第113回 緑テーマ:『問題解決に向けて対話を深めよう〜オランダの小学生のファシリテーション 事例を通して〜』中部支部

2014年10月 中部支部定例会 緑テーマ
テーマ:『問題解決に向けて対話を深めよう〜オランダの小学生のファシリテーション事例を通して〜』

◆日 時:2014年10月18日(土) 13:00〜17:30
◆場 所:東生涯学習センター 第2集会室
◆担 当:角谷裕司、上井靖、西野靖江(FAJ中部支部)
◆参加者:会員12名、一般2名

【担当者からのメッセージ】
数年、安心して本当の気持ちや考えを話せる場、ありのままの自分でいることが許される場をつくる「対話」が普及してきました。今の心地よい対話を「対話1.0」と名付けるならば、それを土台として、その先にある問題解決に寄与する対話は「対話2.0」と言えるでしょう。
この定例会では、オランダで実際に学校教育に導入されている「ピースフルスクールプログラム」をご紹介します。
小さな子どもたちが、対話を通じて、自分たちの対立の問題を、自分たちの手で解決している様子をご覧頂き、実際にプログラムの一部を体験して頂きます。
このプログラムには「対話2.0」の種が多く散りばめられています。その種を、参加者全員で摘み取りながら「対話2.0」について考えていきます。

※この企画は、FAJが協力している教育ジャンルの活動『未来教育会議』とは別の活動です。
※2014/6のシンポジウムでご紹介した「森のくまさん、全国定例会キャラバン企画」です。東京の次は、関西支部、沖縄サロンでの開催を予定しています。

【プログラム内容】
1.「対話2.0の考え方」「オランダの事例(ピースフルスクール)」の紹介
(1) 背景・経緯・担当の紹介、今日のゴール
(2) チェックイン「今、なぜ、自分はここにいるのか」
(3) ピースフルスクールの概要説明
(4) ピースフルスクール仲裁の様子動画映写
(5)仲裁の動画を見ての振り返り

2.ピースフルスクールプログラムから、ほんの一部のアクティビティを体験
(6) ピースフルスクールプログラム体験(1) 意見を持つ、言うワーク1
(7) ピースフルスクールプログラム体験(2) 感情を言葉にするワーク
(8) ピースフルスクールプログラム体験(3) けなし言葉をアドバイスに変えるワーク

3.対話の時間
(9) 意見を持つ、言うワーク2
(10) 対話2.0の説明
(11) 自分の価値観を内省する
(12) お互いの価値観を共有する
(13) チームで一番大切にしたい価値観を決める
(14) 各自で対話2.0のプロセスを振り返る
(15) チームで共有〜全体で共有
(16) アンケートを記入

4.全体ふりかえり
(16) 全体共有、全員が一言

【目標】
・子どものうちからファシリテーションを学ぶ方法があること(オランダの事例)を知る。
・問題解決のための対話は、癒やしの対話の他に何が必要かを知る。
・対話2.0の担い手になろうという思いが生まれている。

【参加者の声】
・オランダの取り組みはショックだった。国、地域、環境作りが大切。
・問題解決には、必要な専門家を集めること。このような合意形成の場面を見てみたい。未来があるコンテンツだと思った。
・胆の部分は、価値観のすり合わせ。
・価値観をすり合わせていく様な場面は、ファシリテーター任せではなく、参加者にもFの要素が必要だと思った。
・目的のレベルに戻れば、合意形成できる。
・価値観や感情の話をするときは、普通のタイムキープとはちがうコントロールが必要だと思った。場に任せるファシリテーターの度量も必要。

【担当者振り返り】
私はこの定例会に関わり、初めてピースフルスクールを知りました。9月の東京の定例会に参加し、ワークの中で見た仲裁動画のインパクトの大きさに驚き、関心を持ちました。参加者の皆さんも同様の感想を持たれた方が多かったようです。そこには、21世紀の多様で複雑、対立がある世界を生きる子ども達に必要なファシリテーションスキルを身に着けさせたいと考えたオランダの思想がありました。
期せずしてMFを努めることになりましたが、対話2.0と言う仮説を調査研究するプログラムの萌芽に参加できたことはとても嬉しく、多くの学びがありました。
グループワークでは、参加者の皆さんの話合いが中々終わらず、熱く語るシーンが多く見られました。このテーマには参加者を熱くする、現代の課題を含んでいるように感じました。(角谷)

参加者の期待、気づきなど、様々ですが、対話の可能性についてへの関心、期待がとても大きいことがわかりました。
私の価値観を出し合い、私たちの価値観を創出するためには、もっと時間が必要。
さらに、この最後のワークのプロセスの振り返りは必須と確信しました。
評価軸など、抽象的な言葉をもっとわかりやすい言葉にしていきたい。
今後、さらにブラッシュアップすることにより、対話2.0を確立出来ると信じています。(上井)

いろいろなブラッシュアップが必要ですが、あらためて、対話2.0の可能性と、それの元となるファシリテーションを学ぶ場としての、ピースフルスクールの重要性について考えを深めることができました。(西野)