2021年9月 第193回青テーマレポート:発散したけれど、その後どうしてる? 「収束のリアル」を語ろう中部支部

1.実施日時:2021年9月19日 (日)13:30~17:00

2.会場:オンライン会議システム「Zoom」

3.担当者ぐっちょ・じゅげむ・とばっち・ひろみ

4.参加者数: 会員17名、一般1名、担当者4名  [合計22名]

5.プログラム概要

■目標
「私たちはどうすれば現場でより納得度の高い収束を実現できるのか?」それぞれがヒントを見つけている

■進行
13:30~ オープニング
      ・趣旨・スケジュール説明 ・グループづくり
13:55~ 「収束」のプロセスを知る
      ・収束のパターン(ミニレクチャー)
      ・2つのパターン体験(グループワーク)
14:55~ 「収束」の現実を話し合う
      ・実際の話し合いでどこまでできている?
      ・ギャップがあるとしたらなぜ? (話し合い)
15:25~ よりうまくいくやり方を考える 
      ・現実を知るヒント(ミニレクチャー)
      ・どうしたらうまくいくか?(話し合い)
16:30~ ふりかえりタイムとクロージング
      ・ふりかえり(グループワーク) ・クロージング
17:00  終 了

■「どうしたら現場でうまく収束できる?」得られたヒント(抜粋)
(話し合いの前)
・発散の時間や収束の時間を分ける
・事前に議題を整理
・決めるためのルールを決める
・規模によってやり方を考える
(話し合い中)
・アイスブレイクしっかりやる
・意見の背景を深堀する
・少人数で話し合う
・他の人の意見も聞く
・テキストマイニングを活用
・何のために何を決めたいのか。を収束の時間で振り返る
・論点整理に戻る
・手書きでフレームワークを
(日頃の風土づくり)
・フレームワークを学ぶ会をやる
・関係性を変える
・話しやすい土壌をつくる
・勇気がいるが貫いて皆に経験してもらう
・あきらめずにやることで周りの人に少しづつ理解してもらう

<告知文>

中部支部では、ファシリテーションの基本的な考え方やスキルを取り上げて、学びや気づきを深めることを目指す「研鑽テーマ」の実施に挑戦しています。

初めて参加する人でも安心・安全に、主体的に関わって学び、練習・実践できる場づくりを大切にしています。

9月は「収束」をテーマに学びあいます。

発散したら収束、お約束の流れですが、この収束って難しいですよね。

書籍の基本通りの収束ってFAJ定例会だと形になるけれど、

実際のビジネスやまちづくりの話し合いとなると、なかなかうまくいかない・・・。意見はまとめたけど合意に至らなかったり、いろいろ話し合ったのに結局は鶴の一声で決まってしまったり、そんな経験ありませんか?

そんな収束の「リアル」を見つめなおし、

「私たちはどうすれば現場でより納得度の高い収束を実現できるのか?」をみんなで話し合い、ヒントを見つけていきましょう!

6. 参加者コメント

<良かったこと、役立ったこと>

■良かったこと、役立ったこと
・いつも難しいことをテーマに進めてくださってありがとうございます。
・プログラムと進行がすばらしかった
・収束をうまくいかせるには、勇気、忍耐力、巻き込み力
・ロバート議事規則は初めて知れました。フレームワークも学びなおそうと思えました。また、一般の参加者はファシリテーターがどうだと居心地が悪いのか、よいのか、多少なりとも体感的に感じられ、自分のファシリテーターとしての在り方を見直そうと思えるキッカケがいただけました。
・丁寧な事前の作り(スライドや資料)が良かったです
・収束について改めて学びなおすことができました。発散が大事だなと感じました。オンラインでも例会ができることを実感できたので、いつかサロンでもチャレンジしたいです。
・ファシリテーションで学んだことだけでなく現場に合わせた収束もあり
・新しいこと(フレームワークなど)を学び、実践できてよかった。それと、普段あまり資料も持ち帰りができないことが多かったけど今回は持ち帰りの資料あったので復習しやすく良かった。
・収束を合意までではなく、合意の手前と捉えた方ができた感が分かり、自己効力感につながりそうだと感じた

