第9回:2005年7月16日 KJ 法を活用したファシリテーション中部支部

第9回中部支部定例会 議事録


■ 日時 :2005 年 7 月 16 日 (土)  12 : 00 〜 18 : 00
■ 場所 :中部自転車協議会 9階会議室
■ 参加者:合計 27 名 ( 50 音順)
   ・会員:中部支部
        安藤さん、石田さん、伊藤さん、上田さん、大角さん、大山さん、川上さん、加藤さん、北川さん、田川さん、早川さん、林さん、久田さん、洞地さん、光山さん、矢野さん、下谷定司さん、下谷理恵さん
       関西支部
        明石さん、 瀬部さん 、 空井さん 、 西原さん 、三浦さん、村上さん 、芳本さん
        オブザーブ参加
       北村さん 
      以上 27 名 
       泡の会のみ参加
        八木さん
■ 講師:芳本 賢治
■ テーマ 「 KJ 法を活用したファシリテーション」
■ ねらい
  KJ 法とファシリテーションには極めてよく似ている部分があります。
  KJ 法はラベル作成を通じて"様々な人と対話をし、構造化して合意形成する"というプロセスです。このプロセスはそのままファシリテーションに応用できます。
   今回は、その全体像の理解とそのプロセスを、実習により体得していただくことをねらいとしました。
■ 内容
12 : 10  安藤さん挨拶と初参加者自己紹介
12 : 20  講義「 KJ 法とファシリテーションは似ている?」・・・ 芳本 さん
      ・ KJ 法は商標登録されていて使えない
      ・ KJ 法は分類法ではない
      ・ KJ 法は、演繹法(ディシジョンツリー)でも帰納法
      (デレクトリー)でもない
      ・ KJ 法型図解とは
       以上関西会員の和己さんが作成された資料を基に解説
      ・表札作りの練習(テキストと演習シートにて)

13 : 00  実習・・・ 5 グループで実施
       1.グループで取り組むテーマ決めと、それに関しての
         自由な話し合い
         《テーマ候補》
           (1)「きしめん」又は「ういろう」を全国区にするには?
           (2)金の「しゃちほこ」を超える名古屋のシンボルは?
           (3)ファシリテ―ションを家庭内で活かすには?
         以上の 3 候補の中から、グループで取り組むテーマを決め、 それに関して自由に話し合う。またその時点メモを作成しておく。

13 : 45  2.データ作成
       点メモを見ながら、個人でラベル(ポストイット記入)を作成する。
       ラベルには、誰が書いたか判るように名前などを隅に記入しておく。

14 : 00  3.表札作り・・・模造紙上で図解していく
       (1)各自のラベルを発表し合い、内容を理解する
       (2)意味や気持ち、キーワードの近そうなものは近場に配置する
       (3)カード間の関係を考え、関係記号ラベルで表示する
         《関係記号は主に下記の3つ》
          (1)関係あり、因果関係、相関関係
          (2)反対、対立、矛盾
          (3)内容が似ている、連続ものとしてセットになる
       (4)島どり
          (1)関係記号の結びつきを見ながら、ブロックになりそうなところを探す
          (2) 2 〜 5 枚の意味の似通ったラベルを囲むように紐をおいてみる
          (3)必要なら追加のラベルを書く
          ※紐は太さ 1.5 ミリくらいの紙材質のもので、セロテープで貼る
       (5) 表札作り
          (1)各島どりの中味を再検討する
          (2)島全体が訴えていることを掴み、それを短文化(必ずしも文章でなくとも良いが)し、ラベルに記入し貼る

16 : 00     (3)島の表札に着目し、ブロックになりそうなものは紐で括る(数個単位での島の括り)
          (4)島と島、島とラベル、ラベルとラベルの間の関係記号に添え言葉(だから、そして、しかし、反面など)を入れ文章化を図る
       (6)テーマ・作成者記入と B 型文章化
          (1)取り組んだテーマと作成者を記入する
          (2)作品を見ながら、説明用の文章を作成する( B 型文章化)

17 : 30  4.各グループの作品発表と講師コメント
       (1)発表
        ※時間の関係で各グループの発表のみとなった。
        ※各グループの作品については、別掲写真参照のこと
       (2)講師コメント
        ・上手くいったテーマ(ファシリテーションを家庭内で活かすには?)と上手くいかなかったテーマ(残りの 2 テーマ)があった
        ・上手くいかなかったのは、演繹法的(デシジョンツリー)な進め方になってしまって、創造的なラベルの括りができなかったのではないか、これはテーマ設定にも問題があったのかもしれない
        ・結果として上手くいかなかったが、十分話し合いができたことには満足したと思う。この満足感も重要なものである
        ・この方法は、皆で知恵を出し合い、コンフリクトを創造的に解消し、議論を構造化・統合化してゆくのでファシリテーションに効果的に使える
       (3) Q&A
         Q :クロスサークル(島の括りの線が交差していること)はつくらないようにしたいが、そのためには最初から島の位置を考えてゆく必要があるか
         A :場数を踏むことにより、直観的に位置が把握できるようになる。最終的には3つから 4 つの島にする。
    
         Q :今回の内容の位置づけは、このあとどうするのか
         A :今回は W 型問題解決の C → D (野外観察によるデータの発想と統合)のステップである。従ってこの後、推論とそれに基づく実験及びその観察とW 型問題解決のステップを踏むことになる。このW 型問題解決のステ ップは答えが解らないような時には有効な方法である。

         Q :経済学やマーケッティング学などの野外観察との違いはあるのか
         A :基本的には同じである。特にタウンウォッチングには有効である
            ※今回は時間の関係で、全員でのシェアリングはできませんでした

18 : 10   終了