第71回:2011年1月15日 AI(Appreciative Inquiry)を体験しよう!! 〜笑顔の花いっぱいの過程、職場、コミュニティ〜中部支部

中部支部 1月定例会 報告

■日 時: 2011年1月15日(土) 13:00〜18:00
■場 所: 東別院会館
■参加者: 59名(会員52名、一般7名)
■担 当: 北川芳一、榊原章光、鳥羽秀人 (中部支部)

◆ファシリテーター:香取一昭
◆テーマ:AI(Appreciative Inquiry)を体験しよう!! 
〜笑顔の花いっぱいの過程、職場、コミュニティ〜

◆ねらい(定例会案内文より):
1.欠点ではなく美点を、過去ではなく未来の可能性に注目するAIを体験できます。
2.AIインタビューで過去、現在、未来を探究できます。
3.私たちファシリテーションを学ぶものが目指すものを探したいと思います。

 AIは、Appreciative Inquiryの略です。一般的には組織変革の手段といわれていますが、それ以外にも、コミュニティ開発、個人の変革、小規模グループの開発など多方面で使われています。
 AIってそもそも何という質問されたら、真価を発見し探究することだと答えてください。その真意はこの定例会で体験してご確認ください。あるべき姿と現状のギャップを分析し、問題を解決するプロセスでは得られない達成感があります。
 今回はこの手法を活用して、私たちが集うテーマ「ファシリテーション」を探究します。また、AIのアプローチには幾つかありますが、今回は代表的な手法であるホールシステム4Dダイアログの最初のDを主に体験します。チェンジ・アジェンダ(変革の検討事項)は「私たちファシリテータが目指すもの」、アファーマティブ・トピックス(潜在力活性化テーマ)は「笑顔の花いっぱいの家庭、職場、コミュニティ」です。
 新春にあたり、AIの世界を探究し、中部支部に笑顔の花をいっぱい咲かせましょう。

◆内容:
I.AIに関する簡単な解説
・AIとは?、AIの6つの原則、4Dサイクル 等
II.AIインタビュー、ポジティブコア
・ペアになって相互にインタビュー:「これまでの人生の中で人々の笑顔に囲まれていた時のことをできるだけイキイキとお話ください」他
・ペアが3組集まり、6人のグループとなってインタビューでのストーリーを共有、キーワードを抽出
・キーワード全体のイメージを表現するポジティブコア・マップを作成、全体で発表・共有
III.ワールドカフェ
・「笑顔の花いっぱいの過程、職場、コミュニティ」を実現するためにファシリテーターはどのような役割を果たせるでしょうか?
VI.全体ふりかえり
・質問、意見、感想

参加者の声 
インタビューを終えての質疑
・ (笑顔の思いでといわれても)最初は思い出すのが大変だった
・話しているうちに気分がハイになり、高揚してきた。
・ 質問したあとで答えることで答えやすかった。
・ インタービューをして気分が良くなった。

ワールドカフェを終えての質疑
・ 中年ジャンプというポジティブコアマップの作成に関係した時はそのイメージに違和感があったが、舞台の人ばかりでなく、それを見守る観客の視点を見ていなかったことが原因だった気付かされた。
・ 問いの出し方、つまり、テーブルの模造紙に正確にテーマを書いたグループとそうでないグループで話し合うテーマが異なり、ゴールが変わることを再認識した。
・ 最初のグループではポジティブコアマップについて対話していたが、移動したグループではファシリテーションについて対話していた。
・ 同じテーマでこんな見方が違うことがわかり、行き詰りを打開できるのではと思った。

全体振返り (質問、意見、感想)
Q インタービュを行うときに人数の制限はありますか。
A 1人ではできませんが、人数が少ないと駄目ということはありません。
自分をいれて5人でインタビューをやったときは、問いについて1人1人発表させました。インタービューでは自分の話したことを相手が話すので、インタービューを受けた側はリストリーを通して自分の話したことを相手がどのように受け取ったかについての気付きが得られます。また、インタビュアーが語るインタービュー内容は、インタビュアーの考えを投影しているという側面があります。

Q ポジティブコアマップをつくることの意味は何ですか。
A インタビューをして、ストーリーの共有、キーワードの抽出、親和図の作成をへて、理屈としてポジティブコアを共有するという考え方もあるが、AIでは、左脳と右脳の両方とりいれた方法をとることで、理屈としてだけではなく、実際に目に見える形で、右脳的に表すことによって、それぞれの想いや意味を共有し、イメージとして明らかにすることでより深いレベル共有することができると考えるからです。

