第66回:2010年7月17日 赤テーマ 実践に使える構造化のスキルII中部支部

2010年7月17日  実践に使える構造化のスキルII
〜構造化のスキルで、"誰もが納得する結論(最適解)"を作りませんか?〜
FAJ中部支部 7月定例会議事録

■日 時: 2010年7月17日(土) 13:00〜17:30
■場 所: 東桜会館 集会室
■参加者: 20名(会員17名、一般3名)
■担 当: 加藤誠、川上雅幸、北川芳一、榊原章光(FAJ中部支部)

テーマ: 実践に使える構造化スキル パートII
 〜構造化のスキルで、"誰もが納得する結論(最適解)"を作りませんか?〜
◆ねらい:
 話し合いの内容は込入ってくると、つながりがわからなくなり、
もう頭の中では整理不能!いう状態に陥ることがありませんか?
そんな時には、話の内容を紙に書いてみることは有用です。
内容を分類してみたり、関連付けしてみるともう 少し頭の中が
整理できてきます。
では、整理した内容はきちんと筋道が通っていますか?
ほかの人が見ても 納得感のある結論(最適解)を得るには
どうしたらよいでしょうか。
 今回は図化、図解を通して論理的で誰もが納得し易い結論
(最適解)を出すにはどうしたら良いかをみなさんといっしょ
に考えてみたいと思います。

◆概 要:
 構造化のステップを跳び越さず、順番に進めていくことで、メンバーの論理
度の優劣にかかわらず、一定の水準で、HOWツリーの作成を体験できるよう
に3つのワークから構成されています。
 つまり、第1ステップは、読解し、共有して、事実の関連性を描きます。この
ステップがとても大切と考えています。第2ステップは、いくつかの論点が考え
られますが、時間の制約もありますので、「迫力ある試合を安全で楽しく観戦する、
させる」という論点に限定して、ロジックツリーを3つのステップで作成します。
そして、第3ステップでは、最終目標である誰もが納得する結論(最適解)を出す
ために、作られたものが、参加者以外の第三者に受け入れられるかについて論理
性を検証し、この作業をとおして、最適解に至るにはどうしたらよいのか考えます。
ワークショップ形式で運営しますので、それぞれが先生であり生徒です。答えも一つ
とは限りません。

◆内容:
1.オープニング(13:03〜13:15 定刻より遅れて開始)
・支部長あいさつ、グランドルールの説明
・グランドルールのプロジェクト、支部イベントのメンバー募集
・来月の定例会予告

2.チーム分けと場づくり(13:15〜13:45)
・MECEの説明をした後、頭のウォームアップクイズと題して、頭の
柔らかさをチェックするクイズ※を行い、A4の用紙にMECEな指標を数
多く書けた人から順番に並んで、ナンバーをコール(1〜4)してチームを
分けました。
※(企業・団体・組織で勤務している人を分類する指標・基準を数多く箇条書
きしてください。時間は、3分間)
 その際、チームのメンバーの偏りが生じないように運営委員や初参加者など
の配分に注意しました。
→ラインナップまでには全員集合しましたのでその後の交通整理は不要でした。
また、ワーク3の前に帰宅する人がいましたが、各チームに3名ずつはいまし
たので運営に支障はありませんでした。
 チームに分かれた後は、クイズの答えや数、お名前やお仕事などを話題に
チェックインの時間としました。

3・ワーク1(13:45〜14:25)
 次に本日のねらいとプログラムの説明をした後、ワーク1に入る。
 ワーク1の内容 
事実を要約し、原因と結果について考えてみよう。
(1)起きた事実を要約して抜き出してください。
 事例を参加者各位が一読し、その上で、チームで事実を整理します。
(2)原因と結果について話し合ってください。
 事実と事実の関係についてチーム内で話し合います。
(3)原因と結果の関連性を描いてみてください
 事実と事実の時間的なつながり、相関関係、原因と結果の関係について話し合い、
文章中に色々な論点が含まれていることをメンバー間で共有することを目的としま
した。

4-1 休憩(14:25〜14:35)
 遅れ気味のチームにあわせて、他のチームを見学する時間をとるため休憩としました。
→当初はワーク1のあとは、まず振り返りの時間をとってプロセスを中心に振り返ってもらい自分の行動、メンバーの行動をとおしてチームの活動を客観的にみてもらう予定でした。

