第57回:2009年10月17日 赤テーマ:体感!!五感のファシリテーション 〜ドラムサークルファシリテ ーター〜」中部支部

2009年度中部支部10月度定例会赤テーマ

■テーマ:体感!!五感のファシリテーション 〜ドラムサークルファシリテ
ーター〜」
■担当:丹羽英人、鈴木正史(中部支部)
■日時:2009年10月17日土曜 13:00〜17:30
■場所:ウィルあいち 音楽スタジオ
■参加者:21名(会員19名、講師2名)
■講師:ドラムサークルファシリテータ
松尾志穂子さん(ぎふドラムサークル)、
みのうらやすよさん(Happy Beat☆。名古屋)

■狙い:
ドラムサークルは、幼児からお年寄りまで誰でも楽しめるテクニック不要の合奏エンターテイメント。
でも、いくら太鼓は叩けば音が出るもんだといっても、テンで勝手にみんなが叩きだしたら、ただ無茶苦茶な騒音になっちゃうのでは?
ところがそうでもないんです。そのドラムサークルには、ドラムサークルファシリテーターという進行役が存在していて、その場その場の音楽ができていくのです。。
じゃぁドラムサークルファシリテータって、強力な指揮者?独裁者?
どうなんでしょう?
ということで、ドラムサークルファシリテータを体験しちゃおうという試み。

これぞ、究極のノンバーバル!すばらしいドラムサークルファシリテータにドラムサークル体験をして一体感を味わうだけでなく、参加者それぞれがドラムサークルファシリテーターにチャレンジし、ノンバーバルコミュニケーションやチームビルディングについて気づく機会を得た。

■内容
1.気になった楽器の前に座り、説明もなくドラムコールでスタート

2.挨拶とグランドルールの説明

3.ミニ講義1
ドラムサークルと、ドラムサークルにおけるファシリテータとは?
楽器の扱いの説明

4.ドラムサークル体験
ミニミニ振り返り→さて何が起きた?

5.シェーカパスゲーム(リズムに合わせて隣の人へシェーカを渡していくゲ
ーム)
まずは右回りで、1、2、3と声をかけながらさらにスピードアップしたり、左回りに反転させたり、目を閉じてやってみ
たり。
そして究極は「どんぐりころころ」を歌いながら、さらにミッションワーク(落としたら、何か悪いことがおきちゃう?)

6.ラインとサークルの違いを体験(ラインでのジェスチャーゲーム)
横1線に並んで一人が前に立ち、ジェスチャーゲーム
ジェスチャーだけで複数の動作指示をする課題を2チーム交代で実施。
1チームゲーム中は、他チームが観察

7.ドラムサークルファシリテータをより深く知るミニ講義
また、ドラムサークルファシリテータは、ほとんど言葉を使いません。
では、ドラムサークルファシリテーターは現場で何を見て感じて何をするのか?

8.いよいよドラムサークルファシリテータを体験
なにが起こった?→キューをミスしてもサークルが意図を汲んで反応した。

9.全体振り返り

■ これは、ある有名なドラムサークルファシリテータの言葉なのですが、
「ドラムサークルファシリテータの究極の姿は、サークルの外に出ること」
つまりドラムサークルが自律的に機能している状態が一つの理想なんだそうです。
その状態にいたるまでの各段階では、場へのかかわり方もかわっていくのだとか。
何かチームビルディングの話と似てませんか?

■シェーカパッシング後の振り返りコメント
・笑いがおきた アイスブレイク
・どんぐりころころをよく知っていた
・左の方が慎重になった
・目を閉じたときの方が触覚等を使った。
・目を閉じたときだんだん距離の取り方がわかってくる
→相手が受け取り易いように渡すようになる(五感を使ったコミュニケーション)
・123 渡すことに集中してください」というルール
→受け取るということに気持ちが向いていた
・歌ったり拍子をとったりすることにより気持ちが合わせやすくなった
・一体感 呼吸が合ってきた
・全員参加をしないとゲームが成り立たない

■ラインジェスチャーゲームでの振り返りコメント
・伝えることのむずかしさ、1対他の関係
・キューの簡略化が起こった!チームが一歩成長した瞬間。
→サークルの意味は、全員お互いが見えていること。
・他の人の動きに気がつくと収斂が早い!

