマに残る。とくに「あなたの『陰(いん)』の強みは何ですか?」のフレーズ。「あなたの強みは何ですか?」という質問はこれまでたくさん受けたし、それに対するプレゼンもしてきた。これが「陰」となるとその強みを自分は持ち合わせているだろうか。そもそも、自分の中の陰のマインドって何だろうか。陰の力を持つ人は、陽の人より圧倒的にパワーを持っているだろうなぁ。この解釈間違ってるかな。「時中を観る」ってどういうトレーニングをしたら「無意識・可能」になるのかな。少なくともこの言葉を知ったことで「意識・不可能」か「意識・可能」にはなるんだけど、中することができる人って人としてスゴいよなぁ。ひとつ自分の中で確かになったのは、今は春夏秋冬のうちの「春」。閉ざされた冬の時代があったからいろんな種を撒き始められているということ。しばらく、「陰」と「変・化」をじっくり見つめてみようと思う。竹村先生の易経のお話は、近著を読んでいたこともあり、生の声で伺うとより深く考えさせられました。今回、非常に印象深い名古屋でした。「易は窮まれば変ず/変ずれば通ず/通ずれば久し」
・陰の力というのは、普段あまり考えたことがなく、カルチャーショックだった。いわゆる大人の対応、でしょうか。貴重な気付きをありがとうございました。
・陰の力とは、愛ですね!

【話題提供者(竹村亞希子さん=アッコさん)の感想】
・ファシリテーション、ワークショップって面白いですねー。楽しかった!
・最後に「?」が残るのは、とてもいいことです。そうでなければ、次の学びに続きません。その意味では、「?」を持ち帰れた方は、良かったですね。

【担当者の感想】
・人気の易経研究家とFAJのコラボ、というチャレンジングな企画だったが、出席者に恵まれ、豊富な掛け合いと笑いと悩みと気づきに満ちた、哲学カフェのように素敵な場が発現し、ファシリテーターとして貴重な経験ができた。ただし、担当としては、終盤に「?」のもやもや感を残したことに責任を感じている。(上述のように、その点は、話題提供者のアッコさんからフォローをいただいたが...)
やはりそれは、自分自身の易経に対する理解の中途半端さによるもので、ワーク?→?→?と難易度を上げ、深めて行く中で、アイスブレイクを兼ねた導入ネタ「桃太郎からワンピースにつながる身近な易経の教え」「陰の力を発揮した本田宗一郎」などは順調に笑いを取れたが(笑)、後半は理解度の高まった参加者から「中する」という、易経の中でも深すぎる概念に突入してしまい、それを己の未熟を顧みず解説を図ったことが、失敗につながった。(最終的には担当仲間のフォローに助けられたことには、心から感謝!)
易経の知識とともに、こういった危機をうまくこなせるファシリテーションスキルとマインドについて、もっと修行します。(おぐら)

・易経×ファシリテーションという、掛け合わせに着目されたおぐらさんの発想、そして、このテーマに共感していただいたあっこさん、まりなさんに多謝です!仮説をもって、ワークショップ挑戦することこそ、研究調査事業としての定例会のひとつの在り方だと実感しました。今後も○○×ファシリテーションをテーマに取り組みたいです。(うわい)

・易経という中国古典から、ファシリテーターの"マインド"という非常に重要なことについて考える機会に関われたことを嬉しく思います。今後も、スキルについて学ぶと同時に、マインドを大切にしながら現場で実践していたいと想っております。ありがとうございました。(まりーな)