第70回:2010年12月18日 赤テーマ 「FAJ中部実践事例研究会」 〜ファシリテーション成功のコツって何? 実践者が大事にしていることは?〜中部支部

中部支部 12月定例会 赤テーマ 議事録

■日 時: 2010年12月18日(土) 13:00〜17:30
■場 所: ウィルあいち 3F会議室6
■参加者: 40名(会員33名、一般7名)
■担 当: 小椋 浩一、上井 靖、黒川 弘美、西室田 一彦(FAJ会員)
       宇井 克己(特別参加)
◆テーマ:「FAJ中部実践事例研究会」
        〜ファシリテーション成功のコツって何? 
                 実践者が大事にしていることは?〜

◆ねらい(定例会案内文より):
 ビジネスマンや教育者はもちろん、ファシリテーションを実践した いと思っておられる全ての"同志"の方々を対象に、上記をテーマに掲げ、実践ファシリテーター4名と講師を招いて、実践への情熱にあふれた、にぎやかで楽しく、そして最後には明日への勇気を得られる会を開催する。
 江戸末期、農村改革の偉大なファシリテーターであった二宮金次郎が、「積小 為大」という言葉を残している。これは、「ちょっとした工夫でも積み重ねていくと、やがて大きな成果と なる」という意味である。今回ご紹介する実践事例は、これにちなんだ4種類の実践事例(下記)を準備した。

◆内容:
I.オープニング
・ はじめのことば,本日のねらい・流れ説明
II.実践事例紹介
(1) ちょっとした工夫で組織風土を変えるお話 
■(西室田一彦)『実践事例 人材開発部のケース−全員ミーティング導入』
ちょっとした工夫で会議を変えるお話
■(黒川弘美)『会議の質を向上させるちょっとした工夫の数々』
(2) これまでの積み重ねで会議が変わってきた!お話
■(上井靖)『学校現場でのファシリテーションの可能性〜会議・研修,授業において〜』
(3) これまでの積み重ねで組織風土が変わってきた!お話
■(小椋浩一)『組織活性化二択クイズ(7問)「成功につながったのはどちら?」』
III.プチ講座
・ このたび本を出版された株式会社ナレッジ・プラクティス・コンサルティング代表取締役の宇井克己氏をお招きし、「成果を出し続けるチームの会議とは?」についてお話いただいた。
VI.グループディスカッション
・ グループ分けは、4つの実践事例の内、参加したいものへの自由希望で。
・ グループ毎に、ナマの実践事例をサカナに、「成功のコツ」や「大事にしたいこと」などについて、存分に語り合った。
・ 最後に全体で発表会を行った。
V.クロージング
・全体での振り返りおよびシェア
・担当者振り返り・お礼のことば,連絡

◆担当より

・ 参加者に職種を伺ったところ大部分がビジネス系だったが、学生さんの参加が数名あった他に、教育系、医療系、まち系なども居られた。いずれもファシリテーションを実践・活用したいと考えておられる方々で、かなりの経験を積まれている方も多そうだった。
・ 実践事例の発表は4ケースあった。それぞれの職域の中で、いずれも独特の問題を抱えており、その解決のためにファシリテーションを活用しようとするもの。やはり、なかなか一筋縄では行かないことがほとんどで、当初は思うような成果が出なかったり、反発や拒否反応を受けたり、といった障害にいずれも直面している。が、実践者自身の経験や粘り強い改善の蓄積、そして何より活動の継続によりある程度の成果を出しつつあり、感心した。自分の取り組み上にも有用なヒントが多く、大いに参考になった。
・ 参加者はいずれも実践志望者だけあり、グループワークおよび発表会、そして全体での振り返りは大変盛り上がった。これはプログラムとして、具体的な実践事例および解説(プチ講座)を一緒に聞いた後に話し合ったことや、グループ分けを希望テーマによる自由選択にしたこともかなり寄与したと思う。
・ 事例(4)では、成功事例と失敗事例の二択クイズを試みたが、結構票が分かれた。もちろん、そもそも問題に挙げた事例は、自分にとって学びとなった"意外な結果"も多かったため、無理もないと言えるところもあったが、職場の特性によって解決策が決して一通りではない部分も感じた。「全問不正解でした」という参加者と終了後に話をしたが、「かえって多くの気づきを得られたので良かった」とのコメントをいただきホッとした。
・ これによりヒントと勇気を分け合った実践者同志方々が、より一層現場の問題解決にファシリテーションを活用し、成果を上げていくであろうことを心から願いたい。(小椋)

・ プチ講座では、事例発表をされた4人の方々の内容を次の3つの視点から整理して、伝えた。
「組織の方向性(ベクトル)を合わせる」、「コミュニケーションの質と量を高める」、「メンバーの貢献意欲を高める」
・ 事例発表の内容が非常に的確にまとめられていたので、それらの内容を活用しての講義は進めやすかったと感じている。
・ また自例発表の内容を最後繰り返して講座の中で伝えることで、参加者の理解を更に促すことができたのではないかとも感じています。(宇井)


・ 今回の発表では、実践者はみんな苦労をしているので一緒にがんばっていこう、ということとまずはやってみることが大事なので勇気をもって一歩踏み出そう、ということを伝えたかった。反応を伺ってみてある程度伝わった感じがしてとてもうれしかった。
・ 参加者の方々の雰囲気、聞いてくれる態度、反応がしゃべり手にとってとても心地いいものがあり、安心して話すことができた。
・ 想いや抽象的な話を中心にしたので、具体的な工夫を知りたい方には物足りなかったのではないかと質問から感じた。
・ 今回のコンセプトや4人のポジショニングを小椋さんが最初に示してくれたので参加者の方々も心の準備が出来て聞きやすかったのではないかと思う。また4人の事例の組み合わせと宇井さんのまとめにより多様な参加者のニーズにも応えられたと思う。
・ 未経験の方や始めたばかりの方々が腹落ちし、実践につながるまでいくには、やはり時間が足りない気がした。聞いてもらう時間と話してもらう時間のバランスが難しいと感じた。
・ 今回の機会を与えていただいたことにより、これまでやってきたことや自分の想いを整理することが出来て本当にありがたかった。今回の発表がみんなの学びや勇気に少しでも役立つことが出来たらとても光栄なことだと思う。ありがとうございました。(西室田)

・ ファシリテーションを会議の効率を促進するスキルと思っている方より、組織活性化のスキルと考えている参加者が多いように感じた。しかし、ワークショップで話を聞くと実践の機会としては会議進行という方が多く、実際に困っていることとして出た課題も会議の進行だった。会議も仲間と連携してファシリテーションをすることが、活発な場にする秘訣のようにも感じ、参考になった。
(黒川)

・ 事例発表のプレゼンをつくる過程で、不安と覚悟が入り交じる現場・組織でこそ、ファシリテーションが効果を発揮するのではないかという仮説を持つことができました。みなさんいかがでしょうか?みなさんの事例発表をお聴きしたなと思いました。事例発表の機会をいただきありがとうございました。(上井)