4-2 ワーク1の振り返り(14:35〜14:50)
 他のチームの活動を見た後で、チームの活動を振り返り、自分の行動やメンバーの行動を振り返ってもらいました。

5.ミニレクチャー(14:50〜15:00)
・パワーポイントを使って、後半のワークを始める前に、構造化の進め方について簡単に説明を行いました。

6.ワーク2(15:00〜15:50)
その内容 多様な視点で解決策を考えよう。
前提 「迫力ある試合を安全に楽しく観戦する・させるには何が必要と考えますか?」
対策 「そのためにはどうしたらよいと思いますか?」
(1)お客さんと球団・県の二つの視点で対策を考えてください。
(2)アイデアをグルーピングしてください。
(3)安全で楽しく観戦するにはどのようなことをすればよいでしょうか?
 ステップごとに行うことを想定していましたが、進み具合が異なってきたので、5と6は一度に説明して終了時間を告知しました。

6-2 休憩(15:50〜16:00)

7.ワーク3(16:00〜16:50)
その内容 論理性を検証してみよう。
 隣り合ったチーム間で、チームで作った解決策を発表し合い、その論理性を検証します。
 進め方はどちらが先に発表するか、お互いに相談して決めた上で、発表、質疑、発表、質疑その後は自由に討議をしてもらいます。自分たちの作品は壁に張ってプレゼンしてください。(30分)
 そのうえで席に戻って、コンテンツについて2チームで振り返りをしてもらいます。振り返りの内容について発表の時間はありませんが、チーム内でシェアするため書き留めてください。(20分)

8 振り返り(16:50〜17:25)
振り返りシートの記入とチーム内でのシェア(10分)
 個人で振り返りシートを記入し、チーム内でシェアしてもらいました。
定例会担当の考えた今回のワークのゴールイメージを説明(10分)
全体での振り返り(15分)
 参加者が椅子だけで円をつくって、全員で振り返りを行いました。1人30秒程度の発言の時間をとり、最後に定例会担当者がお礼の挨拶をしました。

9 現状復帰(17:25〜17:30)

◆参加者アンケート等から
  振り返りシートより
・ 最初はわけわからず・・・いわれたままを進行していました。でも、それも含め、こういう方向だとこうだよね。ということに気付きました。構造化を最後までやりきってしまったと思いました。担当のみなさんお疲れ様でした。ありがとうございました。
・ 場の共有は新たに展開し、まとめることにつながる意味でよかったです。また、参加します。ありがとうございました。
・ ワーク3はロジックツリーからさらに収束していくワークにするのかなと思っていました。
・ ありがとうございました。難しいテーマを担当して頂きありがとうございました。即、実践につなげることができます。パート?よろしくお願いします。
・ (事実を)時系列で書き出した点はわかりやすかった。
・ 事実を事実として書き出せた点が成果。
・ 立場により(客/球団)により同じ対策でも見方が異なる。
・ 「最適解を導く」迄に至っていない。ここから先が欲しかった。
・ MECEをしてみて足りないところに気付きました。
・ 面白かった。
・ アイデアを出してMECEになっているかという議論をする時間が少なかった。
全体振り返りより
・ モヤモヤしています。でも、そんなに簡単に構造化はわかるものではない。最後の最後の構造化ではなく、途中の構造化(合意形成より前の構造化)もあるのですね。
・ (どうしても発言がそれてしまい、)プロ野球を安全に、楽しく観戦する、させるというも目的にそって意見を参加者に出してもらうことは難しかった。
・ 楽しく体験できました。

◆担当者のふり返り
・ 全体としては、初参加の方に配慮した、また定例会のやり方も原点を意識したものになっていたことは良かったと思います。
・ 構造化の世界に参加者を前回(構造化のスキル パートI)より巻き込めたと思っています。
・ ふりかえり、他チームの見学、話し合いなどを入れたことでワーク中に追いたて感がなくて良かったと思います。
・ テーマが難しく、興味があっただけに、色々な声がでていますが不満からでなく、ワークそのものは楽しく学んでもらったと思います。
・ サブタイトルで与えた印象と担当者側が意図したねらいがずれてしまいました。
・ 冒頭、テーブルファシリテーター、タイムキーパーなど役割分担を促したため、初参加者への気配りはできていました。
・ ワークに入ると経験者が前に出すぎていました。F役に、かなり個性が出て、引っ張り過ぎの人、チーム内で1人の発言が多く他メンバーの引き出しができていないところもありました。
・ ステップを分けたのは構造化のスキルの高い人の独走を防ぐためです。しかし、折角ステップを分けたものの、それを守らず勝手に進んでいるチームがあったのは残念です。
・ ミニレクチャーの後で、あらためて、全体のプロセスを説明し、ワーク1を設けた理由をいれると参加者の理解が深まったかもしれません。
・ 構造化に慣れている人が引っ張ったから今回の作品になったのかそうでなかったら、どのような作品になったのかを参加した人と意見交換してみたい。
・ 担当者としては、機会を与えてもらえるならば構造化のスキル パートIIIを行いたいと思っています。