第131回青テーマ「お寺カフェ 〜お寺で"今"を考える〜」中部支部

中部支部2016年6月定例会(青テーマ)報告書

■日時: 2016年6月18日(土) 13:00〜18:00
■場所: 宝珠院 (名古屋市昭和区)
■参加者: 16名(12名+スタッフ4名)  (会員14名 非会員2名)
■担当者: すぎさん、Anneyさん、きぃさん、アダチ (FAJ中部支部)
■テーマ: お寺カフェ 〜お寺で"今"を考える〜

■担当者からのメッセージ:
・1年ぶりに 3回目のお寺カフェを開催いたします。
お寺という場(BA)を使うことで、「熱い議論ができた」「話しやすかった」「安心感があった」「居心地が良かった」「新鮮な気持ちになった」「リラックスできた」「時間の流れ方が違う」「気持ちが終始おだやか」「スキルではなく「あり方」という原点に返ることに時間が使えた」などの声が聞かれました。
そこで、今回はお寺という場(BA)を十分に活用して、"今"を皆さんと深く考えたいと思います。
"今"を考える時間は、13:00〜18:00 5時間 
"今"を考える場所は、由緒ある禅宗のお寺の本堂。
お寺という場(BA)とファシリテーションに興味のある方、奮ってご参加ください。

■当日の進行:
(1)イントロダクション
●「場」で感じる時間
・3分間を自分の体感で測ってもらう。3分経ったと思ったら手あげ。時間毎の分布を計測す
る。記録に残す。

→ お寺カフェでの時間計測は今回で3回目でしたが、以前とはちょっと違う結果が出ました。時間計測とは1回目(お寺に着いてすぐ)2回目(お寺に馴染んでから)と目を閉じて3分間を体内時計で測ってもらい、3分間経過したら静かに手を上げてもらうことにより実際の時間と意識の時間の経過の差を見るものです。
今までは1回目より2回目が手を上げる時間が短くなりましたが、今回は短くなる人が多かったのですが、長くなった人もいて、興味深い結果になりました。もう少しn数を確保して検討したいと思います。(すぎさん)

●宝珠院紹介 住職のお話

(2)アイスブレイク
●アイスブレイク 自己紹介
・イメージネーション。写真を選んでそれを使って自己紹介する。

●脳に考えさせる準備体操
・【スメルボックス】
カラーバスを匂いで実施する。目を閉じてどんな匂いがするか感じてもらう。目を開けた時に匂いの元だと思う方向に顔を向ける動作を確認する。
脳は命令されたものを無意識に探すことを確認してもらう。その後、お寺の周りに出て、色々な匂いにチャレンジしてもらう。例えばお地蔵さん等。どんな匂いがあったか共有。

→「カラーバス」というワークを今回は匂いでやってみました。お寺という場で、できるだけ五感を働かせたいということで、脳の準備運動のために行いました。脳は匂いにフォーカスしても、その他の感覚を総動員して感じ、探しだそうとするという仮説を立て行ってみました。目をつぶり匂いを感じた後、目を開けた瞬間に匂いの元へ頭を向けて探そうとする。何人かそういった方がいらっしゃいました。(アダチ)

(3)ワーク
●発散
・【ワーク1】"Fの今"を対話により明確にする。(2グループに分けて)
FGは曼荼羅チャートを意識する。
MFは"Fの今"の対話(曼荼羅の中心)を重視し、問いかけにより上下左右、全体像に広げる。 → 発表(全体共有)
●収束
・【ワーク2】Fとして大切にするものを決めて、創作漢字一文字にまとめる。
2つの曼荼羅(ワーク1で作成)を見て大切にするもの3つを対話で選ぶ。 → 一番大切なものとして一つに絞り、それを表す創作漢字を作り、模造紙の中心に描く。

   ・【セルフワーク】創作漢字を元に自身の取り組みを考える
創作漢字 一文字を選び、それに対する自分の取り組みを考えて、色紙に描く。

●発表・共有
・車座になり各人の選択漢字と自身の取り組みを発表。

(4)振り返り
・1日の振り返り。気づきを共有 → 「Fとは」について特に。
・アンケート記入 → 担当者への感想や交流。

【アンケート 総合満足度】
・満足 5-4-3-2-1 不満  (5段階で)
・5 → 9名(75%)、 4→ 3名(25%)   満足度は高い結果でした。

【アンケート 良かったこと、役立ったこと】
・安心、安全な場でゆったりと対話ができた。
・場が変わることの効果の大きさを感じました。
・有意義な話し合いができた。
・ファシリテーターは庭師みたいな役割。
・場の環境、なかなかない機会で良かった。
・ゆったりした時間配分がよかった。
・グダグダなのに不安感がない。
・創作文字を一文字にまとめた。
・ファシリテーションについて学べた。
・とても楽しく、やさしい時間だった。
・ゆったり感、まったり感。
・お寺が場に与える影響は大きいことに気付いた。
・ゆっくり、ゆったりした時間を楽しめた。
・お寺という場が、話し合いや気持ち、感情に与える影響を実感できた。
・ゆっくりと、しかし、しっかり考える場であった。
・新しいチャレンジが入っていた。(創作漢字)

■担当者より
・今回で3回目のお寺カフェです。 参加者の皆さんに場(BA)を変える事の効果を体験して貰いたくて企画しましたが、ゆるゆると始めて、特段の時間管理もせずに進めました。場にゆったりとした時間がながれ、好い対話ができたと思われます。こんな時間の流れが確保でき癒しにもなるなら、もっとこの環境を利用してゆったりとしたダイアログを1日かけてしたいと思いました。 
(すぎさん)

 ・環境(場所)や雰囲気は、人の感性に働きかけ、とても大きな影響を与えることは前々から感じていました。今回のお寺カフェでも、環境や雰囲気が大きく参加者の話し合いに影響を与えていたと思います。 人は、場(環境や雰囲気)に適用しようと本能的に反射するので、ワークショップやミーティングを企画する際には、その目的と狙いをよりよく達成するための場所選びや雰囲気づくりへの準備は、とても大切だと思いました。 現代社会は、左脳偏重な環境の中で生活をしていることが多いので、偶には心身共にゆったりとリラックスできる場所で、感性を刺激して右脳を働かせることで、エネルギー解放と充填が同時にできるのではないかと感じました。 (Anney)

・お寺の本堂、感覚を探す〈写真を使ってのアイスブレイク(イマジネーション)、時間(3分間)を自分の体感で計測、スメルボックス〉、車座での話し合い、など、異空間での「場」設定による話し合いがもたらす効果を改めて実感しました。話し合いがゆったり、有意義に経過した気がします。(きぃさん)

・物理的な「場」を変えることで、話し合いの「場」がどのように変わるのかとても興味がありました。結論を言うと、やはり話し合いの「場」は確実に変わっていたように感じます。ワーク1のパートでテーブルファシリテーターをやらせてもらったのですが、時間はゆったりと流れているのにもかかわらず、話し合いは深まり、あっという間に1時間過ぎてしまいました。
お寺まで極端ではなくても、実践においても色々と「場」の設定を変えてみることをチャレンジしてみたいと思いました。 (アダチ)