第119回 青テーマ:ファシリテーション入門 「たんぽぽワークショップ」 〜綿毛のように広がり、どこでも芽吹くファシリテーションのちから〜中部支部

第119回 FAJ中部 2015年5月定例会 青テーマ 報告

◆ 日時:2015年5月16日(土) 13:00〜17:30
◆ 場所:名古屋市東生涯学習センター 第二集会室
◆ 参加者:18名(会員13名、非会員5名)
◆ 担当:角谷裕司(すみやん)、安達洋(アダチ) (中部支部)
◆ テーマ:ファシリテーション入門 「たんぽぽワークショップ」 〜綿毛のように広がり、どこでも芽吹くファシリテーションのちから〜

【担当者からのメッセージ】 (開催前)
「たんぽぽワークショップ」は、チームたんぽぽ(東京支部の会員有志)が創ったファシリテーションの入門編ワークショップです。
「ファシリテーションってどんなもの?」という初心者の方を対象に、体験と解説を通して「話し合いを進めるためのヒント」を見つけるワークショップです。
当日は、話し合いのワーク、体験したことをしっかり振り返るワークを中心に、ミニ解説を織りまぜながら進めてゆきます。
この「たんぽぽワークショップ」に参加すると、初心者の方は、ファシリテーションって良さそう、面白そうと感じて、もっと知りたくなるでしょう。
中級以上の方は、ファシリテーションに触れたころの初心を思い出し、ご自分の現場にどんどん使ってみたくなるかもしれません。
「ファシリテーションとFAJの場での気づき」の種が、たんぽぽの綿毛のように、風に乗って高く・遠くへ・たくさん飛んでいって、新しい場所で広く芽吹くことを願っています。是非とも、奮ってご参加ください。

【プログラム】
(前半たんぽぽMF:すみやん)
・はじめに
・ペンの持ち方、ポストイットの使い方
・ペアインタビュー
・他己紹介
・たんぽぽの種シート記入
・ちょこっと解説
・話し合いのお約束の説明
・話し合い(1)
「ふだんの話し合いの場でどんなことが起きていますか?」「話合いの場面でのあるあるをたくさん出してみましょう」
・たんぽぽの種シート記入
・話し合い(2)
(一つに絞ったテーマついて)「どうしてそんなことが起こっているのでしょうか?背景や理由を考えてみましょう」
・話し合い(3)
(今出した背景や理由をもとに)「どうしたら、解決するのかたくさん解決案をだしてみましょう」。もし良いことであれば、「もっとよくするには、あるいはいいことを増やすには どうしたらよいかを考えましょう」
・たんぽぽの種シート記入
・意図開き WSで使用したファシリテーションのスキルを知ってもらう

(後半MF:アダチ)
・後半ワーク説明 たんぽぽを体験して、そのノウハウを使って模擬会議をやってみませんか?
・模擬会議 テーマ決め → 作戦会議 → 話し合い
・話し合ってみた振り返り
・全体共有
・FAJの歩き方(FAJのHP等の説明)
・たんぽぽ全体の振り返り

【アンケート回答】
●ファシリテーションに興味をもったきっかけ、この定例会に参加した動機はなんですか?
・自分のスキルを上げたいと思った。
・月刊ボランティア情報で福岡の加留部先生が書いてみえたので興味を持ちました。
・会社内での勉強会でFAJのことを知り、より広く勉強したいと思い参加しました。
・知り合いから勧められたため
・友人の紹介
・高校での生徒会活動を通して行事運営に魅力を感じたこと。
・友人から興味がないかと誘われたこと。
・初心者の方にどう伝えるかが知りたい。
・初心にかえってもう一度学びたかったから。
・まわりの人たちにFを広めていく方法を学びたかったから。
・Fの基礎を知りたかったため。
・仕事上ファシリテーターを務める必要があったから。2月の定例会でたんぽぽワークを希望したから。
・知識としてファシリテーションを知ってはいるが、普段実践する機会がなかったり、なかなかうまくやれずにいるので基礎的な部分から学び直したいというのが動機です。
・ファシリテーション力を高める。
・社内でファシリテーション伝えたい。(そのための研修デザインを勉強したい)
・仕事で顧客企業の問題の相談をうけたり、自職場もですが、意思疎通や価値観あわずでコンフリクト(対立)を生んでいる場面があり、改めて必要性を感じたこと、8月に自分のセミナーあるので参考にするため。
・定例会に参加した人の紹介。

●「ファシリテーションっておもしろそう」「使ってみたい」と思えましたか?
・せっかくその場に人が集まる意味を最大に活かすため、積極的に活用してみたいと思いました。
・自己紹介やファシリテーターの知識は使っていきたいです。
・使っています。
・とにかく会社、社会、人の流れがスムーズになりそうで、これからのストックからフロー、シェアの時代にすごく必要だと思います。
・思えた。今回は会議だけだったが、集団をスムーズに動かす技術というのは必要だと思う。
・このプログラムではそう思えなかった。
・思えました。
・おもしろそう!って思いました。
・実践、練習中です。
・「見える化」の効用について、改めて体感できたので、ぜひ職場でも実践したいと思います。
・はい
・このツールというか、実施する際の着眼点や進行の仕方はそう思えました。
・ファシリテーションがどういったものか分からなかったので、今日知ることができ、ぜひ使ってもらいたいと思いました。