Q最初のグループを知らない人同士でやる意味はなにか。会社では知らない人どうしを探すことが難しいと思う。
A知らない人同士でやるのは日頃お話をしたことがない人つながりつくり視野を広げるためです。知らない人が集まることは会社でやる場合を想定したものではありません。定例会でAIを開催するにあたっては、色々な人がいるのでテーマが特定しにくかった。今回のテーマはあえて共通点を言うならば世の中をどうするかというテーマだと思っている。

Q質問はポジティブな形をとっているが、ネガティブな面はフォーカスしないのか。
A実行面、つまりデザインの段階ではネガティブな面についても検討することになる。

Q過去の経験に学んでも新しいものは出てこないのではないのか。
A過去に経験したことをベースにして未来を構想するというのではなく、過去に経験した最高の状態を可能にした源(個人や組織の強み、価値、スキル、エナジャイザーなど)は何かを探求します。そのことを通して人や組織が本来持っている価値や可能性に気づき、それを最大限に発揮させたときにどのような未来になるかをイメージし、それを実現する方法について探求することになります。いいかえれば「過去の経験(事象)」そのものを参考にするのではなく、過去に経験した最高の瞬間を可能にした原因に目を向けることにより新しい可能性に気づくことができるのです。

以下、アンケート結果 
参加者総数 59人 香取さん、喜多さん、榊原を除くと 56人
男性 36人 女性12人 不明 1人
アンケート用紙の回収は 49人 回収率 87.5%
属性 40代が一番多い 21人 30〜50代で 81.6%、県外者9人

2 本定例会への参加を決めた動機は 
2-1 56.3% AIについてもっと知識やスキルを深めたかったから
2-2 22.5% ファシリテーションについてもっと知識やスキルを深めたかったから
フリーアンサー
ファシリテータが香取先生だったので
愛知県に引っ越して一年未満新しい人とのつながりを求めて
AIを知らないので、知りたかったので

3−1 満足度をお聞かせください。
満足度
 オープニング72.3%、セッション69.4%、クロージング55.6%(やや不満が一番多い)
フリーアンサー
・ AIと言われているものがどんなものなのか理解できました。ありがとうございます。
・ AIインタビューに満足しました。
・ 頭の中の整理が一旦ついた。
・ インタービューってこんな風に深くするんだーと思いました。また、インタビュー中にお互いに思っていることが同じ!と共有できました。
・ AIインタビューの中にある「誰がどんなファシリテーションをしていますか?」という問いは(AIとなぜ関係するのかわからなくて)混乱すると思います。ファシリテーションを頭から排除してAIに注目してほしかった。
・ AIインタビューがある程度時間をとってできた。
・ AIインタビューに満足しました。
・ インタービュアーが上手だったので自分の悩みがすっきりと整理されました。
・ 新しい視点に気付きがあった。
・ ワールドカフェは奥が深い。
・ インタビューに満足しました。
・ もう少し時間のゆとりがあるとBetter
・ ポジティブコアマップが面白かった。
・ インタビューがよかった。
・ 未来について考えるよい機会になりました。
・ AIの目的、効果、どうやったらという具体的に方法論がちょっともやもやしています。
・ 思いを「絵」にする体験実習ができてよかった。
・ インタビューすること、されることで気づくことが多かった。
・ 短い時間の中でAIのエッセンスを伝えていただけたと思います。
・ インタビューに満足しました。カウンセリング的に使わせていただきました。
・ よくわかりませんでした。
・ ワールドカフェに満足しました。第2セッションに入って「こういう効果があるのか!」という気づきがあった。
・ インタビューに満足しました。
・ AIについて知ることができたので満足しています。(エッセンスかもしれませんが)

