第114回 青テーマ:HUG(避難所運営ゲーム)中部支部

第114回 FAJ中部 2014年12月定例会 青テーマ 報告

◆テーマ:HUG(避難所運営ゲーム)
◆日 時:12月20日(土) 13:00〜17:30 (受付開始12:30)
◆場 所:東生涯学習センター 第2集会室
◆参加者:16名
◆担 当:林加代子、松本英揮、徳山可之 (FAJ中部支部)
◆担当からのメッセージ:
12月の青テーマは、昨年好評だったHUGをバージョンアップさせています。 昨年の体験後、職場で、学校で、地域でアレンジしてきたコツや事例を集めました。
「HUG(避難所運営ゲーム)」は、自治体や防災組織で災害シミュレーションとして活用されており、避難所に次々と集まってくる人々や、そこで起こる課題について短時間で合意形成し、解決していくカードゲームです。 私たちの普段の話し合いの場とは違った意思決定のプロセスを体験し、コミュニケーションの取り方について話し合いませんか。
いざという時のために避難所運営を経験しておきたい方だけでなく、話し合いの活性化に興味のある方にもお勧めです。

◆進行
○オープニング
○趣旨説明
○進め方の説明
○避難所の様子を知る
○HUG(避難所運営ゲーム):体験
○HUG:多様性対応
○HUG:災害時の小学校、こんなことに配慮!
○HUG:限られた時間で合意形成体験
○HUG:体験
○ふりかえり

◆ふりかえりの抜粋
・ 実際にあったことや、あり得ることがカードに書いてあって、震災を経験したことがなくても、いろいろと考える事ができた。
・ 現実に起こったときのファシリテーターの無力さ(当日は情報が足りないので、合意形成と判断をする時間がない。事が起こる前に話し合いの機会をもつことで、価値観の共有をしておく。)
・ 短期で決定することが、ゲームでもすごいストレスを感じた。実際はもっと大変だと思った。事前にどれだけ、地域・会社・役所とシミュレーションをしておくか、が大切だと思う。
・ FAJの様々な定例会でのコンテンツについて、現場で「使える」「使えない」という話が出ることがあるが、今回は役に立った。震災について、ゼロの知識からかなり高まった。
・ HUGで防災が大切という意識が高まった。会社でやってみたら、普段の会議に比べて話し合いが活性化された。
・ 短時間で判断をすると、立場の高い人の意見が通ってしまう傾向があることを感じた。

◆担当者の感想
昨年に続いて2度目のHUGを行いました。昨年のアレンジは女性や持病のある人、高齢者、外国人などの地域に住む多様な人々への配慮と、普段からのコミュニケーションの必要性を感じていただけました。今回は職場でコミュニケーションの活性化に活用できないか、実際の舞台となる小学校での注意事項など、新たな発想や情報も盛り込んでパワーアップできました。たいへん参考になるとともに、普段から備えておくことがたくさんあるなぁと思いました。
また、ファシリテーターとしては、合意形成の時間をだんだん短くしていく、というステップを経た後の話し合いがスピードアップしたことが興味深い出来事でした。人間と思う心が減っていったという参加者のコメントも合わせると、どのくらいの時間が納得する合意に必要なのかを考えてみたいと思いました。
気づきの多いHUGとなりました。みなさんに感謝しています。(林)

昨年の定例会で初めてHUGを体験して、職場の防災教育だけでなく、コミュニケーションツールとしても使えると感じて、職場でも数回HUGを実施しました。
FAJでは職場と違い、一つ一つの事案について、じっくりと話し合いながら進められていました。合意形成を大事にするFAJならではと感じました。
また、今回の定例会では、カードを一定間隔で読み上げていき、短時間での意思決定を強制した場合に、話し合いの中身が変わるか、また合意形成はされるのかを試みました。
参加者の皆さんからは、短時間では意思決定が優先され合意形成は難しかったとのコメントがあり、やはり合意形成にはある程度の時間が必要だと再認識しました。
ただし、実際の避難所では運営スタッフの合意形成より、避難者の収容が優先されると思いますので、次回はファシリテーションで事前準備を考えるもプログラムに入れてみたいと思いました。
参加者の皆さん、多くの気付きと次回へのヒントを頂きました。本当にありがとうございました!(とく)

HUGは昨年に続いて2回目の体験を、担当者として行いました。前回は「多様性」について学んだことが大きかったのですが、避難所となる「学校」を勤務地としている私にとって、何か出来ないだろうかと思い、今回は立場を変えての参加となりました。学校の校舎は、普段は子どもたちが「学びの場」として過ごしています。ゆえに、震災が起これば、学習のための物であふれている状態から「避難所」を立ち上げなければならないのです。ワークの途中で、普段の学校の様子をスライドで紹介をさせていただきましたが、HUGを進める上で多少なりともリアリティを感じる一助になりましたら幸いです。近い将来、学校・子ども・保護者・地域住民が入り交じってHUGを体験できたらいいなと思っています。今回、単なる震災のシミュレーションではなく、多様な立場、世代の意見を生かす場を提供できるようなファシリテーションとしても、学ばせていただきました。ありがとうございました。(松本)