信念対立解明アプローチ 〜その対立、消し去る"術"あります
しばしば対立する信念。コンフリクトはファシリテーターとしてさばけるようになりたいところ。今回は「信念対立解明アプローチ」という、医療分野で研究開発された信念を解き明かすための技法を用いて、対立した信念を解き明かす方法についてワークを行った。
【目標】
①自分の信念を知る。
②信念対立の構造を知る
③信念の対立を解明できる技術「信念対立解明アプローチ」を知る
④信念対立解明アプローチをちょっと使ってみようと思う
【グランドルール】
自分に対して:妥協しない
相手に対して:個人の攻撃をしない
終わってから:根に持たない、守秘義務を守る
【アイスブレイクでグループ分け】
好きなもの(こと)、嫌いなもの(こと)をA4用紙に書いたものを見せ合った。意見の合わなさそうな人同士で3人ずつのグループを作成した。
【インストラクション】
「信念対立解明アプローチとは」「対立を解き明かす技法:3つの解明術」について、インストラクションを行いながらワークを進めた。
【ワーク1:解明術壱号をやってみる】
その1:グループ内で信念を付箋に書き出して、シェアする。
その2:選んだ信念について、契機と志向性に分けてみた。
【ワーク2:解明術弐号をやってみる】
「それって本当?」という問いをうたがいながら、信念の成立根拠をぐらつかせた。
【ワーク3:解明術参号をやってみる】
「共通の目的、ゴールはないか」について探した。
【シェア】
各グループの模造紙を貼りだし、他グループの内容を見て回った。
【振り返り】
Fが「Y:やったこと」を口頭で振り返ったあと、参加者が 「W:わかったこと」、「T:次やってみたいこと」を発表し、全体でシェアした。
【プログラムの振り返り、MFへのFB】
やりやすかったところ、やりにくかったところについて、3人程度のグループでバズった後で発表し、シェアした。
参加者コメント
【よかったこと、役だったこと】
話し合う(意見を出す)時間が十分にあった。"興味あるテーマでした。
実践者がゲストでしたので理解納得できました"。
信念のきっかけと志向性を考えることはとてもいい。ぜひ他でもやりたいと思った。
信念の解明が大切なことを理解できた。
信念の構造化がわかりやすくできたこと。活用しやすいテーマ。
様々な話を聞くことによって自分の考え方の背景も探れて良かった。
対立解明の考え方を知った。アイスブレイクの方法を知った。いろんな人が集まって話をまとめる難しさを知った。
自分では無意識だったことが実は信念だったことに気づけたこと。
ファシリテーターの方々が、本日のテーマの軸を直して下さり、「契機」が見つかり共通テーマが決まりました。
対立はしなかったけど、いろいろな考え方が聞けたし、話ができました。
新しい手法を知れたこと、身の回り起こる出来事を分析することは大変プラスになるので有難かったです
信念対立解明アプローチについて知ることができました。ありがとうございます。
【改善が望ましいこと】
ワークの進め方が理解しにくかった。「信念対立」について全く知らなかったこともあるが。
ワークの進め方で困っている人が見受けられた。議論重視のため、もっと細かい指示があった方が没頭できると思う。
小芝居(笑)参加者の気持ちはほぐれたが、対立の例としてはわかりにくくなってしまった。
インストラクションの具体例の中の対立が今になると落とし込みが足りなかったので解説をあとわずか加えて頂けるとありがたかった。
"対立の程度がもう少し具体的に指示があると迷子になりにくかったと思います。Ex ローン以外にもう2~3事例紹介してもらう、とか?"。
対立しやすいテーマをあらかじめ選択肢として用意しておくのもありかなと思いました。
対立ではなく、話し合いやファシリテーターとしての事例解決法とかでもやれそうと感じました。
ワークを進める中でテーマ設定が難しく、もう少し誘導して頂いても良かったかなと思いました。
名古屋弁が逆にわかりにくかったです。ニュアンスを伝えるためにあえて名古屋弁にして下さったと思うのですが...。
担当者振り返り
河のっち@九州
本ワークは2018年1月に九州支部でスタートし、今回は3回目でした。昨年度1月の「定例会のテーマを決めよう!」中部支部定例会にて、このワークを売り込み、中部のみなさんとチームを作って、1年ちょっとかけて練りこんできました。このプロセスも大いに私の学びとなりました。また、参加されたみなさんにも概ね満足いただけたようで一安心しております。みなさんからいただいたフィードバックを元にさらにブラッシュして全国行脚できればと思っています。本当にありがとうございました。
数学大好きとしちゃん@中部
自分自身も大変多くの気付きを得ました。その気付きをここに書きます。
・定例会の内容
- 「信念」の「契機」(そう考えるようになったきっかけ)を考えることは、自分はどんな人間か、相手はどんな人間か、を知ることができる優れた問いであると確信しました。
- そもそも「信念」を見つけること、「信念」を文章で表現すること自体、大変難しいことであることが分かりました。
・定例会のプログラムデザイン
- ワークショップの進め方が複雑である場合、①誰でも理解可能な懇切丁寧な説明をする、②各テーブルにテーブルファシリテータをおく、③前述の①と②の両方をやる、の選択肢から考えると良いと思いました。
- テーブルの人数を少なくしたい場合、ベテランと初学者が偏りやすくなることを留意する必要があると思いました。
- テーブル内の発言を増やしたい場合、テーブルの人数を少なくすること以外に、テーブルファシリテータをおくことも検討した方が良いと思いました。
・最後に
- 今回得た気付きを今後の定例会のプログラムデザインに活かします。
- せっかくなので、本定例会の第二弾をやりたいと思います。
がく@中部
企画担当チームを作ってから1年余り。中部担当は「信念対立解明アプローチ」本を買ってABD勉強会を開くこともありました。ようやく定例会をお披露目でき、感慨深いものがあります。私個人では、これまでとはちがう役割をさせていただき、気づきが多かったです。特に、チーム分けに偏りがあったところ、時間が予想に反して余り気味になっていたところで、もう少しうまく対応できたんじゃないのかなと、、、この経験を今後に生かします。
ワーク内容自体は難しかったと思います。普段考えていない自分の信念を出し切るところ、FAJの場で対立を発生させること(でも本当の対立は困る)、ワークの進め方等。第二弾があるときは、このあたりを改良していきたいです。
全国行脚でブラッシュアップされてこのあたりが改良されることも期待しています。