第118回 赤テーマ:「ファシリテーションプラクティスver3」中部支部

FAJ中部 2015年4月定例会 赤テーマ 報告

◆日 時:2015年4月18日(土) 13:00〜17:30
◆場 所:名古屋市東生涯学習センター 第二集会室
◆参加者:17名(会員17名、非会員0名)
◆担 当:鳥羽秀人、小久保久子、柴田朋浩(中部支部)
◆テーマ:ファシリテーションプラクティスver3

【担当者からのメッセージ】
ファシリテーションの本を読んだり、FAJの基礎講座や定例会に出て、いろいろとファシリテーションの体験をしても、職場の会議でいざファシリテーションをしてみると、上手くいかなかったなあと思うことはありませんか?
ファシリテーション力を身につけるにはやはり、リアルな場面での体験が必要と考えて始めたのが、このワークショップです。
今回も、職場でよくある会議におけるファシリテーションに焦点を当てて、ロールプレイをしたいと考えています。 今回は前回までと違い、リレー形式で会議を進め、最終には会議の成果を出していただこうと思っています。 最初に思い描いた、アウトプットは出せるでしょうか?
ロールプレイ、振り返りを通して実践で使えるファシリテーションのこつを一緒に探していきませんか。

【ねらい】
実際にファシリテーターとして会議をファシリテートして、会社での会議の準備に必要なこと・ものがイメージできるようにする。

【プロセス】
1. オープニング
今日の進め方、グランドルール、などを説明。
2. アイスブレイク
「ひとときの対話」でメンバー個々人の情報共有とこの場にいる目的を共有。
3. ワークの説明と役決め、役作り
ワークの進め方を参加者全員で共有。
「コンピューターシステムの受託開発D社の社内会議」のケースを読み込み、メンバーがそれぞれ自分のやりたい役とワーク1~3のファシリテーターを選択する。ケースについての質疑応答を実施。 メンバーとは別に各グループに観察者を置き振り返りのファシリテーションを担当。
4. ワーク1
ファシリテーターの作戦タイム5分、議論(ロールプレイ)25分、振り返り方の説明5分、振り返り15分
5. ワーク2
ワーク1の続きで、ファシリテーターが交代しロールプレイする。
ファシリテーターの作戦タイム5分、議論(ロールプレイ)20分、振り返り15分
6. ワーク3
ファシリテーターの作戦タイム5分、議論(ロールプレイ)20分、振り返り15分
7. 定例会担当からのレクチャー
「会議ファシリテーションの全体像」「仕込みの全体像」「さばきの基本動作」について説明する。
8. ワーク全体の振り返り
ワーク1~3を「仕込み」と「さばき」に分けて、各グループで振り返る。
9. 今日の定例会の振り返り
中部支部運営スタッフに交代し、定例会自体の振り返りを実施する。

【参加者の感想】
・ 観察者を設けたことがよかった。今回のアクションプランまで出すというプログラムは、理解が進んだ。
・ 言い方、促し方で議論の方向や中身が変化していく現象が面白かった。
・ 議題が現実的で、実際にすぐに活用できそうで良かったです。
・ ロープレの設定がもっとあるとやりやすかったと思います。

【担当者の感想】
・ 三回目となる今回は、ワーク1~3までが続きの会議設定に挑戦しました。設定自体は良かったのですが、変更に伴うその他の部分の磨き込みが不十分で、参加者に持ち帰っていただきたいことがぼやけた感がありました。ロールプレイは、その役や状況の設定が細かすぎても粗すぎてもうまくいかないので、何度も修正しながら、完成度を上げていきたい。
プログラム自体やレクチャーに対しての評判は良かったので、今後は参加者の方の学びが最大となるようにさらにプログラムを洗練させていきたい。(柴田)

・ ロールプレイで狙った通りに対立が発生し、論点がかみ合わずにゴールへの道筋が見えなくなるリアル感のある状況が発生しました。上手くファシリテートできなかったことで、最後のレクチャーがより印象に残ったようなので、構成としては良かったと思います。ただ、できれば、"できなかった"で終わるのではなく、"こうすればできる"、"これなら上手くやれそう"も経験して欲しい。であれば、いつもの自分のパターン以外でファシリテートすることにトライしてもらえるような働きかけを追加すべきでした。例えば、今回は作戦タイムの時間の使い方をファシリテーターに任せましたが、ファシリテーター以外のメンバーが持っている知識やノウハウを引き出すために、個々に作戦を考えさせ、その提案を見て、どう進めるかをファシリテーターに決めさせる。あるいは、仕込み、さばきの具体的なノウハウ等も準備しておいて、発生した事態に応じて、こんな方法もあるというような紹介するなど。いろいろ工夫して洗練させ、より学びの深まるプログラムにしていけたらいいと思いました。(小久保)

・ グループで話し合ってふりかえりをする、というオーソドックスなワークショップのパターンであるが、このワークはロールプレイでいかに実践に近づけるか?がキー。十分な準備時間がないながらも、IT業界での「ありがちなケース」を共有してロールプレイにする過程が楽しかった。
当日はコンテンツに左右されて、ファシリテーションそのものを深めることがおろそかになってしまうのではないか?と危惧していた。しかしながら、参加者の意識・レベルも高いこともあり、ふりかえりにおいてもファシリテーションのあり方が話し合われたので、参加者皆でつくりあげる感覚を得ることができた。
ただし、「ねらい」の設定と「ふりかえり」の問いかけ、レクチャーの位置づけなど、十分にこなれていたかというと課題はあるととらえている。複数担当者でプログラムのパートを分担する際に陥りがちなことなので、担当者間で「ねらい」をしっかり話し合い、腹に落として分担することが重要だと気づいた。(鳥羽)