●ご自身の仕事や活動に活かせそうなことはありましたか?
1.かなりあった   2.すこしあった  3.あまりなかった 4.ほとんどなかった

★その理由や内容をご記入下さい
1. 10 76.9%、  2.  2 15.3%、   3. 1 7.6%、  4. 0

・自分の目から見えていることを広い視点で考え直すきっかけができた。
・会議、議事に主体的に参加しようとする雰囲気作りが大切だと思いました。
・会議や話し合いの場が多くあるので活かせていけそうです。
・会議や打ち合わせが多いので使えると感じました。
・この人の話長いなあとか、この人の言い方やだなと思うだけで、具体的な解決策がありませんでしたが、何となく糸口が見つかったような気がします。共有、寄り添ってこちらの意見を言ってみる。etc
・意見の見える化をすることで共有しやすくなると思った。また、アイスブレイクも時間があるならばやったほうがいいと感じた。
・無理なくFについて感じ、学ぶことができること。
・見える化(グラフィック)を今、実践中です。
・一つ一つの「トレーニング」が勉強になった。
・ファシリテーターについてもその役割を他の人に伝えたい。
・模造紙を半分ずつ使う方法や、「紙ポ」方式は使ってみたいと思いました。
・次の社内研修を考えるうえで、いくつかのアイデアを得ることができました。
・基本的にすでに実践している内容ではあった。
・意見を出しやすくするためにグループサイズを変えるという発想が今までになかったです。


●わかりにくかった点、気になった点はどこでしたか?
・役割(ファシリテーター)の選出方法
・ファシリテーターとしての進め方例のようなものがあれば、よりわかりやすかったのかと思います。
・タイムキーパーとしての役割について。会議にどう関わっていけばよいのか。
・特にありませんでした。
・タイムキーパー。時間が短くて区切りが難しかった。
・どうやってグループ分けしているの。
・磁石が足りなくなった時の対応、想定しておいてほしかった。(紙ポを磁石で壁に貼っていたので)
・結局何が伝えたいのかがわからなかった。
・説明でもありましたが「たんぽぽワーク」の中では「ファシリテーター」はどうすればいいのか、まで出てこないこと。
・「たんぽぽ」の基礎的なワークショップというところから、次のステップに進むにはどうしたらよいか、道しるべ的なアドバイス(orワークショップ)があれば良いと思います。
・ありません。
・ファシリテーターの在り方、スキルについては、このワークではあまりわからない。(「ファシリテーションとは何か」ということはよくカバーしている)
・時間の問題かと思いますが、説明がどんどん先に進んでしまい、消化不良であったり、ワーク自体がスムーズに始められませんでした。

【担当者振り返り】
今回の中部の「たんぽぽワークショップ」は、新会員の方からのリクエストと、中部定例会で2トラックのもう一方との関係から、「たんぽぽワークショップ」がこのコマに適している、との運営委員会の話合いで開催することになりました。
メインファシリテーター(MF)をさせていただくのは2回目でしたが、シナリオと紙ポを見直すと、前回少々自分の中で曖昧だった繋がりが分かってきて、紙ポを足したり引いたり、個人リハーサルでの気づきを得て本番に臨みました。
しかし、本番では途中で一つ重要な項目を忘れてしまい、暫くして気づいたのですが、すぐの修正が難しく感じてそのまま続行し、意図開きでそのことを述べました。参加者からその時点での違和感が解消されたと言われ、何とかリカバリー成功かと安堵しました。
当日の振り返りの時間や、アンケートから頂いたフィードバックから、「たんぽぽワークショップ」の活用の仕方が、また一つ分かった気がしています。
一例として、自ら次のMFになって、ご自身のフィールドで開催したいと言う方がいらしたことで、とても嬉しく思いました。また学びの時間が得られたこと、参加者の皆さんと、たんぽぽワークショップを考案された東京たんぽぽチームの皆さんにお礼申し上げます。どうもありがとうございました。(すみやん)

今回、たんぽぽワークショップのあとの時間のファシリテーターをやらせていただきました。実は以前も同じようにたんぽぽのあとワークをしたのですが、その際は「たんぽぽワークで気づいたこと、自分の場でどのように活かしますか?」という問いを立てて話し合いました。それはそれでよかったのですが、今回はたんぽぽワークで得た学び・気づきを活かして模擬会議をやってもらいました。
話し合いの前に作戦会議の時間で、お約束や役割を決めていただき、見える化しながら話し合った時に、今まで上手くいっていなかった場面と違いが出るのかを考えてもらいました。
ワークの組み立てとしてどちらもメリット・デメリットがあり、たんぽぽでの気づきを自分の場でどう活かすかにフォーカスすると、自分ごとになりやすく、行動変容、コミットメントにつながりやすいですが、それぞれのメンバーで背景が違うので、共感度は低いかもしれません。
その点同じテーマで模擬会議をやってもらうと、共有、共感を感じやすく、話し合いのプロセスを見やすくなるのではないかと感じました。(アダチ)