第77回:2011年7月16日 青テーマ スムーズすぎる合意形成 その結論で大丈夫? 〜 ちゃぶ台返ししてみませんか? 〜中部支部

中部支部 7月定例会(青テーマ) 議事録

■日 時: 2011年7月16日(土) 13:00〜17:30
■場 所: 愛知県産業労働センター ウインクあいち 1003会議室
■参加者: 13名 (会員13名)
■担 当:  檀野隆一、成瀬幸敏 (中部支部)(いずれもFAJ中部支部)

■テーマ:スムーズすぎる合意形成 その結論で大丈夫?
    〜 ちゃぶ台返ししてみませんか? 〜
■ねらい  ファシリテーションによる合意形成の引き出しを増やすこと

■プロセス
【イントロ】(13:00 〜 14:00)
 1 あいさつ、スタッフの自己紹介(10分)
 2 テーマ等の説明(15分)
 3 チェックイン(15分)
 4 単語で自己紹介
   「ニックネーム、どこから、夏といえば、今日の目標」
 5 練習ワーク(20分)
    テーマ:もし「東京スカイツリー」という候補がなかったら、
        あなた達は何という名称にしますか?
        一つに絞ってください。

【ワーク】(14:00 〜 16:45)
 1 ワークの趣旨説明(15分)
  ・ 今回は合意形成のワークで、チーム全員が納得できる案を出すのがゴール。
  ・ ロールプレイ中に、「ちゃぶ台返し」用の仕込みを入れている。
  ・ 自分がもしその立場や役割になったときに、どのように考えるか、
    意識することで、思考の幅を広げてほしい。
 2 ワークの手順(45分×3回)
  5〜6人のグループをつくる。(今回は、毎回メンバー交代した)
  ロールプレイのシチュエーションを担当から説明する。
  場所、テーマ、現状の問題
  ファシリテーター役を1名選ぶ。
  ファシリテーター以外のメンバーには、ロール(立場、考え方)の書かれたメモ(ロール役割表)を渡し、その役になりきる準備をする。(5分程度)
  模擬会議の実施(25分)
  振り返り(15分)
  結論とそのプロセスを発表する。

  なお、今回実施した模擬会議のシチュエーションは以下のとおり

    (1)社内メタボ対策
       場 所:ある一部上場企業のオフィス人事部内会議
       テーマ:社内のメタボ率があがってきている。生活習慣病になって長期間入院されても困るので、改善案を考えたい。
    (2)節電への協力
       場 所:ある部品製造メーカーのオフィス総務部社員と営業部社員の会議
       テーマ:節電15%目標を国から提示されたが、営業部が空調と照明の節電に反対。他部署は節電に協力しているので、営業部を説得する案を考えたい。
    (3)小学校への携帯電話の持ち込み
       場 所:小学校の教室先生と保護者が話し合っている
       テーマ:小学生が携帯電話を学校に持ってきているのでなんとかしてやめさせたい。持ってこさせなくする案をいくつか考えて実行したい。

■全体の振り返り(16:45 〜 17:30)

 ◎ "ちゃぶ台返し"には2種類あることに気づいた。
  ・ ひとつは、破壊的なちゃぶ台返し(理不尽なちゃぶ台返し)で、これは未然に防止ずべき。
  ・ もうひとつは、創造的なちゃぶ台返し(新たな視点を拡げるちゃぶ台返し)で、これはファシリテーターが推進すべき。
 ◎ ちゃぶ台返しが目的ではなく、新しい視点を拡げることが大事である。
 ◎ 前提条件やゴールの共有があいまいだと、終盤でちゃぶ台返しが起こるリスクが大きい。
 ◎ できるだけ早めに抵抗なくそれぞれの立場表明をさせてしまうことが、ちゃぶ台返し防止につながる。
 ◎ 合意後の実行までのプロセスを考え、合意形成のデザインを考えることが大切である。

■参加者コメント

 ◎ ロールの役割表に「決まりかけの時に違う視点の意見を言う」の指示があればワークとしてはちゃぶ台返し構造ができたかもしれない。
 ◎ 実体験としてひっくり返すことは出来なかったが、それぞれのワークで「こうやったらちゃぶ台返せる」とあとでわかり、返すことになる条件の想定できた。
 ◎ 対立が発生した時に場を進めるスキルを身につけたいと実感した。

 以上