3−2 セッション毎の理解度を教えてください。
理解度
 AIに関する簡単な解説 77.1%
AI・インタビュー 87.8%
ポジティブコアマップ 72.3%
ワールドカフェ 79.6%
デザイン&デスティニー 24.1%(参考) 省略したため
フリーアンサー
・ Life Affirmetiveの意味がより深く理解できた。
・ やる気など感情面をグループディスカッションのテーマにすることに違和感を強く持った。オープン講座の難しさもありますね。
・ 「決めない会議」以外にもありましたら、AIの全体像を理解していないので入門書などを教えてください。
・ インタビューに時間をかけて感覚を共有できた。
・ ピーク時の話なので気持ちがUPした。
・ インタビューがわかりました。(いちおう・・)
・ ポジティブコアマップの作成、キーワードを抽出する。→絵を書く。という作業は楽しいです。
・ 良い企画をありがとうございました。
・ もう少しAIを深く学びたかった。(細かい手法)
・ インタービューをしたり、されたりして気づくことがあった。特に10年後から見た時に実現の要因を考えるとイメージの強さが重要と感じた。
・ ポジティブコアマップを作る意味がわかりました。
・ インタビュー〜絵に表すところでみんなが笑顔になったところが驚き、新鮮でした。
・ デザイン以降部分も少し行ってみたかったです。
・ ポジティブコアマップは楽しくできた。
・ AIインタビューが良かったです。自分でもインタービュアーが体験できたのでよかった。
・ ポジティブコアを絵にするとイメージが拡がる。
・ いいセッションでした。来てよかったです。企画の方々お疲れ様でした。
・ 具体的に手を動かして意見をいったため。
・ アウトプットがあった。
・ イメージをビジュアルにする体験が楽しかったです。それを仲間とつくることで色々な気付きが生まれました。
・ まだ深く理解できていませんが、次年度に続編をしていただくことを希望します。
・ 笑顔になるには何が必要か、考えるところが多かった。
・ コアマップを話しながらまとめていくというのが面白かった。
・ みんなが理想とする笑顔って何なんでしょうね?についていろーんな形があるってわかりました。
・ インタビューはよかったです。
・ 左脳→右脳→左脳という考え方は新鮮だった。
・ よくわからなかったです。予習なしで飛び込んだ私の方が悪いのだと思います。
・ あるべき姿をポジティブなイメージにおくということ(→問題解決の方法との違い)が学べてよかった。
・ AIの考え方(ポジティブな面に注力する)がよかった。
・ 図を描くことの意味がわかってよかった。(右脳)
・ AIについてのミニ講義が先にあったのは良かったです。
・ AIインタビューは狙ったことが上手くできませんでした。慣れていないことも大きいと思います。
・ 「デザイン」のあたりでの具体的な取り組み方や注意点などがもっと知りたかった。(いっぱいパターンがありそうなので)
・ 最高のシーンを思い返すことで気持ちが前向きになりました。
・ 会社でチャレンジしてみたいと思います。ありがとうございました。

「その他」
・ AIとは何かがよくわからなかった。
・ よかったです。ありがとうございました。
・ 急いであまりかけずすみません。
・ 定例会の内容によつては丸一日かけてやるのもよいかと思います。
・ 楽しく学べました。ありがとうございました。
・ 今回もそうだけど定例会で行うワールドカフェは毎回表面的な話を掘り進めようとした時点で終わってしまうのが残念。
・ マイクのボリュームを上げるとよかったと思いました。
・ 先生の声がとても聞き取りにくく感じました。
・ 本来のスケジュールを極端に短くしたプログラムだったと思います。
・ プログラム作りお疲れ様でした。
・ AIのにおいを感じることができました。
・ とてもあがり(緊張)ました。
・ 今回初参加なので他の回のこと
・ あまりに総論的すぎるように感じました。もう少し焦点や受講者層を絞った会を開いていただけるとよりよくよくなると思います。
・ 解説を聞いたり見たりするだけでなく実際に体験することで腹に落ちた部分が多かった。

◆担当より
AIを中部でもやりたいと提案したところ、大勢の方が笑顔一杯でワークに取組んでいる姿を見て嬉しく思いました。香取さんには準備のため2度も名古屋泊をしてくださり感謝しています。(喜多さん)
香取さんをファシリテータとしてお招きし、多くの参加者が得て、AIのほんの入り口ですがワークショップを開催できたことに感謝しています。ワークの中でAIインタービューを体験できたことに対する満足度は高く、うれしかったのですが、ポジティブコアをつくりながら、個人の行動計画まで展開できなかったのが心残りです。今後は、4Dをすべて体験できるワークを短期間でできないのか探求したいと思います。ご参加ありがとうございます。(榊原)