第65回:2010年6月19日 ワールドカフェの手法を使ってグランドルールについて考えてみよう中部支部

 中部支部 6月定例会 議事録 

■日時:  2010年6月19日(土)
■場所:  名古屋市公会堂
■参加者: 36名(会員31名・一般5名)
■担当:  クニ坊、鈴木正史、村岡千種、鳥羽秀人(中部支部)

◆テーマ: ワールドカフェの手法を使ってグランドルールについて考えてみよう

◆ねらい(定例会案内文より):
ファシリテーションにおける「グランドルール(基本ルール)」とは、会議や話し合いを効果的に進めるために参加者全員で守る決めごとのことを言います。
中部支部では2007年5月の定例会で「定例会のグランドルール」を定めました。
今回の定例会では、「ワールドカフェ」の技法を用いて、ファシリテーションにおけるグランドルールの大切さについて考え、中部支部定例会のグランドルールに対する理解を深める場をつくりたいと考えています。

◆内容: 
公会堂内の2会議室を使って、同じテーマを同時並行で進行した。
5,6人のグループに分かれて「今日1日のグループで守りたいルール」について話し合いをした後、ワールドカフェの手法に則り、「本音で話し合える安心・安全な場をつくるにはどうしたらよいのか?」をテーマに3ラウンドの話し合いを行った。
その後、「FAJ中部支部定例会で安心・安全な場をつくるには私たちはどうすればいいか?」をテーマに各グループで話し合いをし、最後は両会場参加者一同に会してのテーマまとめ発表と全体ふりかえりをした。
中部支部定例会のグランドルールとして謳っている「安心・安全な場」に対する意味・意義の理解を深めあうとともに、今後の関わり方や運営につながる問題提起やアイデア提案を出し合うことができた。

◆担当Aふりかえり:
(1)オープニング
開始から5分以内に発散させるというのが僕が大切にしている手法です。にもかかわらず準備していなかったことに直前に気がつきました。自己紹介しながら考えて、テーマに対する関心を質問したりグランドルールについて少し話しあって頂くことにしました。迷いながら開始したことが「緊張感」に繋がったと受け止めています。申し訳ございません。
グランドルールに対するイメージを最初に取り上げ会場全体で確認したことはその後に良い影響を与えたのではと考えています。
(2)グランドルールについて
全体シェアでご指摘いただいた通り、グループでグランドルールに振り返ってもらう時間を取った方が良かったと反省しています。これは今後の定例会に託したいと思います。
(3)ワールドカフェ
全体としては場の力に任せて自然な流れで進めたのではないかと考えています。テーマに関しての気づきはワールドカフェの機能について感じたことです。ワールドカフェのテーマ(問い)としては抽象的な方がいろいろな意見が出やすく向いているそうです。その点ではいきなり皆さんに投げかけてことは良かったと考えています。その一方、最終的に「中部支部としての安心・安全の場作り」につなげるには担当者の考えを提示して狭めておく必要があると感じました。なお、最後のテーマに「本音」が抜けたのは、取り上げなくても十分伝わっているという担当者の思い込みがあったと僕は反省しています。勉強になりました。ありがとうございます。
さて、今回のデザイン設計において、もう一工夫することで解決できたのか、そもそも収束することが目的であるならワールドカフェが不適だったのか、ワールドカフェ終了時点で全体シェアをしてから最後のセッションに入ればよかったのか(時間的には無理でしたが)等と課題を残せました。今後の研究していこうと思います。
ちなみに僕の「本音で話しあえる安心安全の場」は、対立を歓迎するあるいはため
らいなく自己開示できるような話し合いが出来る「場」でした。
(4)全体シェア
担当者で話し合い急遽、会場ごとから全員でのシェア&振り返りに切り替えました。これは良い判断だったと思っています。理由は本音で話し合いが発生したような気がしたからです。反省点は振り返りの時に「輪」になって話し合えばもっと深い話し合いになっていたかもしれません。いずれにして振り返りを開始したとばっちの機転に感謝しています。
(5)定例会の位置づけ
定例会の位置づけは参加者によって様々なためテーマにすると面白いと感じました。僕の考えは以下の通りです。ファシリテーター協会ではなくファシリテーション協会であるので別にファシリテーターを目指さなくとも対話を楽しむだけでも参加目的としては十分だと考えています。経験の長短でのクラス分けは反対です。経験が浅い段階では他人のファシリテーションを見て学び、定例会で実践してみてフィードバックを貰い修正していく方が身に付くと考えています。
最後の空調の環境が悪い中、お付き合い頂いた皆さんに感謝します。特に第一会場の皆さんには会場室温がさらに上昇するくらい熱く語り合って頂きありがとうございます。ファシリテーター冥利に尽きます。運営委員、そして親愛なる今月の担当者に感謝しています。機会があればまた組みましょう。

◆担当Bふりかえり:
ありがとうございました。
2会場に分かれての並行実施、温度・湿度が高い中エアコンがないという悪条件の中にも関わらず、皆さま熱心に質の高い話し合いをしていただけたと思います。皆さまのファシリテーションに対する熱意と担当者への心温かい寛容さに深く感謝いたします。
皆さまの成果物である模造紙を部屋に並べてみて、私たちが大切にしたいことを時々このように再確認することは大変重要だなと改めて感じたとともに、グランドルール以前の運営のあり方についても検討すべき意見・アイデアがたくさん詰まっていて、いろんな課題を認識できた場だったなとふりかえっています。
皆さまからの貴重なアウトプットを今後どのように活かしていくか、今回の担当と運営委員会にお預けいただきたくお願いします。
私自身は、安心していろいろなことにチャレンジでき、安全に楽しみ成長できる中部支部、安心して自分の考えや気持ちを出すことができ、葛藤や対立も含めて安全に話し合うことができる定例会、そんな場づくりができればと願っています。これからも皆さまと一緒に築いていきたいと思います。よろしくお願いいたします。