第3回:2005年1月22日 ファシリテーションの場づくり〜 物理的な場の形成 〜中部支部

1月度中部支部定例会議事録

■日 時:2005年1月22日(土)13:00 〜 17:00
■場 所:愛知県産業貿易会館 会議室
■参加者:
安藤(幹)さん、壱橋さん、穴田さん、尾村さん、、加藤(奈)さん、加藤(誠)さん、木津さん、鈴木さん、戸松さん、久田さん、波多野さん、早川さん、林さん、東さん、堀さん、八木さん(50音順) & 下谷夫婦 合計 18名
■全体ファシリテーター: 林さん

■内容
    テーマ: 「ファシリテーションの場づくり」 〜 物理的な場の形成 〜
I 場の実験 【音楽】  13:00 〜 13:30
   ※ 事前にBGM(オルゴールの演奏によるPOPS&冬ソナ)を会場に 流しておく。

  1. 自己紹介とBGMの感想を全員が発表
  〔参加者の感想〕
   ○ ポジティブ&ニュートラル
   ・ 心地よかった → リラックスできた(3名)
   ・ 清里(避暑地)を思い出した
   ・ 眠たくなった (リラックスして)   
   ・ もう始まっているなと感じた
   ・ 居心地がよくなった  
   ・ 中野(民夫)さんと同じことをやっているなと思った
   ・ 落ち着いた (食が進む音楽??)
   ○ ネガティブ
   ・ 携帯の着信音かと思った    
   ・ 季節はずれの音楽(クリスマスの音楽に聞こえた)
   ・ 参加者をリラックスさせようとする意図がわかった  
   ・ やかましいと感じた
   ・ 何かを企んでいると感じた  
   ・ 部屋が響くので音が割れて聞こえた
  〔気付いたこと〕
   ・ 音楽のボリュームが大きかったため、耳障りに感じる人がいた。
    (どのくらいのボリュームが最も居心地がいいのか検討が必要。
      → 会場の広さ、参加者層、参加者数によって異なる)
   ・ 選曲は歌が入っていないものがよい。
     (開始のBGMにはワルツがいいかも・・・)
   ・ 特定のヒット曲の場合はそちらに集中するため、 かえって思考の邪魔になる。
   ※ じゃんけんをして3グループ(1グループ 6名)に分けて、輪をつくる

II 場の実験  【開放感と明るさ】  13:45 〜 14:30
   ※ 各グループで自由にテーマを決めて議論する
      (テーマ例を参考までに、いくつかファシリテーターから提示する)
     議論が活発になったところでカーテンを閉めて会場を暗くする。
     前後で議論にどのような影響、変化が見られるかを調べる。
  〔参加者の感想〕
   ○ ポジティブ&ニュートラル
   ・ 議論に集中できた (6名)
  ・ 会場が暖かくなった
   ・ 一瞬静かになった
   ・ 参加者間の距離が縮まった
   ・ 声が小さくなった
  ・ 話しの流れが変わった (拡散 → 収束、)
   ・ 気が散らなくなり良かった 
   ・ 時間の流れが違う気がした (暗いとゆっくり感じる)
   ○ ネガティブ
   ・ 会場に圧迫感が感じられた (閉塞感)
   ※ なお、議論に集中したため、変化に気付かなかった人が6名いた。
  〔気付いたこと〕
    カーテンを閉めることにより、外界と遮断された暗い空間をあえてつくった。
    事前の予想とは異なり、カーテンを締め切った部屋の良い点に気付いた意見が多かった。
    最初からカーテンを閉めていた場合にはどうであったか、についても 議論した。(話しの密度が濃くなったのでは・・・という意見があった)
    外の風景が見える開放的な場の場合は議論が拡散し、外界と遮断すると議論が収束する傾向が見られるので、会議でうまく活用できる可能性がある。

