第122回赤テーマ 南山コラボリターンズ−体験学習プロセスで成長の実感をつかもう!中部支部

第122回FAJ中部 2015年8月定例会 報告

◆テーマ:南山コラボリターンズ−体験学習プロセスで成長の実感をつかもう!
◆日 時:2015年8月15日(土) 13:00〜17:30
◆場 所:東桜会館 第2会議室
◆参加者:会員28、非会員6名=計34名(初参加7名)
◆担 当:(以下敬称略:※は当日欠席)
おぐら、とばっち、つんつん、ひとろん、みーこ、ひなぴん、わかこ※、やなせ※(以上FAJ会員)、たくし、ともき、こうだい※(以上、南山大学心理人間学科学生有志)

◆担当からのメッセージ:
今年のお盆は、あの中部支部名物"FAJ&南山コラボ"が帰ってきます!
前回学生だったメンバーの多くも社会人となり、ご指導いただいた南山大学津村先生も会員の「つんつん」と立場を変え、新メンバーも加わり、チームも大幅にパワーアップです♪
さて、今回のテーマは、「体験学習から得られる成長とは?」。。。
あなたが、ファシリテーターとして目指したいものは何ですか?

"タスク達成"?
いえいえ、それだけじゃあ、足りませんよね。ある意味もっと重要な、、、 

そう、、、"成長"!
目先のタスク達成、だけじゃない未来への成長の果実も、ぜひ、しっかりと味わっていきましょう。

 これは、暑さに負けず、ファシリテーションの社会的普及という意義ある活動に貢献したい、という"確乎不抜の志"を抱いたメンバーが、議論を重ねた企画です。

【内容】
1.社会人ひとろんの、社会人でも使えるアイスブレイク♪
2.現役大学生によるグループワークショップ−「仕事観をグループで話し合おう!」
3.体験学習の考え方に基づいた、ワークショップの"丁寧な"ふりかえり
4.フレームワークを活用した、以上全体のふりかえり
以上、体験学習の考え方をベースに、実践ファシリテーターに必携の「ORID」のステップを丁寧にたどりつつ、みなで力を合わせ、それぞれの成長を味わいつくしたいと考えています。

以上、帰ってきた"FAJ&南山大コラボ"を、どうぞお楽しみに!
お盆でご多用とは存じますが、何とかお時間をつくって、ぜひご参加ください♪
メンバー一同、皆さんと楽しく話し合いができるのを、心よりお待ちしてま〜す(^^) 。

◆進行
基本的に、上記【内容】どおりに進行。以下は補足。

1.アイスブレイク
「終了後に飲みたい飲み物の絵」を描き、似た者同士、逆に違う者同士など、たくさんの人と顔合わせをしながらグルーピング。そして最後に「乾杯♪」し、笑顔になって着席。

2.ワークショップ
グループ毎30分間で、6問の合意形成を図る。カードめくり方式で、「何問行けるか頑張ろう!」。第一問目は担当が漫才デモをし、安易な妥協はしないなど、モデルとなる進行方法を紹介。−結果はみな、1〜3問程度。

3.「ORID」を用いたワークショップの"丁寧な"ふりかえり
※「ORID」とは、以下の順に問いかけをして振返りを深めていくフレームワーク。
・Objective Question(客観的な質問)何(出来事、経験)に注目したか?
・Reflective Question(内省的な質問)そのときの感情、反応は?
・Interpretive Question(解釈的な質問)どのような価値・意味があるか?
・Decisional Question(決断的な質問)次のアクションは?
用意されたワークシートにまず個人で記入、その後グループで共有。最後に全体で発表会をし、共有。

4.フレームワークを活用した、以上全体のふりかえり
ファシリテーションの観点を含めて、「ワークショップ+振り返り」をさらに振り返った。
今日自分や周りで起こったことを改めて振り返ることで、あらためてそれが概念化され、それぞれの成長のカギとなる持ち帰りとなった。
最後に、ORIDを体験学習面から総括したプリントを参考資料として配布した。

