第55回:2009年7月13日 中部一受けたい理科授業  〜科学的な合意形成に挑戦!〜中部支部

2009年度中部支部7月度定例会
■日時  2009年7月18日(土)13:00〜17:30
■場所  東桜会館 第二会議室
■参加者 会員39名 非会員14名
■担当  上井,でこぽん,小椋,中野,松野(全員FAJ会員)
■テーマ  中部一受けたい理科授業
〜科学的な合意形成に挑戦!〜
■内容
○1限:オープニング (45分)
・本日のねらいと流れ、ファシリテーターチームの紹介。
1.ファシリテーターとしての幅を広げる。 2.科学的思考を鍛える。 3.科学的な合意形成にトライし収束力を磨く。 
・チーム分け。(理系度チェック科学クイズに,全員が挑戦し,正解数順にラインナップし,チーム分け)  
・チームビルディングとして,パンダの模様を描く

○2限(65分):理科授業,○3限(60分):理科授業
・日食観察ミニ講座
・中学3年生の理科,本日の課題「床の上を走っている台車にどんなちからがはたらいているか?」をもとに,ワークショップ型授業を実施。最終的にチームで科学的な合意に挑戦する中で,個人の考えの変化を,調査シートで4回チェック。
・ワークの合間に,
(1)中学1年生の理科「力」で,どんなことを学習したのか
(2)科学的とは? 実証性,再現性,客観性が必要
(3)日常知→科学知へ,日常知はなかなか変わらない。変換するためには,観察・実験・話し合いが必要
というミニレクチャーをワークの合間に挟んだ。
・ワークの後半では,力学台車とバネばかりを活用して,各チーム事で考えた実験に挑戦。
・最初は,バラバラな答えが,講義→話し合い→実験→話し合いにより,最終的には,一つの答えに収束した。各チームで,どのようなプロセスを経て,最終的な合意に行き着いたのかを発表。発表者の中には,他の方の考えになかなか納得がいかなく,チームのメンバーとのやりとりの中で,解答に行き着いた方が発表されていて,聞き入ってしまった。

○4限(60分):クロージング 

(1)ワークの振り返りねらいに対して,どうだったかの振り返り

(2)担当者へのフィードバック,チーム内のメンバーへのフィードバック

(3)連絡

■担当としての振り返り(参加者からのフィードバック,ワーク中の様子,泡の会でのご指摘をもとに)
○ワークについては,きめ細かくデザインし,時間配分もほぼよかった。
○チームでの話し合い,実験,チーム同士での情報交換など,メンバー同士で知を創り上げようとしている姿が見られた。科学が得意な方が,いかに苦手な方に対して,納得してもらうように説明をするか,また,苦手な方が,この問題について,得意な方にどう考えているのかを話すかなど,メンバー同士のコミュニケーションが活発であった。
○理系度クイズによるラインナップでチーム分けをしたが,今回,全体の1/3みえた初参加の方が,多く集まってしまったチームがあった。話し合いの場面で,あまり発言をされない方がみえた。チーム分けをした段階で,初参加の方と経験の多い方とのバランスを図る必要があった。
○今回は教師役がファシリテーターで,チーム内にファシリテーターを設定しなかった。自然発生的にファシリテーターが発生したかもしれないが,参加者の大半が理科の授業にのめりこんでしまう場となった。そのため,安心・安全でない場面が発生していたかもしれない。今回,チーム内にファシリテーターをたてたほうがよかったどうか,改めて考えてみたい。
○学校教育の授業の中で,グループ学習や話し合い活動は,昔から取り組まれている。子どもたちにも,自分たちで納得できる考えを導き出す。自分たちで知を創る。ために,ファシリテーションは重要なマインドであり,スキルだと確信できた。