第54回:2009年6月20日 テーマ:超実践!With小・中学生 〜多様な参加者の中でのファシリテーション〜中部支部

■日時  2009年6月20日(土) 13:00〜17:30

■場所  ウィル愛知 第一セミナールーム

■参加者 会員31名 非会員3名
小学生2名 中学生13名 合計49名

■担当  とんぼのめがね(ひはら、きくち 林) アドバイザー上井

■概要  「超実践!With 小・中学生」
〜多様な参加者の中でのファシリテーション〜
(環境教育プログラム:街づくりのロールプレイゲームを題材とし、小・中学生を参加者に交えて開催)
■内容
○オープニング(20分)
・本日の狙いと流れ、ファシリテーター・チームの紹介
○アイスブレイク(30分)
・後出しジャンケンゲーム ・集合ゲーム(ここでグループ分け)
●休憩(15分)
○チェックイン(10分)
・グループ毎にチェックイン
○ワーク(1)(50分)
・グループワークの説明
・役割決め、個人で配置案を検討
・グループで配置について、話し合い
・同じ役割同士が集まり話し合い(寄り合い)での情報交換
* 個人毎に話し合いについての内容をチェック(1回目)
●休憩(15分)
○ワーク(2)(15分)
・再度、グループ毎で配置案について話し合い
○グループ発表(10分)
・グループ毎の配置結果をボードに張り出し、共通点や違いを確認。
・グループよりオリジナル・アイデアやアピールポイントを説明。
・環境プログラムとしての留意点を菊池さんよりミニ講義。
○振り返り(40分)
* 個人毎に話し合いについての内容をチェック(2回目)
1回目・2回目のチェック結果から、"街づくり結果の満足度"と"話合いのがんばり度"をレーダーチャート(模造紙)にプロット。
・レーダーチャートを題材に、ワークの過程を振り返り
○グループ毎発表(10分)
・ワールドカフェ方式で掲示・発表
発表者以外はぐるぐる廻りながら聞き取り
○グループの子供達へ感謝のフィードバック(15分)
・フィードバック用紙に記入し手渡し
●小・中学生 退出(帰宅) 16:40会場発
○今回の定例会に関しての振り返り(30分)
・小・中学生を交えてのファシリテーションを体験してどうだ
ったか?を振り返り。
・グループ毎シェア、チェックアウト
○事務連絡・現状復帰


■担当から
*企画・運営にあたる"多様性の確保と留意点"
企画段階から、どう多様性を設定するか、開催にあたっての注意事項は何かを議論した。
結果、初めての小・中学生を交えての定例会開催という形を取り、狙う設定自体は達成できたと思う。
留意点としては主に下記の6点を挙げた。
ア 休憩時間の確保、拘束時間の短縮など小・中学生の体調・安全に配慮する事。
イ 小・中学生が全体進行についてこられる様に「今、何をする時間?」がキチンと理解できるワークシート構成、アナウン
スや掲示を行う事。

ウ 振り返りにあたっては、話合いを見える様に、且つ正直な気持ちで言える様、工夫する。
エ 緊張をほぐせる様な導入を行う事。
オ 全グループでの多様性を確保できる組み合わせや工夫を行う。
カ 小・中学生をモルモット扱いにしない様、彼ら・彼女達が何を持ち帰る事ができるかをしっかり頭に入れて

*留意点に対しての結果診断
ア〜エについては概ね出来たのではないかと認識する。
しかし(オ)については人数の組合せ上、大人4人だけのグループを作らざるを得ず、一部の参加者には、その時点で満足度を下げ
る結果となってしまった。
事前に協力者を募っておけば調整が出来たと反省している。
(その他は大人4名子供2名のグループ構成)
(カ)については、非常に難しく現時点では判断が出来ていない。
これから引き続き聞き取りをしていきたい。

*ワークのコンテンツそのものについて
題材としては"非常におもしろかった"という意見が多数を占めていたものの、対立する構図が"ゆるい"という意見も複数あった。
役割の中で「ファシリテーター役」を明確に設定した方がよかったのではないかという意見もあった。

*多様性を増した状態でのファシリテーション
皆さんから頂いた振り返り用紙や声の中にも、"彼・彼女達"を大人と対等に話す事が大事だという声がたくさんあった。
「話過ぎず・引き出す働きかけを!」と注意した方も複数頂いた。
席の座り方(中央に座ってもらう)に注意したという方も。
これらについては全体共有を行わず、各グループでの振り返りという選択肢を取ったが具体的なスキルやマインドを総括してもよかっ
たかもしれない。
頂いた振返りシートの中で、私が一番ドキッとした(多様なメンバーへの注意点)は、「子供達の存在を温かく(行動に示して)承認する事。でも必要以上に同調しない事。私達は同じメンバーの一人」特に下線部分(要以上に同調しない事)は非常に大事なポイントだと
思う。
職場や地域でもメンバー構成は複雑さを増している。私自身も気を遣い過ぎている傾向にあり、一部の人に同調し過ぎて本質からズレていく場面がある事を気づかされた。

*全体を振り返り
新しい試みを行うにあたり、企画段階から様々なアイデアを入れて次第に膨らんでいく検討に対して、上井さんをはじめ運営委員の皆さんからは中学生に配慮するべきポイントを、定例会参加者の皆さんからは泡の会やメールにおいてシンプルにする必要性をアドバイス頂いた。
皆さんのおかげで、本質から大きくブレる事なく今回の準備・運営を進める事ができた。
「超・実践!」と謳い、多様性の設定を通常の定例会メンバー以外且つ年齢層の大きく異なる参加者と出来たのは良かったのではないか。
今回、大人だけのグループでは2名に"困ったちゃん"の役割設定を演じてもらう事をお願いしたが、実際にやってみると演じる事が困難である事も今回確認する事ができた。
企画の初段階では全員がこういった"演技"に頼る事も検討していたので、違う手法を選択してよかった。
次回には、また異なる多様性(老人・外国籍など)を設定するのも有効かもしれない。

*最後に
最も感謝すべきは、担当からの投掛けに対して答えて頂き家族の参加を調整して貰ったクニ坊さん、西野さん、そして家族の皆さん。
また遠く三重県大安町より駆けつけてくれた竹内先生と大安ハンドボール部の皆さんのおかげで今回の定例会が開催する事が実現できた。改めて感謝を言いたい。
以上