第4回:2005年2月19日 ファシリテーションの場づくり Part2 〜 物理的な場の形成 〜中部支部

第4回中部支部定例会 議事録

※次回は3月19日(土)に開催します。 詳細は後日ご案内します。
中部支部の皆さん、他支部の皆さん、ぜひご参加ください。

■日 時:2005年2月19日(土)13:00 〜 17:00
■場 所:愛知県産業貿易会館 会議室
■参加者:安藤さん、池田さん、壱橋さん、伊藤さん、加藤さん、川上さん、木津さん、川端さん、林さん、芳本さん&下谷夫婦
       ビジター参加 大角さん、山崎さんの合計 14名
■全体ファシリテーター: 壱橋さん
        ※ CDプレーヤーなどの準備もありがとうございました。
■内容
   テーマ: 「ファシリテーションの場づくり Part2  〜 物理的な場の形成 〜

I アイス・ブレイク
   「今日の気分を一言で表すと」
    ・ 自己紹介を兼ねて、現在の気分にA4のコピー用紙にマジックで書いて一人ずつ順番に発表する。
     
    〔参加者の気分〕
      わくわく 3名、 どきどき 2名、 ふわふわ、 ウキウキ、ちょっとパープル、ヒタヒタ、 ブルー、 楽、 わっ、塀の上の猫(の漫画を描いた)、ハートマーク
    【場のスタイル】
      参加者14名が、円形の輪を作って椅子に座って発表する。

      机はなし。

II 場の実験  【2人ペアの座る位置】
   ※ 2人ずつのペアを作り、テーマについて以下の2通りの座る
     位置で話し合いを行い、どのような感じがしたのか全員で感想を述べあう。
   (1) 2人が対面で座る  机はなし。
      テーマ: 「ファシリテーションを知ったきっかけ」
   (2) 2人が90度の角度に開いて同じ方向に向かって座る。
      机はなし。
      テーマ: 「ファシリテーションスキルを身につけて何がしたいのか」

  【感想全体シェアリング】
    1. (1)の実験の感想
      ○ ポジティブ&ニュートラル
        ・ ミラーリングがしやすくなった→相手をよく観察できた
        ・ 関係が深くなる気がした
      ○ ネガティブ
        ・ 目線に困った(3名)  ・ どきどきした(2名)
        ・ 目を外しにくい(2名)
        ・ 下を向いて話した ・ 体が固まった 
        ・ 体の向きを変えたくなた
        ・ 答えを聞きながら質問を考える関係になった
          (聞き方が浅くなる)
        ・ 共感が浅くなった
        ・ 対立している関係のような気がした

      上記のように相反する感想に見えるが、、関係が浅い人の場合は対面で座るとネガティブな反応が強くなり、親しい関係の場合(信頼関係が深い場合)は 対面に座るとさらに心が通い合うかもしれない。
       また、対面で座ると相手の表情、動作などをよく観察できるので、カウンセリングには向いている。

   2. (2)の実験の感想
      ○ ポジティブ&ニュートラル
       ・ 目線を合わせやすかった (3名) 
       ・ 目線を合わせなくても良かった 
       ・ 自由に発想できた 
       ・ 目の前の視界が広がった → 前向きな質問ができた
       ・ ボディランゲージがしやすくなった → 身を乗り出して話せた
       ・ 気楽になった
       ・ 相手に親しみを覚えやすい ・ 話しやすかった
       ・ 自分の考えに集中できた(相手が見の前にいると手中できない)
       ・ 関係が浅い人の場合に向いている

    (1)の座り位置がよほど緊張したのか、?の座り位置になったら、参加者がいきいきと話しだした。ネガティブな感想はなし。
 FAJの会員同士のような関係の場合は?の座り位置の方が圧倒的に話しやすい。

III 場の実験  【2人ペアから4人グループの座る位置】
    ※ 2人ペアから4人ずつのグループを作り、場の条件を変えてゆきながらテーマについて議論をして、どのような変化を
      感じたのか全員で感想を述べあう。
      ・ テーマ:「FAJ中部支部でやりたいことミッションとビジョン」
            議論 + 模造紙にまとめる
      ・ 場の条件の変化
      (1) 人数(2人 → 4人)の変化 ? 机の有無
      (2) ファシリテーターの有無
      (3) ツール(ホワイトボード、模造紙、マジック、コピー用紙)の有無

  【感想全体シェアリング】
     1. 人数(2人 → 4人)の変化
       ・ 自分の意見が減り、聞く時間が長くなった 
       ・ 人により発言量に差がでた。
       ・ 2人のときは感情的、4人になると論理的に話すようになった
       ・ 2人のときは主観的、4人になると客観的に話すようになった
       ・ 4人になると(人数が増えると)自己開示しづらくなる
       ・ 2人ときは緊張したが4人になって少しほっとした
     (注) 多数になると議論が論理的になるのかという点について議論したが、必ずしもそうとは言い切れない。
         ただ、多くの人に理解してもらおうと考えて話すためより分かりやすく話そうと努力する傾向がある、という結論になる。