III 場の実験 【ロウソク】  14:30 〜 15:15
   ※ 各グループで自由にテーマを決めて議論する
     議論の最中に突然電気を消して、グループの中央に置いたロウソクに火をつける。
     前後で議論にどのような影響、変化が見られるかを調べる。
  〔参加者の感想〕
   ○ ポジティブ&ニュートラル
   ・ ロウソクの炎(一点)を見つめて話すようになった(ますます議論が収束)
   ・ 目が慣れてお互いの顔が見えるようになったら一体感が生まれた
   ・ 考える議論になった  
   ・ 自分の世界に入っていった
   ・ 自分に向かって話すようになった (内省)  
   ・ 沈黙が心地よくなった
   ・ 議論が一つのことに集中していった 
   ・ 他のグループが気にならなくなった
   ・ 自己開示したくなった 
   ・ 時間の流れを楽しめるようになった
   ・ お互いに視線を合わせやすくなった 
   ・ キャンプファイヤーを思いだした
   ○ ネガティブ
   ・ お互いの顔が見えた方が良い 
   ※ 前の実験では変化に気付かない人がいたが、さすがに今回は全員が気付いた。
  〔気付いたこと〕
    カーテンの場合と異なり、場の変化が明確に現われた。 
    電気を消して、ロウソクに火を 付けた瞬間、参加者から歓声があがり、一瞬沈黙の時間が過ぎた。
    議論が一つのことに収束し始めた。参加者が個人的な話しをする など、自己の内側に視点が向くようになった。
    (怪しい自己啓発セミナーや宗教団体がよく使う方法?)
    実際にテーマが変わったグループもあった。 そのため、ロウソクの炎に合ったテーマがある のでは・・・という意見もあった。
    また、ろうそくの高さ(約50センチ高さ)を調整するため、ろうそく台を椅子の上に乗せた グループと、メンバー全員が椅子から下りて、床の上に直接車座に座ったグループがあったのは面白かった。
    (ろうそくの炎の位置が目の高さにあると話しやすい。
下にあるとうつむいて話すため内向きの(個人的な)話題になってゆく傾向があるようだ)
    参加者からの感想はおおむね良いものであった。
 (居心地がよかった)

  < 休憩 & お菓子タイム >  15:15 〜 15:35
   ※ 休憩中にお菓子(戸松さん、下谷理恵さんの差し入れ)を各グループに 配る。休憩を挟んで、お菓子を食べながら各グループで議論の続きをする。
   ※ お菓子を出してからの場の変化についてフリートーク
   ・ リラックスできた (気が緩んだ)
  ・ 場が和んだ
   ・ 親近感が生まれた 
     (一緒に食べる効果 → 食事をする → 同じ釜の飯)
   ・ まじめな話しができなくなった (雑談、世間話) 
   ・ 話題が拡散しだした
  〔気付いたこと〕
    真剣な議論の最中にお菓子を出すと、議論に水を差すこと・・・。
    議論が煮詰まった 場合や、一旦議論を休止するときに出すと効果的。一度緩んだ場をもとにもどすためには少し時間が必要。
  ※ 休憩後に3グループのメンバーを入れ替える。

IV 場の実験 【香り】  15:35 〜 16:15
   ※ 各グループで自由にテーマを決めて議論する
      議論の最中にお香(ラベンダーの香り)を焚く。前後で議論にどのような影響、変化が見られるかを調べる。
  〔参加者の感想〕
   ○ ポジティブ&ニュートラル
   ・ 話しに集中していて余り感じなかった 
   ・ 普段の香りでリラックスできた
   ・ 香りにすぐ慣れた (人により感じ方に差があるのでは・・・)
   ・ 部屋のいやな匂いを消すのに有効
   ○ ネガティブ
   ・ 匂いが強く、話題が逸れた  
   ・ 匂いを感じて思考が止まった
   ・ 匂いが気になって話し集中できなかった  
   ・ 無理やり匂いが入ってきた感じ
   ・ どのような効果があったのか分からなかった
  〔気付いたこと〕
    香りについては最も個人差のでる結果となった。嫌いな人は匂いと表現しているのが面白かった。
 特に、香りは
1.強弱の調整ができない(部屋中に立ち込める) 

   2.個人 差が大きい(好き嫌いが激しい) という特徴があり、使い方に注意が必要。
    参加者の意見でも、「一番影響を受けた」と答えた人と、「一番影響がなかった」と答えた人がいて、両極端の感想
であった。

V 全体の感想・意見交換
    今日の実験の感想を一人ずつ発表し、意見交換を行なった。
  〔参加者の感想〕
   ・ 明るさの変化が与える影響は大きい (6名)
   ・ ロウソクが印象に残った (3名)
   ・ 香りの取り扱いは難しい (3名)
   ・ 触覚の影響はどうなのか? (2名)
   ・ わざとらしくない隠し味として活用したい (3名)
   ・ 場の変化への気付きに加えて、議論そのものも楽しめた
   ・ 場の雰囲気の切り方(変え方)があるのでは?
   ・ 眠っていた感覚(五感)を体験できて良かった
   ・ カーテンの影響が大きく取り入れやすい
   ・ 逆効果になりそうなものを敢えて試してみては?
   ・ 部屋の色や参加者数の加減ではどうなのか?
   ・ 順番の入れ替えや複合作用はどうなのか?
   ・ 部屋の広さや室内・室外など他の条件にもよるのでは?
   ・ 室温の変化なとも考慮に入れてみては?
   ・ 椅子の距離、並べ方でも変化はあるのか?
     → 次回定例会の場の実験で試してみる
   ・ 目の不自由な人が参加した場合の対応はどうするのか?
   ・ 机のないのは不安。 机のある場で実験できればよかった

次々と仕掛けを繰り出す林さん これは一体何?