第81回:2011年12月17日 赤テーマ 造形創作ファシリテーション 〜チームで創るトリックアートに挑戦!〜中部支部

中部支部 12月定例会(赤テーマ) 議事録

■日  時:  2011年12月17日(土) 13:00〜17:30
■参加者: 23名(会員  名)
■場  所:  東桜会館 第2会議室
■担 当: 宮田 基、上井 靖(ともにFAJ中部支部)
■テーマ:造形創作ファシリテーション
      〜チームで創るトリックアートに挑戦!〜
■担当者からのメッセージ(定例会案内文より)
  中部支部が送る白熱授業第3弾!「美術の授業」を体験していただきます。
  題材は「立体トリックアート」です。ファシリテーションの手法を取り入れ、「人とのつながり」から「新しいアイディア」を創り上げることを通して、ファシリテーションの可能性を探ります。
  美術や造形活動が得意な方、苦手な方にかかわらず楽しめるコンテンツ、プロセスを考えました。特に、右脳を使うワークショップです。
■概 要(定例会の流れ):
1.グランドルールと流れ説明
2.アイスブレイク1(座席決め)
  「今日の気持ちは何色?」イメージカラーでグルーピング
3.アイスブレイク2(自己紹介)
  (1)自分の似顔絵 (2)名前 (3)職業 (4)なぜここにいるか (5)何を持ち帰りたい
4.トリック・ペーパークラフト
  リバースパースペクティブ(遠近逆転錯視)のペーパークラフトを説明の通りに作成し、
失敗体験を通して「思い込み」のおそろしさを体験しました。
5.トリックアートの体験・理解
  両眼と一眼とで見え方が変わる不思議を実際に体験していただき、なぜそう見えるのかレクチャー。
  その後、韓国の電機メーカー「SAMSUNG」のオプティカルアートや国内のトリックアートミュージアムの動画作品を紹介し、本日制作していただくトリックアート作品を知らせました。
6.『個のワーク』
  イメージマップ、ラフスケッチを使って作品の構想を練る時間。下絵を描いていきました。
7.『チームのワーク』
  個々の構想をチームで発表しあい、「なぜこのデザインにしたか」や作品イメージを共有。
  「つなげる」をキーワードに、チームの作品をあるルールの下に関係づけるアイデアを出し合いました。
  グループでの方向性が決まったら、いよいよ作品制作。
8.『全体のワーク』
  チームでつなげた作品が9割方完成したところで鑑賞会。全体に向けてそれぞれ「つながる」をどうとらえて創ったかを発表しあい、全体で各チームのアイデアを共有しました。
  デジカメで動画撮影して観てみるとまた違った体験ができました。
9.ふりかえり
  造形創作ファシリテーションが終わった後の気持ちを付箋に書いてもらいました。
  ☆チームで個性を引き出す。
  ☆モノ作りと合意づくりを組み合わせて新鮮。互いに触発し合ってアイデアが膨らむ。
  ☆話すことで発想がふくらむ!!話すことで悩みが解決!!
  ☆よく見ることには片目で見ることも含まれる。
  ☆思い込み・先入観は怖い!思い込みを捨て、協力による創発。
  ☆発想の広がりが場をつくり、つながりをもつことによってより促進されていた。
  ☆社会⇔芸術が互いに効果的に活きてくる、一つのファシリテーションの形を感じた。
  ☆何年も絵を描いてないのでパース技法(遠近法)なんて忘れてた〜!
  ☆自分の絵に自信がなくても楽しむことができました。
10.フィードバック
   担当者へのフィードバックを大きな付箋に記入して終了。
■参加者の振り返り
 ・右脳を使った。右脳ないと思っていたが、あったみたい(笑)
 ・苦痛になりかけている「構想を練る」時間がグループで話し合うことで『こんなにも楽しいことだ』と気づかせる授業だと思った。私もファシリテーションを取り入れた授業を創ってみたい。
 ・片目をつぶるだけで物の見え方が変わるのは大変興味深い。思い込みの落とし穴にも気づけた。
 ・美術の時間に考えさせる、話し合う、共同作業する、そして共感をするというすごい仕掛けの授業。
 ・「つなげる」ということで共感し、チームで合意形成することができた。それいいね!っていう声が飛び交い、気持ちよかった。
 ・仕掛けが緻密かつ驚きがある、非常に有意義なワークでした。
 ・このワークは企業の頭が堅い経営者向けのセミナーとしても十分できる。
 ・プロトタイプ、実際に自分の手で作業をするということが何よりも自分(他人)の納得感につながる。
 ・ざっくりとした問いにより、かえって考えがいろいろ出せた。
 ・美術って面白そう!と思える内容。もう一度学生からやりなおしたいなあ。
 ・振り返りは深いものになり、楽しかった。ファシリテーションとどんなつながりがあるの?と尋ねられた。初参加の方も多かったので、ちょっと種明かしをしたらもっとよかったかも。
 ・体験(創造、チーム作業)という点では楽しかったし、チームの力を感じることができた。否応なしに時間を切られた点はワークというよりやはり授業。
 ・思いこみで作成すると誤ることがあることを再度体感した。医療現場でも思い込みによるミスがある。ミスを起こしそうな時、分からない時、チームで話し合う、個人の場合は何度も再確認するという行為が必要であるなどを体感することへの学びとしても活かせそう。自分の考えを大切にしつつ他者の考えも大切にすることを感じた。
 ・体験学習法の目から見るとすごく勉強になるワーク。定例会でやる場合、あとちょっと話し合う場、ファシリテーションを実践する場がほしいかも。
 ・前段階から〜発想〜収束まで、トリックアートへの興味と、物事を推進していく視点と、多角的視野とチームでの取り組みと、いろいろな意味での刺激があると感じた。最後、改めての発表の場は必要であったと思います。結果の再認識になるような何か。
■担当者の振り返り
 ・右脳は使って頂けたでしょうか?皆さんからたくさんの気づきを受けて,一番学びを得られたのは自分だと実感できました。トリックアートによるワークの仕掛けについては,大人向けに不親切さを意図的に心がけました。個人→チーム→全体という順序でイメージを共有し、アイデアを発展させていくプロセスが今回のミソだったと思います。ファシリテーションとの関連についての疑問が多く頂けたのも感謝です。まだまだ勉強を続けていきたいと思います。ありがとうございました!(宮田)
 ・学校授業シリーズ第3弾として,宮田さんに挑戦していただきました。参加者の皆さんからいろいろなフィードバックをいただき気付きがたくさんありました。この授業とファシリテーションの関係を探るワークを最後に入れるとさらに学びが深くなったと感じました。多謝!(上井)