2019年9月 第167回 緑テーマレポート:ブラインドワーク5中部支部
1.実施日時:2019年9月21日 (土) 13:00~17:30
2.会場:東桜会館 講師控室
3.担当:日本視覚障害者コーチ協会(JBCA):今井陽子、小池恭子、林優子
FAJ中部支部:平山広子、角谷裕司
4.参加者数: 参加者 7名
参加者の内 会員4名 +非会員(ゲスト担当者)3名
5.プログラム概要:
この秋、サザエさん一家に何が起きる?
これまでのブラインドワークによって、視覚を遮った状態では他の感覚が鋭敏になり、普段のコミュニケーションとは異なるマナーが必要になることを参加者の皆さんと体験してきました。
例えば、ファシリテーターが読んでいる顔色やボディランゲージは見えず、その場に居ると参加者同士が自らの考えや気持ちを音声にすることが必要であると分かってきます。
今回はブラインドならではのコミュニケーションをより自覚的に利用し、身近な社会的課題のファシリテーションに挑戦します。チャレンジャーの方のご参加をお待ちします。
○本日のゴール(目的、目標)
・視覚以外の感覚を高めて楽しもう!!
・先入観を手放して、相手の持っているイメージを素直に感じてみよう。
・ブラインドFの実験を通して、ファシリテーションの新たな可能性を探ろう。
○お約束(安心、安全の確保)
・秘密厳守
ここだけの話、プライバシーを守る
・発言はシンプルに
一人で延々と話さない
・ありのままに表現
感じたことを素直に発言
無礼講(ネガティブ、ハラスメントぎりぎりOK!)
○進行
(1) ウォームアップワーク
空気を読むワーク
手渡しワーク
音の風景ワーク
(2) オードブル
感覚トーク
サザエさんプレワーク
(3) ティータイムワーク
(4) メイン
ブラインドファシリテーション
原始人体操
ブラインドファシリテーションふりかえり
(5) 全体ふりかえり
6.参加者コメント
問1.FAJの通算加入歴を教えてください
一般: 3名
FAJ:4~5年:1名
8~9年: 2名
10年以上: 1名
問2.今回、このテーマを選んだ理由は何ですか?
このテーマに関心があった: 2名
問3.各設問にお答えください。
問3-1. 本日のゴールに到達したと思いますか。(5段階で評価して、丸をつけてください)
到達した([5]:0名、[4]:1名、[3]:0名、[2]:0名、[1]:0名)
無回答:1名
問3-2. お約束は守られていたと思いますか。(5段階で評価して、丸をつけてください)
守られていた([5]:1名、[4]:1名、[3]:0名、[2]:0名、[1]:0名)
問3-3. 進行・時間配分はいかがでしたか。 (5段階で評価して、丸をつけてください)
良かった([5]:1名、[4]:1名、[3]:0名、[2]:0名、[1]:0名)
問3-4. 今後、活用できそうなスキルやアイデアはありましたか。 (5段階で評価して、丸をつけてください)
多数あった([5]:1名、[4]:1名、[3]:0名、[2]:0名、[1]:0名、)
問3-5.最も印象に残ったワークはどれですか?
・ブラインドファシリテーション
結構深い対話ができた。
・サザエさんワーク
ヘビーだが、普段あるあるがリアルに出ていた。
問4.感じた事、気付いたこと、シェアしたいこと、改善点自由にお書き下さい。
・ブラインド→内省がより深まる。
問5.全体を通して、いかがでしたか? 5段階で評価して、丸をつけて下さい。
良かった([5]:1名、[4]:1名、[3]:0名、[2]:0名、[1]:0名)

7.担当者振り返り
ブラインドワークを定例会で行うのは、今回で5回目となりました。募集人数を下回る参加者2名でのワークとなりましたが、チームアイリスも参加者になり、まるでゲームをしているように楽しく研究ができました。
内容も前回までとはかなり変化し、ウォームアップの空気を読むワークや手渡しワークでは、見えないという不自由な中、協力し合うことで心の距離が近くなる事を感じました。感覚ワークでは視界からの情報がないからこそ、より情景やイメージ、想像力を膨らます事ができると感じました。
プレワークの「キャッシュレス化について賛成か反対か」のお題については、コンテンツ内容に興味が強く、ロールプレイになっていなかったと言う反省点も見られました。
ティータイムワークは、ブラインドで食べると、辛いお菓子はより辛く感じ、わさび風味は分からない、お茶などがありますと言って渡されたお水をお茶と思うなど、かなり混乱したティータイムワークになり笑いが生まれました。
メインワークのブラインドファシリテーションは、サザエさん一家をモデルに様々なシチュエーションをプラスして波平さんの介護についてブラインドで話し合いました。架空のサザエさん一家になり、お互いの立場を主張しましたが、ブラインドで主張することで、対話に集中できる、自分とは立場や考えが違う人を想像しやすくなる、声とその感情が突き刺さる、もっと攻撃的に言いたかったが感情が高まらなかったなどの意見があげられました。
また、波平さんの介護問題で、波平さんが頑になる場面では、音の風景や感覚ワークと同様に、同じ介護問題で話しているにもかかわらず、見ている(イメージする)風景が全員違い、話のすれ違いや誤解がおこる事が分かりました。そこで、合意に至には同じ風景を見る(イメージする)ことにより共感が生まれ、心が軟化していき合意形成がしやすくなる事に気付きました。
以上が報告になります。今回はかなり気付きが多いワークとなり、2名の方に参加して頂いたことで、大きな収穫を得た事を心から感謝致します。これからも皆様のお役に立てるようなブラインドワークを作っていきたいと思います。