■全体振り返りでのコメント

・テニスサークルのサークルと思っていた。輪だったんだ!
・タイコが欲しくなった、たいこをうまく叩きたい
・頭が真っ白になった、キモチよかった
・みんなで作ったのがうれしい
・自然と回りの人をイシキ
・感じることで共感することに気づいた
・受け入れてくれる気持ちを感じた
・ウッドシェーカのワークを会社で使いたい!
・チームビルディングとの関係に気付いた
・今日はドラム以外の時にも使えそうなヒントをもらった
・子供が鳴らしても叱らないようにする

--メールでの感想------------------------------------------------------
仕事も忘れる没頭感
胎内にいるような安心感
頭が真っ白になるぐらいの爽快感
終了後の心地良い疲労感
温かいモノを残した仲間と飲むうまいビール!

ネイティブなファシリテーション・・・。
自分が言葉で学んできたものが、言葉抜きで身体の内奥に直接刻み込まれたような手ごたえがありました。

活性化、沈静化、発散、収束、リード、サポート、チームワーク、傾聴、受容、安全安心、一体感、信頼、創造、、、

翌朝家族に対し、食卓を叩きながら、皆に音を重ねてもらったりして、お父さんのファシリテーションへの取り組みを説明したのですが、今までで一番分かりやすい説明だったようです(笑)。

そもそも不正確で扱いづらい道具である「言葉」を使って、ファシリテーションを行わねばならないところに、
我々ビジネスマンファシリテーターの悲劇があるのでは、という「苦労の正体」も垣間見ることができました。

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【チームビルディングについて】
チームビルディングを結構大きめに謳っていましたが、チームビルディングとして考えると、・終始全員で輪になっていたので、チームに分かれて話し合いをするようなワークと比べると、「広くて浅い」と感じた今回のドラムサークルの目的は、チームビルディングではなく、ファシリテーターとしての視点だったことも、あるかもしれません。

・太鼓以外にも、色々変わった楽器が置いてありましたが、それがお話しするきっかけになったりしました。


一度で効く魔法のようなものではなく、何回か繰り返すことも大切

【引き出しの1つ】
一番の気づきは、ただ楽しんで太鼓を叩くとこだけが目的でなく、みんなで太鼓を叩くこと(手段)を通じて、成長を促す(目的)
(太鼓や楽器に限る必要もなく、日常の何でも手段になりそうですね)


【安全・安心について】
・太鼓自体を叩かない人が居ても、叩くことを強制するのではなく、居るだけでも参加していると認めて、こちらはドアを開けて
待っているという気持ちで接している。
・なかなか言うことの効かない子供を扱うコツについて質問の回答で、『目立とうとする子は、普段周りから認められていないから
そういう行動を起こすことが多くて、周りが「またこの子か」という空気になっても、自分が見守る気持ちで接していると周りも見守る気持ちでみるようになり、目立とうとする子が自分から(円の中心から)元の位置に戻ったとき、みんながその子の成長を喜んだ』という体験を話されていました。

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ドラムサークルファシリテーターが熱く語られたファシリテーションへの想いが、我々がこだわっている部分と共通点がある、というより全く同じ、という点には、新鮮な驚きを感じ、感動

振り返りについては、特に不足ではなく、良いテンポだったと思いますよ。
音と波動で得た感動を言葉に変換せねばならない点に、おおいに不自由さを感じていました。
振り返りの対話があまり長かったら疲れたでしょうし、せっかくの波動が理屈に置き替えられる興ざめも怖いですよね。
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