■改善が望ましいこと
・知識の提供や、ワークの進行のために手元になければ困る資料は冒頭から配布いただくとありがたいです。
・ロバート議事規則のミニ講義があそこにある意図がわからず次のワークに集中できなかった。それを考えさせる意図だったのであればまんまと考えさせられていました。
・ロバートの議事規則の「解説+寸劇」は、ワーク3でギャップをグループで話してもらって全体共有したあとに出してはどうでしょう?そうすると、「確かに自分達の小さいころから染みついているのかもね」と(少し)原因として納得して、そのうえで、「じゃあ、どうやったら」というワーク4につなげられて、むだに10分間の意図探しをワーク4の冒頭でしないで済むのかと思いました。
・グループワーク1~4があり,ほかのグループの意見もじっくり確認したいとの思いがある。グループワークをするときにチャットに貼り付けられるが,一番最後に改めて,すべてのグループワークのグーグルスライドのURL貼ってもらうとうれしいです。
・オンライン例会は初めての参加でした。職場ではオンライン会議多いのですが、全員マスクをしているので、マスク無しオンラインは新鮮でした(^_^)
・集合しての例会だと休憩時間の時にグループの人と少し話ができて、普段何をしている人なのかとか、さっきの発言の意図を聞いてみたりできるのですが、オンラインだとグループでも小話することが難しいですね。休憩時間もグループわけしておいたら小話ができるかもと思いました。
・ロバートはなぜ取り上げたのか最後までよくわかりませんでした(>_<)
・googleスライドのタイトルは短くしてほしい、間違って他のグループを開き書き込んでしまった。
・今後も定例会の資料を持ち帰ることを可能にしてほしい。(復習がしにくいのでできれば資料が欲しいです)

7. 定例会担当によるふりかえり

・自分たちの現場(組織の中)では「多数決」や「上司一任」等、「ファシリテーションの収束のステップを踏むことができていない/できない」との声が多く驚きました。単にスキルを紹介して練習するだけではなく現場実践をいかに実現させるか?を話し合うことの重要性を実感しました。参加者の中から発せられたように、「組織の中での風土や関係性を変えていくために、あきらめずに少しづつ周囲の理解を得る」ことが大事であり、多くの人が続けていけられるためにも毎月のFAJ定例会の意義があると感じました。
・担当チームで学習しながら生の実感や思いをプログラムデザインに反映し、コンテントをつくりあげていく取り組みをした結果、現場での実践に重きを置いたプログラムとなりました。ベテラン/初心者、組織内の実践者/組織外での実践者等、経験と立場の違いで受け止め方も異なったように感じました。オンラインでは口頭だけではなくスライドを使っての丁寧なインストラクション(意図の説明)を心がけていきたいと思います。
(鳥羽)


「収束のための手段は知ってるし、FAJの定例会では練習するけど、実際の現場ではなかなか活かせないでいるとしたら、それってなぜ? どうしたら実践できるのか?」という流れのプログラムでしたが、想定以上に「収束そのものを身につけたい」という参加者が多かったように感じました。
ただ実際は、現場で収束させる場面があるかというと、そうでもなく、そのギャップを埋める手段として、自身がスキルを磨く必要があると考えているのか

もしれません。
 FAJで学んでいるような発散・収束などの基本的な流れを、身の回りの話し合いにいかに取り入れていくか・・・粘り強くあきらめずに実践するマインド的なところも必要ですが、うまく取り入れるスキルも必要なように感じます。書籍でそういったところを扱っているものもありますので、それらを活用して、また収束について考える場面を設けたいです。
(ぐっちょ)

 ワークに参加いただいた方からの、話し合いの規模に応じてやり方は変わるよね、というご意見が一番の気づきでした。小さい集団だったり、アイスブレイクのような関係作りからやれる規模と、大き目な集団では収束の質も違うのかもしれません。そこも踏まえて、問いを立てる、話し合ったり、決める内容を提示できると理想的なのかも!と思っています。この点は日常生活にも活かしていけそうなので、意識をしながら使ってみようと考えています。

 今回はメンバーで話し合い、収束は合意の手前と定義していました。その見方に立つと、どのような話し合いでも必ず収束はあるし、収束に向かっていることを意識できれば、話し合いの目的に応じた手段を選びやすくなっていくんじゃないか?ということも感じられた良い機会でした。

(じゅげむ)

 実際、組織の中での「収束」は研修で学んだようにできていないことが多く、私自身が「収束って?」と感じていたことから、担当に手をあげ、企画運営をさせて頂きました。実務上では、「収束について」をあらためて、考えることができておらず、このような場で体感しながら考えることができ、有意義な時間を過ごさせて頂きました。そして、参加された方のご意見からも学ぶことが多く、組織の改善ポイントに気付くことができました。理想をいえば、その場にいらっしゃる方全員ファシリテーションの知識があることですが、安心・安全の場をつくり、会を進行するファシリテーターの力量が問われることもあらためて実感できました。そのためには、自分自身のスキルアップの必要性がありますし、レベルアップし、実践力を高めていきたいと思います。

それから、オンラインであるからこそ、企画運営しながらも参加者目線を忘れずに、携わっていくことの大切さも感じることができ、次回に活かしていきます。

(ひろみ)


以上