◆参加者の感想
・グループワークとは別にORIDを個人的にやってみた。自分の内面を探ることができた。いいフレームワークだ。
・興味本位で参加しましたが、学びいっぱい!で、すぐ仕事に取り入れられる内容に感激しました。
・特に南山大生の反応の良さは素晴らしく(←かなりつんつん先生に鍛えられているなっ(笑))には驚きました。
・仕事上司会をする事が多いのですが、実にいい加減にやっていたんだな〜と反省です。
テーマが面白かった事もあり、あっという間に時間が過ぎました。(仕事の研修とは大違い...)
・皆さんの意見がそれぞれ面白く深かった...別のグループのも聴きたいですね。
・ベテランのKさんによると、泡の会に行かなきゃァァ〜〜(^_^;)との事で、残念でした。
・中身の濃い内容となったのは、準備された方のお力だと思います。ありがとうございました〜(^O^)/
・さすがは大学で専攻していた人たちだけあって、大学生や卒業生の若い人たちといってもあなどれない。僕ではいままで出てこないような視点で話し合いを持ったり、振り返ったりすることができました。
さて、そのなかで特に自分が印象に残ったのは、対立する意見の持ち主が話し合いで合意形成を行う場合
1)一見、意見が対立しているように見えるが、認識のずれが意見を左右している場合があるため
1. 対立する意見の判断基準になった背景について、共通認識を必要とする
2. 背景となる言葉は、対立意見の文章にも話し合いにも出てこない場合がある。

2)2つの相対する意見(A・B)の合意形成を行うためには、
1. 説得力のある案を選定する(A案を選択するか、B案を選択する)
2. 折衷案を検討する     (A案とB案の折衷案を検討する)
3. 全く別案を作り出す    (A案でもB案でもない、C案を作る)
のいずれを選択した方が良いかを人は瞬時に判断する。
しかしながら、これらはいずれも
1. ある意見を選択した方が良い場合と、両方とも一方へ偏っていたり的外れだったりして無意味な場合がある
2. 折衷案を取った方が良い場合と、折衷することで意見の鋭さがなくなり無意味な場合がある
3. 既にある案が的外れで新しい案を作った方が良い場合と、既に考えつくされた意見を無意味にしてしまう場合がある。

さて、人間はどうやって判断しているのだろうか?
話し合いを振り返ると、印象の残った話は内容と伴に、自分がどう思いどう感じたかが思い出されるが、今回は先にどう感じたのかを指定して、その時どう思ったのかを思い出した。
1)話し合いの最中には、喜怒哀楽がコロコロと現れていることにびっくりした。
2)強い感情が働いた際は、自分の意見もその感情に引っ張られやすいことが分かった。
でも、1)2)だからといって、話し合いの最中に、自分の感情をいつもそのまま出してしまうと、話し合いそのものが壊れてしまう場合があるし、だからと言って、「その時々の感情を一歩離れて表現する」習慣もない。また、話し合いや自分の考察の内容を、最終的にまとめてしまうと、感情もまとまってしまった感がある。それに一度まとまってしまうと、「その意見の主軸となった強烈な印象は後ろへ隠れてしまう」ため、その意見について後日話し合いをすると、話し合いの主軸がずれる可能性がある。このことは、科学が通常「もし・・・なら」という仮説を表現しないことに似ている。
3) 話し合いにおいてプロセスを主軸に振り返りをしっかりすると、考える順序や感情への、視野の広がりなどの点で、普段ではない気づきを得られることができた。
全体として、多くの気づきを得られたが、よくわからないことも多かった。
1) 感情の影響や話し合いのプロセスへの視点を、どのように会議に生かせるのか
2) 科学的事象の発見や開発における話し合いでは、プロセスへの視点はどのように使えるのか?でも、普段と違う視点は、「これからなにか新しいことが分かるんじゃないか」というウキウキ感が残りました。

