第17回:2006年3月18日 プロセス・マッピングとファシリテーション−プロセスを可視化してプロセス全体の問題点をみんなで一緒に考えてみよう−中部支部

第17回中部支部定例会 議事録

■ 日時:2006年3月18日(土)13:00〜17:30
■ 場所:東桜会館 第一会議室
■ 参加者:18名
■ 担当者:川上
■ テーマ:「プロセス・マッピングとファシリテーション」
−プロセスを可視化してプロセス全体の問題点をみんなで一緒に考えてみよう−

【今回のねらい】
・普通、あるプロセスの中で何かのオペレーション(活動や実行すること)を行っているが、実際には多くのプレーヤーが同一のプロセスの一部分を担って混在し、かつプロセス自体が複雑な場合が多いため誰もプロセス全体が見えていない。
・そのため、プロセス上のプレーヤーが集まってプロセスを全体俯瞰しながら次の手順で、全員で話し合いながら問題点を可視化することで、部分最適になっているプロセスを全体最適にしていくための手がかりをつかむことができる。
(1)各プレーヤーが自分の所属するプロセスを意識しながら、全体プロセスを全員で確かめながら描いてプロセスマップを作成する。
(2)描いたプロセス全体を見渡して発見できる問題点、自分が普段から認識している問題点を全員で話し合いながらプロセス上に貼り付けていく。
(3)あるべき姿を設定してGAP分析から問題点を付け加えていく。
・この全員で行う作業にファシリテーションを使って話し合いを進めていく。
・プロセス全体について話し合う場合に、プロセスマップを使うことでプロセスのつながりが理解しやすくなることを体験してもらう。

【グループ分け】
・5〜6名の5グループをつくる。
・自己紹介
【説明:導入】
(1)プロセス・マッピングの説明
・プロセスマップは何らかのモノの流れ、業務の流れ、考え方の流れなどをプロセスのつながりとして図に表したもの
・単なるフロー図だけでなく、物事の本質を単純化し「付加価値」がプロセス上でどういう風に伝搬されていくのかという視点で可視化(視覚化)したもの
・プロセス上に参加しているプレーヤー間の全体最適なしくみを構築することで、無駄のない全体プロセスとすることが可能である。
(2)企業における具体的なプロセスマップの活用方法事例紹介

【ワーク(1)】
・会議開催のプロセスを事例にプロセスマップを描いて、会議全体が効率的に進むために必要な事項(問題点)を話し合う
・普通はターゲットを決めてそのプロセス上の問題点が何か考えてみるが、今回は、どういう会議かをグループで想定し、普段の会議開催を想像してあげられる問題点、もしくは会議を円滑に進める要件は何かという視点で考えてみる。
・会議のプロセスは、I.会議の依頼/準備、II.会議の実施、III.受諾/結果報告という実施プロセスの基本的な要素のつながりと、IV計画(各実施プロセス要素の計画、および全体計画)という計画プロセスの基本的な要素のつながりで実施されるとして、依頼元(会議の主催者)、会議開催事務局、依頼先というプレーヤー間でのプロセスマップで考えてみる。

【グループ発表(1)】
・抽出された問題点を各グループで発表(この段階では問題点の分類はされていない)
【説明:プロセスの可視化で分かること】
・例えば、(1)全体計画がないと、各プレーヤーのまとまりがない目的が不明確で連絡調整が不十分な会議となる。(2)前プロセスの情報なしに実施計画を立てると意図が正確に伝わらない。(3)メンバーが多いとスケジュール調整が煩雑となる。といったことがわかる。
【説明:プロセスにおけるイネーブラー】
・イネーブラー(Enabler)は各要素のつながりの関係を示したもので、ある環境変化があっても、柔軟にすばやく追随することが可能なしくみ、ルール、システムなどを示す。
・イネーブラーの中でも全体計画のイネーブラーは特に重要で(1)プロセス全体の要件の特定、(2)リソースの特定、および(1)と(2)の整合が図られて計画が確立する。
・会議の全体計画のイネーブラーは、要件の特定に対しては「会議要件と実施内容の整合性」や、「必要なバックデータ」、リソースの特定に関しては「参加メンバーデータ:知識や経験など」、「拘束時間、予算、必要能力」、「会場設定、移動手段」、「遵守法令、規則」、二つの整合に関しては、「会議のミッション」、「会議内容の品質の評価」、「検討資料の作成と保管」が考えられる。
【ワーク(2)】
・各グループのファシリテーター役に全体計画のイネーブラーを説明し、抽出された問題点の整理と不足分を補う。
【グループ発表(2)】
【まとめと本日の振り返り】

※担当者コメント※
今回はプログラムの構成が悪くて皆さん分かりにくかったようでした。先ず型を押し付けてしまったのと、冒頭説明の具体的事例としてSCMをあげてしまったことで先入観ができてしまったのが失敗でした。もっと全体プロセスを全員で確かめながら描いてプロセスマップを作成することを楽しみ(または苦しみ)、そこから気づきを得た後にこんな考え方もあるのだということでイネーブラーを説明したらよかったかもしれません。私の求めるのは左脳系と右脳系のバランスをとることで、できたら一年後再トライしてみたいと思います。
以上