第129回 赤テーマ:「メンタルモデルに気付く質問とは?」中部支部

第129回FAJ中部 2016年4月定例会 赤テーマ報告

◆日 時:2016年4月16日(土)13:00〜17:30
◆場 所: 東桜会館 集会室
◆参加者:26 名(会員21名、非会員5名)
◆担 当:杉原廣二、安達洋、鳥居正年(中部支部)
◆テーマ:メンタルモデルに気付く質問とは?
【担当者からのメッセージ】
今回のIFラボ(質問力)ワークショップは、「出現する未来」を感じるため自分のメンタルモデルを認識した上でそれを脇に置くための問いかけを皆さんと共に考えたいと思います。
イノベーション理論として注目されている「U理論」における最初のUプロセス、センシング(ダウンローディング、シーイング、センシング)に注目します。
いかに自分が過去の経験や知識にとらわれ、相手に「ラベル」を貼っているかに気付き、その元となっている思い込み(メンタルモデル)を洗い出します。そのためにどんな問いかけをするか?またそのメンタルモデルを脇に置いて視座を変えるための問いかけとは?について考えたいと思います。その問いかけが何を生み出すセンシングの状態を感じられればと考えます。
【ねらい】
ケーススタディーからメンタルモデルを発見し、
そのメンタルモデルに気付く自分自身への問いを考え出してもらう。

【プログラム】
0. 自己紹介(今、気がかりなことを交えた自己紹介)
1. オープニング 今日の進め方、グランドルール、などを説明。
2. Aさんとその父の人間関係のケーススタディーより
Aさんが抱く父への感情から、Aさんが父に貼っているレッテル[ラベル]を発見する。デッサン人形を用いて2人の関係を表し、発見したラベルを付箋で父に張り付ける
3. ラベル付していることに気付く質問を見つける
「SHIRURANAI」カードから、ラベルを張り付けていることに気が付く質問をグループで話し合ってもらう
4. シーイング&センシング
デッサン人形をさまざまな方向から見てもらう、父の方から、横から、上からなど、ほかのグループがどのようなラベルを父に張り付けたのか?どのような形であらわしているのかを見てもらう
そのあとで、父の背景、感情を感じ取ってもらう
8. 沈黙の休憩
あえて沈黙をすることにより内省をそくす
9. 今日の定例会の振り返り
本日の振り返りを各グループで話し合ってもらい、発表してもらう。

【振り返り】
・ケーススタディーの父の背景まで考えてしまった
・カードが自分を投影している
・同じテーマでも答えが違う
・スッキリしない、モヤモヤ
・ラベルを貼るとそうしか見えない
・お互いの価値観が違う
・難しかった。何をしていいかわからない
・段取りを取らないと
参加者の主な感想は
・ツールの活用方法が知れた
・気付きを任す質問があるとさらに学べる
・よく考えねり込んだプログラムでした
・グループメンバーがよくワークが盛り上がった
・思考の発散ができてとても良かった
・今回の成果を生かしてますます広く深くしてください
・セルフクエスチョンで自分のメンタルモデルに気付く事はむつかしいなと実感できた事
・定例会の意図が参加者にもう少しわかりやすく説明した方がよいと思いました
・例題「Aさんと父さん」は判りやすい
・自分のメンタルモデルを気付かせる質問作りはむつかしくてできなかった。ジョハリの窓のように仲間に気付かせてもらう方が判りやすい気がする
・人形は面白いけど少し判りにくかった
・テーマ自体はいいが進め方にあと一工夫期待します
・もやもやが残る良いワーク、時間がゆったりめだったのでよかった
・寒かった
・メンタルモデルに関して考えるきっかけになった
・もう少しガイド投げかけがあるとよかった(今何をするとか、何を感じるとか)
・ゆっくり考える時間を持てたこと
・机の配置が狭苦しい感じだった(通路の確保など)
・心理学、カウンセリングを学んでいるので、そことの関係性、理解と体験、気づきにつながるワークだったと思います
・ややディスカッションする時間する時間をとりすぎてまのびしている感はありました(それぞれのワーク単元の目的が伝わっていないのかもしれません)
・全体のストーリーはよかった
・参加者に何をしてほしいのかわかりやすいインストラクション
・U理論に関わるワークが体験できた
・時間にゆとりがあったので、しっかり考えることができた。ギスギスした感がなく気持ちよくU理論が実践理解できた
・いろんな人たちの考えや話、見方が知れてよかったです
・モヤモヤ感一杯で帰ります
・「問い」がわかりにくかった
・グループ変えがなかったのであった方がよかった
・本テーマの説明をもう少しほしかった
・普段の生活の中でも意識さえすればメンタルモデルを知ることができると感じた
・空きが長かった
・「沈黙の休憩」部分は大変素晴らしかった。もやもやしたものを自分の中で「はっ!」とするものに変換できました。
・ディスカッションの時間がありすぎて、持て余すことが多かったです。意図とは思いますが、何かの「問いかけ」があると尚良かったのかもしれません。

【アンケート結果】
5 → 5人
4 → 7人
3 → 5人
2 → 2人
1 → 0人

【担当者の感想】
MF初にして、プログラムを作るところからスタートさせてもらいました。IF-LABの杉さん、アダチさんと何度もスカイプでミーティングさせてもらって、何とかワークのイメージをつかむまで出来ました。
1.プログラムを作る際にワークをするにとらわれてしまって、説明するという時間、そして資料を作るいうところがすっかり抜け落ちてしまっていた。
2.各グループの進行度合いをそれぞれに合わせるのではなく、全体として考えてしまっていたために、間延びした感があったにつながった。
3.メンタルモデルに気付く質問が出てこないことから、メンタルモデルを発見するのが難しいことにつながってしまったのでは?
とアンケートから気づかされました。
結果として自身のメンタルモデルに気付く新しい質問の発見には至らなかった。こちらの準備した問いでラベル付からメンタルモデルを発見してもらって、そこから自分にしっくりする問いを考えてもらうなど、プロセスを再考してみたい。
参加者の皆さん、IF-LABメンバー多くの方に支えられて、このワークができたこと感謝しています。
今回のフィードバックからさらに煮詰め次につなげます。
(とり)

今回、運営メンバーの中で、仮説としてファシリテーターは自分のメンタルモデルを意識しながらファシリテートしたほうがよいのではないかと考えました。
それができるようになるために、自身のメンタルモデルに気付く質問がいくつか見つかるととてもよいと思っていました。
U理論を勉強されているとりさんにお願いして、メンタルモデルに気付く質問を見つけるためのU理論的アプローチの実験の場ができないかと思い、今回のIFラボのテーマにしました。
今回私はフィードバッカーのような視点で見ていましたが、深い話し合いになっているグループと少し散漫になっているグループとあったように感じました。この差が何かはわかりませんが、アンケートにもあったように、プログラムの中でグループ替えをしてもよかったのかなと感じました。

また、インストラクションの中でいくつか質問やとまどいがあったり、いつもながら大勢の方に指示をする難しさを感じました。
結果的には、自身のメンタルモデルに気付く質問が具体的に出てくるところまでにはいたらなかったので、
「質問」、「問い」を出すプロセスをもう少し練る必要があるのかもしれません。
MFを引き受けてくれたとりさんには、MFデビューにもかかわらず、落ち着いた態度と、参加者からアイデアが出るまでじっくり待つという「待つ勇気」のようなものを感じました。
参加者のみなさんと、運営メンバーに感謝します。  (アダチ)