◆担当者の感想
・とても学びの多い企画でした!ありがとうございました!
・担当としてもORIDを知らなかったので学びになった。いい定例会にできた。
・今日は本当にお疲れ様でした!今後もまたこのように、FAJの方々とコラボして企画を行うことができたら嬉しいです(^^)ありがとうございました!(南山大生)
・みなさん お疲れさまでした!! 充分に参加者の方々に満足感を味わっていただけたようで、ほっとしています。根気強く、メンバーの意向を引き出してくださった方、昨日の大きな流れを考えて進行してくださった方、楽しいアイスブレイクのひとときを創ってくださった方、それに続いて、参加者を引き込んでくれた方々、参加者の中に入りファシってくださった方々、残念ながら参加がかなわなかったメンバーも、ここまでやってこられたことに感謝です!!
本当にお疲れ様でした!!
・ORIDを用いて、ふりかえりを丁寧に行うことで、いつの間にか「ファシリテーターとは?」という深い問いにまで発展していったのが面白かったです。
正直、担当者の私も、当日あの場で何が起きるのか、全く予測ができていませんでした。
担当者と参加者の関係が、「教える人」と「教えられる人」になってしまうのではなく、「何が起きるかみんなで挑戦してみよう」という姿勢で、一緒になって取り組めたのはとても良かったです。
・ワーク担当ということで緊張していましたが、皆さんに支えられ緊張感も楽しみながら行うことができました。
ワーク中、FAJに初めて来られた方から「ワークが楽しくて夢中になってしまった」という言葉が聴けて本当に嬉しかったですし、僕自身も夢中で過ごさせていただきました。
泡の会に行けず、終了後に残った「もっと話し合いたい!!」という気持ちを発散できなかったのが唯一の心残りです!笑
みんなが夢中になれるワークの企画作りに携わることができて、私はなんて幸せ者なのだろうと...そんな気持ちです!
本当にありがとうございました!!
・目の前の仕事や課題をこなすことではなく、その先の自身やグループの成長が真に目指すべきところという焦点の当て方は、自分含め毎日新しいことに追われて必死な人にとって、きっと日常にも活かせる視点だったと感じます。
企画も途中まで、当日も参加できませんでしたが、みなさんの感想を伺っていると、本番は予想以上に形となったようで、細かいところまで定まっていなくても、やれるだけの準備をしたら、あとは良い方向に傾くものなんだなあと思わされました。そうするだけの企画者と参加者のみなさんのパワーを遠くから感じさせていただきました。
・人は体験で成長するんじゃない。体験を振り返ることで成長できる、ってことをストレートにぶつけたプログラム。30分の体験を3時間以上ふりかえるというとんでもないワークをつくることができたのも、このチームならでは。やってみなければどうなるかわからないスリリングで、だからこそ気づきと学びいっぱいの贅沢な時間を過ごすことができた。当日はほとんどワークの中に入ることはなかったが、最後の全体ふりかえりで、普通ならあまり話したくないであろう自己の内面を開示をしてくださったHさんの話を伺い、ねじまがりもがいた時間が無駄にならず実を結んだ実感を持てた。東京、関西からも参加していただき、うれしいフィードバックをもらえたのもうれしかった。定例会かから2日経ったが、まだまだ振り返り=成長中。チームの皆さん、参加してくださった皆さん、本当にありがとう。
・皆さまの感想も勉強になります。
私は初心者で、さらに当日も参加出来ませんでしたが、
企画会に二回参加させて頂き、そこで皆さんのファシリテーション力を感じました。
初心者でも温度差を感じることなく会に参加させてもらえたことが嬉しくもあり、ファシリテーションとはこういうことなのかと思いました。
ファシリテーションも春夏秋冬の流れ、企画から振り返りまでも春夏秋冬がありそして次の春に繋がっていくのだと思いました。
抽象的な感想ですが、皆さんありがとうございました。
・あらかじめ決めたタイムスケジュールにしばられることなく、参加者のアツさからふりかえりの時間をすこし長くとったり、参加者の気持ちを汲み取ろうというみなさんの気持ちが伝わってきました!私は今回前に立つことはなかったのですが、参加者の気持ちを大切にするファシリテーターでありたいと、みなさんの姿勢から改めて思いました。ありがとうございました。
対立を生むワークについても、ワークよりふりかえりの方が長いというプログラムについても、参加者に受け入れられるか不安なところもあったのですが、参加者の方が終始「とりあえずやってみよう!」という姿勢で取り組んでくださったおかげで、充実した時間になったのだと思いました。
ただ、話し合いで順番にファシリテーターを置くと設定しましたが、初心者の方の中にはやはりハードルが高いと感じる方もいらっしゃったようです。「ファシリテーターとしての働きかけ(問いかけなど)」の例をいくつか集めてプリント1枚で配布するなどできていたら、初心者の方もチャレンジしやすかったのではないかと思います。
報告とはズレるのですが、今回あまり準備にコミットできなくて申し訳ありませんでした。でも、それを言葉にするたびに、みなさん「そんなことないよ!」と言ってくださり、申し訳ないと思いながらも、救われました。私も逆の立場になったとき、みなさんのような優しさ、心の余裕を持ちたいと感じました。ありがとうございました!