    2. 座る位置
       2人の場合は90度の角度に開いて同じ方向に座る、
       4人の場合は輪の形で座るのがもっとも話しやすいという(当然の)結論となる。
     3. 机の有無
       ・ 机がない方が発想が広がる → 自由な雰囲気
       ・ 机がないと全身を見られるから緊張した
       ・ 机があると落ち着いた (3名)
         → 日頃慣れているから、 足元が隠れるから
       ・ 机があるとしっかり話せた → 会議のイメージ
       ・ 机があると改まった(フォーマル)形になった
       ・ 机があるとアウトプットを出さなくてはならない(義務的)感じがした
     4. ファシリテーターの有無
       ・ ファシリテーターはテーマによって必要かも?
       ・ 特にいなくてもよかった(今回のテーマなら)
       ・ FAJのメンバーは意識が高いので特定のファシリテーターがいなくても議論できる
     (注) 今回の実験では、議論の途中でファシリテーターを選任した。
         そのため、すでに議論にエンジンがかかった状態でファシリテーターが入ったため、前後に特段の変化が見られなかった。
        この実験は、最初かファシリテーターのいるグループといないグループで比較をすべきであった。
     5. ツールの有無
        (議論の途中からホワイトボード、模造紙、マジック、コピー用紙を使用した)
       ・ 議論が収束しだした  ・ 話に集中しだした
       ・ 話に弾みがついた 
       ・ ホワイトボード、模造紙があると頭が整理できた
       ・ ホワイトボード、模造紙があると発想が広がった
       ・ ホワイトボードを使用すると全員が正面を向くので前向きになった
         → 模造紙に書くと下向きになる
       ・ ツールがあるとアウトプットを意識しはじめた。

IV 場の実験  【参加者全員(14名)の座る位置】
    ※ 各グループで議論したテーマを模造紙にまとめたものを、グループ毎に発表する。
      ・ テーマ:「FAJ中部支部でやりたいことミッションとビジョン」
        聴衆の座る形式により、どのような変化を感じたのか全員で感想を述べあう。
      1 劇場型
         (机なし 発表者を中心にいすを扇型3列に配置する)
      2 会議室型
         (机あり ロの字に机を配置する。発表者は一番前で発表)
      3 教室型
         (机あり 学校の教室形式 発表者は一番前で発表)
      (注) 今回は場の実験のため、各グループの発表内容は割愛します。各グループの発表内容は、今後のFAJ中部の活動の指針となる大変有意義な内容でした。

  【感想全体シェアリング】
     1. 劇場型
      ・ 発表者との距離が近い → 参加している感じ
      ・ 参加者が前に出たくなる (→ 参加意識)
      ・ 参加者同士の交流がない
      ・ 座る場所により参加意識が表れる(前に座る人と、後ろに座る人)
     2. 会議室型 
      ・ 発表者と参加者との距離を感じる → 聴く割合が増えた
      ・ 参加者同士の議論が起きた
   ・ 参加者同士お互いの顔が見えた
      ・ 対立の構図のような気がした(→労使交渉のような雰囲気)
      ・ 座る位置により上下関係(支配関係)が生まれる
     3. 教室型
      ・ 参加者同士の交流がない
   ・ 参加者同士お互いの顔が見えない
      ・ 受身になった(教えてもらう姿勢)
   ・ 受身で楽に感じた
      ・ 参加者から発言しにくい
    ・ 発表者との距離を感じた

    劇場型、教室型は発表者⇔参加者の関係で、会議室型は発表者⇔参加者⇔参加者の関係となる。 ビジネス・スクールでは劇場型に配置することが多いが、学生に授業に参加しているという意識を持たせる効果があるのかもしれない。 発表内容について参加者間で議論させる場合には、会議形式が効果的(机をなくして、円形に座ると さらに自由なフリー・ディスカッションの場となる)。 教室型は消極的な参加となる。(教室型の場合、トーキングスティクが隣の人に渡されるようになったのが面白い)発表者が会場の雰囲気をつかみやすい(場をコントロールしやすい)のは劇場型と教室型であった。

V 場の実験  【参加者全員(14名)の座る位置】
   ※参加者から他にどんな実験をしたいのか質問し、希望の多かった場の実験を行った。
     ・ テーマ:「次回以降のFAJ中部支部定例会でやりたいテーマ」
     (1) くるま座で床に直接座って議論する
     (2) 参加者がくるま座でそれぞれ後ろ向きに座って議論する
     (3) 円形をつくり歩きながら議論をする

  【感想全体シェアリング】
     1. くるま座で床に直接座って議論する(立ったり座ったりして実験をする)
      ・ 直接座ると気楽に話せた(→ 立つとじっくり考えられなくなる)
      ・ 自由な雰囲気
      ・ 雑談をする気分
     ・ 自己開示しやすくなる
      ・ 全員の顔が見えるので反応がわかる
     (注) スカートの女性は座れないため留意する必要がある
     2. 参加者がくるま座でそれぞれ後ろ向きに座って議論する
       相手が見えないなため、非常に議論しづらい。 
       当たり前だが、議論には不向き。実験もすぐに中止する。
     3. 円形をつくり歩きながら議論をする
      ・ 発言するときは止まってしまう
      ・ 思考に集中できない
      ・ 後ろの人に押されているような気分(同じ方向に歩きだしたから)
      ・ 一人で考えている場合にはじっくり考えられるかも・・・。(散歩の場合)
     (注) 気がつくと全員が同じ方向(時計と逆周り)に歩き出し、水槽のなかのめだかのようになった。(当然ながら)
議論には不向き。 新しいアイス・ブレークができる可能性はある。

VI 次回のテーマを全員で議論する
    下記の各テーマで実施することに決定する(参加者全員が合意)
     ・ 3月19日 13:00〜17:00
       テーマ 「生体験!日本一のファシリテーションを目指して!」
       担当:安藤(幹)、下谷
       会場:中部自転車協議会 9階 会議室
     ・ 4月16日 13:00〜17:00
       テーマ 「ファシリテーターの資質を探る」
       担当:木津、林
     ・ 5月21日 13:00〜17:00
       テーマ 「ファシリテーショングラフィックの極意」
       担当: 未定
     ・ 6月18日 13:00〜17:00
       テーマ 「ロジカル・ツールを使いこなす」
       担当: 未定
                                      
                                  以 上