第85回:2012年4月21日 赤テーマ 「システム思考で問題構造の理解を深める」中部支部

中部支部4月定例会(赤テーマ) 報告


■日 時:2012年4月21日(土) 13:00〜17:45
■場 所:名古屋市東生涯学習センター 第2集会室
■参加者:28名(会員22名、非会員6名)
■メインファシリテーター : 野口和裕(FAJ中国支部会員)
企画担当      : 北川芳一、角谷裕司(FAJ中部支部会員)
■テーマ:「システム思考で問題構造の理解を深める」


〜問題を視える化するツール〜
【担当者からのメッセージ】
・システム思考と聞き、IT系の人が使うスキルと思ったのですが、そうでは無く私たちが生活していく上で必要なものだと知りました。私自身の理解は、象で例えると尻尾を掴んだ状態です。今回はFAJプロジェクト、システム思考研究会を主宰した野口さんを招いて、「システム思考を、簡単に言うと!」「システム思考とファシリテーションとの関係は?」などワークを通して学習しましょう。(企画担当:北川)
・「システム思考は世界の常識!?」参考図書の「学習する組織」読み、そこで問題を直接的な「原因と結果」と言う一次元でなく、因果のつながり、更には時間軸と言う四次元的な構造に興味を持ちました。しかし、旧版の出版当時は日本人に馴染みにくい思想とのことで、翻訳時にシステムシンキングに関する部分が大幅にカットされたそうですが、欧米では一般的に課題の可視化に使われていると聞きました。
同じ目標を持って集まった仲間でも、なぜか議論が噛み合わないときがありますね。それぞれがどこに着目しているか、また、どれくらいの時間間隔を考えているかを明らかにするにはピッタリの手法ではないかと予感しています。これは、ファシリテーターの必須スキルかも知れません。ぜひ、一緒に学びましょう。(企画担当:角谷)

【目的・目標】
目的:問題解決のために全体像を視える化する事が大切と理解する
目標:1.システム思考という考え方がある事を知る
2.問題解決のどの局面で活用したら良いかを知る
3.何かのときに、ふと全体を俯瞰してみたら、、、と思うようになる

【実施したこと】
1. オープニング
グループ分け:4人組6グループと3人組1グループの計7グループとした
自己紹介:グループ内で1人1分で、名前・所属・今日期待すること を話した
2. システム思考とは
「システム思考とは」「システム思考の必要性」「システム思考をどこで使う?」
3. 因果ループ図
「因果関係の視える化」「概要」「種類」「描き方」
4. 演習(その1:因果関係を考える)
テーマ:(国民の)幸福度の因果関係(原因と結果)を考える
(1)変数を考える  原因(    )→幸福度→結果(    )
(2)なぜ、そう考えたか?  「私は、〜 だと思う」
5. 演習(その2:因果ループ図作成)
(1) テーマを考える---グループで取り上げたテーマ
「FAJ泡の会参加者を増やす」「どうしたら自分と周りが幸せになれるか」「新人の定着率」「収入をもっと上げるには」「グループ(組織)の幸福度」「ずっと健康でいるために」「日本男子がオリンピックで金メダルを取るにはどうすれば良いか」
(2) 対話をしてテーマについて理解を深める
(3) 変数を考え、対話しながら少しづつループ図を作る
(4) 因果ループ図の完成と名前をつける
(5) プロセスを中心に振り返る
6. 振り返り
ワールドカフェ方式で共有をした

【参加して印象に残ったこと、及び感想】<20名のアンケートより抜粋>
1. 期待値に対する満足度は[とても満足:4名、満足16名]と80%の方が満足であった。
2. 今後の実用度は[かなり活かせる:3名、活かせる:15名]と72%の方が答えている
・システム思考という考え方(?)があるのをはじめて知ったこと。
・'システム思考'とは定義されたように視える化のツール方法であることが印象に残りました。
・システム思考には対話が必要だということ。→システム思考を始める前に参加者の認識を
合せてから始めるとやりやすい!。
・因果関係をつないだ結果、ループになるという発想が面白かったです。
・たくさんの視点の有効性に気づけたこと。
・変数を考えるのが難しかった。
・因果ループ図を作成時:つなげる(ループ)事を意識しすぎると本来のループはできない。
・流れを組み立てるのが面白かったけど難しい。
・少人数4人で、興味深いワークショップができて良かった。
・システム思考の「シのはじめの点一つ分」くらいを知ったように思います。
・自分の所属している団体で、まずは幹部でシステム思考をやってみたいと思う!
・定期的にシステム思考を勉強する機会がほしいです。
・職場の問題のループのモデルを知りたいです。
・思ってもみなかった解決策がシステム思考で出てくるのか、もっと勉強してみたい。
・社内でも「どうしたらCS向上できるか?」のテーマで実践してみたいと思います。
・次の10年を見すえて、FAJのあり方、やり方を考える際に使いたいですね。


【担当者の感想】
・限られた時間にも関わらず、システム思考を分かりやすい説明と、丁寧なインストラクションで理解を深めることができた。
・やはり何度も繰り返されたワークであるので、穏やかな進行ながら、バランスが練られているのだと思った。
・難しいと思って、なかなか一歩を踏み込めなかったシステム思考でしたが、恐れなく前進すれば良いのだ、多少踏み外しても良いことが実感できた。
・継続して研究したいという人がおり、今回だけで終わらせたくないという想いです。
・特に一人で因果ループ図を描いても割とすぐ煮詰まってしまうのは、ほかの視点が足りないからで、そのために対話できるメンバーが必要だとの気づきは重要だと思う。
・参加者の満足度が全体的に高く、とてもよかったのですが、特に当日の設営、マイク、ホワイトボード追加、模造紙不足等、準備に課題があり、綱渡りであった。ファシリテーションの基本である会場下見の重要性を再認識した。昼食時間が3分くらいしかとれず済みませんでした。
・カズさんのiPadが、ワーク中は「カウントダウンタイマー」となっていたのはとても良いツールで、「会場の時計で何分まで」と言われるより直接的に残り時間が分かって便利であった。